Butzmetz LingerieZ Blog

Butzmetz社長による徒然音楽日記。

音楽ネタその33:Pat Metheny

2007-02-01 23:28:03 | Weblog
今宵のネタは21世紀を代表する偉大なジャズ・ギタリスト、いや、アーティストであるPat Methenyだ。

前回の日記でもとりあげたゲイリー・バートンに見出され、確か若干19歳くらいの若さでバークレー音楽院の講師となった、なんていうバイオを読んだことがある。あのアル・ディ・メオラはこの当時のメセニーにギターを学んだそうだ。こういう話を聞くと、最初から天才的なプレイヤーであったかのごとく思えるが、正直そういう感じではない。彼の演奏スタイルは完全な現場叩き上げスタイルだと思う。

なんでも、デビュー直後のパット・メセニー・グループは年間300日近いライブをこなしていたそうだ。これはシャレにならない量のライブで、広大なアメリカの大地における移動なども考えれば想像を絶する苦行の旅だったのではないだろうか。「好きこそものの上手なれ」という範囲をはるかに逸脱している。まあ、それだけのライブをこなせば、「そりゃうまくもならぁな」とも言えるが。実際、初期のメンバーは、キーボードのライル・メイズを除きほとんどバンドを辞めている。

私も初めて彼のギターを聴いたときは、「なんだかヘニャヘニャしたサウンドよのぉ」くらいにしか思わなかった。だが、レコードごとにどんどんテクニックが上がっていき、今では唯一無二のメセニーフレーズなるものが出来上がっている。ただ、あまり理路整然としたフレーズではなく、音楽理論ではあまり説明できないような「勢いのみ」みたいなフレーズも少なくない。それが却って彼のギターに凄みを加えているのではあるが。

私が彼を評価するのは、もちろんテクニックの素晴らしさもあるけれども、それ以上に楽曲の美しさだ。リズミックなアプローチなど、ところどころに非常に高度な音楽的仕掛けがちりばめられている彼の楽曲には、そういう要素をあまり感じさせないポップさがある。聞きやすいのだ。

ずいぶん褒めちぎってしまったが、正直名盤"Still Life (talking)"以降、それまで見られた「冴え」が影を潜めているように感じるのは私だけだろうか。だが、いずれにせよ、彼は21世紀を代表する音楽家であることは変わりないと思う。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその32:Milt Jackson

2007-02-01 01:01:39 | Weblog
今宵のネタはMJQのメンバーでヴィブラホン(鉄琴)プレイヤーであるMilt Jacksonである。

書き出した以上は、やはりこの人の演奏は大好きなのだが、そもそも私はこのヴィブラホンという楽器の響きが大好きなのだ。まず"Bugs"ことミルトのプレイであるが、やはりベースはオーソドックスなビバップにあるので、非常にグルーヴィーでファンキーだ。特に遅めの曲で16分音符のような細かい譜割でアドリブを構築していくところがたまらない(いわゆる「倍テン」ね)。

だが、このヴィブラホンには他にも素晴らしいプレイヤーが目白押しで、例えばボビー・ハッチャーソン、マイク・マイニエリ、ゲイリー・バートンなどなど、全員それぞれコンテンポラリーの要素がふんだんに感じられて食指をそそる。

なんというか、この楽器の持つ響きがジャズという音楽に非常に合う。

似たような楽器でマリンバ(木琴)もあるのだが、やはり鍵の材質の違いからか、マリンバの響きは非常にパーカッシブだ。これはこれでなかなか捨てがたく、特にフランク・ザッパのバンドで素晴らしい使われ方をしている。

だが残念なことに、私はまだヴィブラホン奏者またはマリンバ奏者と一緒のアンサンブルに加わったことがないのだ。この日記読んだ方で、フットワークの軽いヴィブラホンプレイヤー・マリンバプレイヤーