Butzmetz LingerieZ Blog

Butzmetz社長による徒然音楽日記。

音楽ネタその90:Chick Corea

2007-05-29 23:12:53 | Weblog
なんとなく始めてみたこの「音楽ネタ」だが、なんと90回に到達した。そんなに多くの読者に読まれてないとは思うし(笑)、バンドメンバーからは最近ネタ切れ気味を指摘されているのが少し心苦しいところだ(爆)。基本的にこの「音楽ネタ」は私が好きなミュージシャンのことを好き勝手に書いているだけなのだが、これからは好きなミュージシャンだけのことを書くと限界なので、多少「腹に一物」の思いがあるミュージシャンのことも取り上げてみることにする。その第一弾がChick Coreaなのだ(ほんと失礼^^)。

この人の足跡については語るまでもなく、ハービー・ハンコックやキース・ジャレットなどと並び、コンテンポラリー・ジャズを代表する偉大なピアニストであることは言うまでもないだろう。私もReturn to ForeverやElectric Band、Electric Milesでの演奏など、結構聞き込んだものだ。

ただ、楽曲は素晴らしいと思うのだが、演奏はあまり好きになれない。これは純粋に好みの問題なので遺憾ともしがたいが、彼のピアノは時に、あまりに饒舌に聞こえる。

とはいえ、素晴らしいピアニストであることは変わりない。アコースティック・バンドと称してピアノ・トリオなんぞをやっているのが意外と力が抜けていて好きだったりする。

調べてみたがもう還暦を越えている。ハービーなどと同じく、結構来日回数は多いと思うし、大昔に一度だけ見に行った記憶があるが、割と「もういいかな」という感じだ(爆)。

ファンの方、ほんと失礼しました(笑)。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその89:Toots Thielemans

2007-05-27 01:04:02 | Weblog
今宵のネタはクロマティック・ハーモニカという異彩の楽器を操るToots Thielemansを取り上げてみよう。彼の名前のTootsとは、ハーモニカを吹く際の息の音を擬音化したところからきたニックネームであるらしい。1922年生まれなので、もう80歳を優に超えた大ベテランである。

彼について述べる前にクロマティック・ハーモニカのことを少し書いてみよう。ハーモニカにはいくつか種類があり、大別すると複層式(二段になってるやつ。小学校で持たされるやつね)、ブルースハープ(ペンタトニック・スケールという5音音階だけが使われているやつで、キー=調性に応じて使い分けが必要で、当然ながら12種類ある)、そしてクロマティック・ハーモニカだ。

クロマティック・ハーモニカは元々調性がC dur(C major)になっており、右手側についているレバーを動かすことにより全体の音程を半音あげることができる。いわばピアノの白鍵と黒鍵と全く同じ発想なので、これ一つあればどんなキーでもこなすことができる。

翻ってトゥーツ。この人はスティービー・ワンダーと同じく、このクロマティック・ハーモニカという楽器の使い手だ。ギタリストでもあるのだが、既にハーピストとしての立場の方が有名だ。また、スティービーのアプローチがソウルミュージック寄りであるのに対して、トゥーツのそれは完全にジャズのアプローチだと思う。実際、出てくるフレーズは基本的なビバップ系のものが多かったりする。ジャコ・パストリアスやビリー・ジョエルなどとのセッションが素晴らしい。

何を隠そう、私も多少クロマティック・ハーモニカを吹く。なかなか使いこなすまでは至っていないが、ハーモニカの繊細で物悲しい音色はなんとも捨てがたいものだ。

なかなかメインのセッションであるButzmetzでは演奏の機会がないが、そのうち飛び道具的に使おうと思っているので、乞うご期待。
(Butzmetz社長)

ライブ写真。

2007-05-26 18:05:00 | Weblog
ここ数日飲み会が続き、更新ができませんでした。さて、先日のライブ写真を少し掲載します。mixiをやっておられる方であれば、バンドのコミュがありますので、そちらに大量に掲載しています。ご希望あればリンク申請して下さい。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその88:Cassandra Wilson

2007-05-22 00:05:42 | Weblog
今宵のネタは、私の中ではかなり異色の女性ジャズ・ヴォーカリストであるCassandra Wilsonを取り上げてみよう。

初めてこの人の歌を聞いたのは、スティーブ・コールマンの実験的プロジェクトである"M-Base"の中だ。もともとこのプロジェクトはかなりえぐいサウンドなので、彼女のヴォーカルもある意味凄みが感じられた。といっても、別にガナリ声をあげるなどのゲテモノ的なアプローチではない。非常にメカニカルなラインを歌えてしまうのだ。その響きは「歌」というよりは楽器に近い。大体、ヴォーカリストで、例えばホールトーン・スケールを歌える人は少ない。彼女は恐らく、スケール練習などを含む、相当体系だった音楽教育を受けたヴォーカリストだと思う。

かといって、決して冷たい印象はない。黒人であるということもあるかもしれないが、彼女は普通のスタンダードなども歌っており、エモーショナルな側面もある。異論はあるかもしれないが、通常、歌手はいかにしてエモーショナルに歌うかということだけに注力している(ようにみえる)ので、彼女の存在は特異に映る。

ちょっと調べてみたが、もう52歳。この人もまだ生を見たことがないので、一度ライブ(それもできれば実験的なサウンドで)に行ってみたいものだ。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその87:Bill Frisell

2007-05-20 10:42:46 | Weblog
飲み会などが続き、しばらく音楽ネタが書けなかった。今日の東京は朝から快晴で非常に気持ちがいいが、その天気にふさわしい(??すいません、うそです^^)異色のジャズギタリスト、Bill Frisellを取り上げてみよう。大好きなギタリストの一人だ。

この人は圧倒的なテクニックで押すタイプではない。アイデア勝負の人だと思う。全体的に「間」の多い音楽世界を構築する人で、デジタルディレイを始めとする空間系のエフェクトの使い方が絶妙だ。また意外に間口の広い人で、ベースはジャズにおきながらも、カントリーミュージックやロック、はたまたノイズ系のセッションでもしっかりと自分のポジションを確保できている。私の中ではジョン・ゾーンとのセッションが印象に残っている。

残念ながらまだライブを見たことがないので、機会があれば是非、あの独特な音世界を堪能してみたい。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその86:Clarence "Gatemouth" Brown

2007-05-14 23:36:56 | Weblog
今宵のネタはちょっとプリミティブな方向にいってみよう。デルタ・ブルースの旗手の一人、Clarence "Gatemouth" Brownだ。

この人に限られるわけでもないのだが、いわゆるデルタ・ブルースと呼ばれるアメリカ南部の古いブルース・ギタリストは、いろいろな意味で「メチャクチャ」だ(笑)。まず音楽的な側面から見た場合、理論なんかそっちのけ。通常、3コード(I7, IV7, V7)で構成されるブルースだが、デルタ・ブルースになると、そういうコード進行なんてものが「どうでもよくなる」(爆)。まあ、ブルース=3コードという発想自体が後付けとも言えるが。

あとは弾き方だ。ゲイトマウス・ブラウンだけでなく、例えばアルバート・コリンズなんかもそうだが、大体7フレット近辺に必ずカポタストを装着する。アルバートの場合はテープでぐるぐる巻いて固定していたりする。で、大抵ピックなんかは使わず指弾きのスタイルだ。ゲイトマウスについては一度テレビでその映像を見たことがあるが、明らかに指弾きであるにも関わらず、どうやって弾いているのかさっぱり検討もつかない。適宜写真を見てもらえばわかると思うが、弦に対して指が平行に構えられている。あれでどうやって音が出るのだろうか?

それはともかく、奏でられる音楽は素朴ながらもシブイ。まあ、自分の歌の合間を埋める効果音的な役割であり、フレーズというよりは「ガラギゴ!ブツッ!」てな感じのノイズっぽいけど(笑)。最高である。

ゲイトマウスは2005年のカトリーヌ台風で自宅が全壊し、そのショックからか、台風直撃のわずか数日後に81歳の生涯を閉じたそうだ。合掌。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその85:忌野清志郎

2007-05-13 02:15:33 | Weblog
一昨日のライブ終了後に軽く打上げとなり、片山広明さんと歓談することができた。非常に気さくでおもしろいおじさんで(笑)、いろいろな話を聞くことができた。その中で、片山さんが梅津和時氏などと「ブルーディ・ホーンズ」と称してサポートメンバーをしていたRCサクセションの話となり、特にButzmetz専務ことベースの塩入君なんぞはいつになく興奮して(?)聞いていたように思う。よし、少しRCネタ、ひいては忌野清志郎について書いてみるか。

RCサクセションについては、私の高校生の頃が絶頂期だったと思う。ちょうど「雨上がりの夜空に」とか、「トランジスタラジオ」なんていう曲が流行っていた。この頃は、同時にYMOの末期の頃でもある。今から振り返ると、日本の音楽シーンの中でも特異な時期だったのかもしれない。

ただ、正直言って、その頃の私は洋楽のロックに傾倒しており、RCやYMOなどにはあまり興味がなかった。今になってこれらのバンドをYouTubeなどで見るとなかなかおもしろい。どちらも「今の目」で見ると新鮮だ。

さて翻って清志郎。今はどうやら喉頭ガンを患っているらしく目立った音楽活動は控えているようだが、この人のベースはロックというより「パンク」だ。発売禁止や放送禁止扱いを受けたのは日本のアーティストで一番多いのではないだろうか。特に有名なのが、一時期組んでいたタイマーズというバンドで、「夜のヒットスタジオ」という生放送の歌番組でやらかしてくれた「FM東京」事件は有名である。この様子もYouTubeにアップされているので興味のある方は是非探してみて欲しい。

個人的な意見かもしれないが、ロックという音楽は反体制の象徴であるべきなのだ。世間に迎合するような骨のないラブソングなどは、それはそれとして需要もあるのだろうから否定はしないが、いわゆる私が言うところの「ロック」が日本に少ないのは嘆かわしいところである。

そういう意味では、清志郎は数少ない日本人のロッカーだと思うが、彼が素晴らしいのは、そういう「反骨精神にあふれた毒気」をユーモラスに演じることができるところではないだろうか。そのユーモアのせいだろうか、彼の理解者は非常に多いように思う。得な性格だ。

ガンなんぞに負けずに、これからも毒を吐き続けて欲しい。
(Butzmetz社長)

ライブ雑感。

2007-05-12 19:40:53 | Weblog
とりあえず、昨日のライブが無事終了しました。見に来て下さった方々、ありがとうございます。

今回は新しい試みとして、パーカッションを加えてリズムに厚みを出し、更にはフロントマンとして大ベテランの片山広明さん、スイスからの刺客(?)ウォルティ・ブヘリさんを迎えて敢行しましたが、当事者としては、なかなかおもしろく演奏できました。

もちろん、課題もありますし、トラブルもいくつか散見されましたが、今後につなげていきたいと思います。

なお、昨日のライブの模様は、"JJAZZ.net"(http://www.jjazz.net/)において、6月8日以降に放映の予定です。あいにく有料サイトですが、数多くのプロ・ジャズミュージシャンに混じって私たちのサウンドを掲載していただくことになりましたので、是非ご覧になって下さい。詳しい放映予定についてはまたご案内いたします。

ライブを見に来て下さった方々には忌憚なきご感想を寄せていただけると幸いです。最後になりますが、重ね重ねありがとうございます!まだまだやるでぇ!
(Butzmetz社長)

Coming soon!! Butzmetz gig!!

2007-05-09 23:06:25 | Weblog
いよいよ明後日となりましたので、しつこくreminderを兼ねて。

5月11日(金)19:00 open 19:45 start
吉祥寺MANDA-LA2 (tel: 0422-42-1579 )
出演:
 ◆Butzmetz LingerieZ
  ゲスト:片山広明(Ts)、ウォルティ・ブヘリ(Pan Flute)
 ◆SOH BAND
料金:Charge\2200+order\500~

「渋さ知らズ」や、かつてRCサクセションなどをサポートしていたテナーサックスの大御所、片山広明さんや、パンフルートの魔術師こと「あやしいスイス人(笑)」、ウォルティ・ブヘリ氏をゲストに迎えて敢行します。また、伝説的存在となっているSOH BANDとのコラボレーションになります。またもや新曲三昧でお送りします。今回、かなりご期待いただけると思います。奮ってご参加下さい!
(Butzmetz社長)

音楽ネタその84:Kenny Burrell

2007-05-08 23:17:52 | Weblog
今宵のネタも巨匠だ。しばらくロック系が続いたのでジャズに戻してみよう。ジャズギターの巨匠、Kenny Burrellだ。

未だ健在である巨匠ジム・ホールなどとほぼ同世代であり、既に御年80歳近い大ベテランだ。ジャズの歴史をリアルタイムで生きてきたジャズ・ジャイアントがどんどんあの世に旅立っていく中、まだまだ元気で頑張っているバレルの姿はうれしい。大好きなジャズギタリストで、もう何度も見に行っている。

そのスタイルは、やはり基本に忠実であり、なんといってもブルースをやらせると実に味わい深いプレイを展開してくれる。私はこの人のコードソロが特に大好きで、ジム・ホールのそれとはまた異なる渋さがある。

もう10年近く前のクリスマスに、BBキングとレイ・チャールズがコラボレーション・コンサートをやるという、いかにも日本的な企画があったのだが、そのバックを固めた非常に豪華なビックバンドのギターがケニー・バレルだった。通常、ビックバンドのギターなんて完全に裏方であり、「コードの4つ切り」しかやらないものだが、ビックバンドだけの演奏コーナーではケニー・バレルのソロタイムが用意されており、BBから喝采を受けていた。本当に素晴らしいソロだった。

この人の醍醐味はなんといってもライブなのだ。だが、ライブが素晴らしい分、レコードは今ひとつのことが多い。名盤扱いされている"Midnight Blue"なども、結構「?」という感じだ(失礼)。是非皆さんも、機会があればライブハウスに足を運んで、彼のギターの円熟の極み振りを満喫していただきたい。
(Butzmetz社長)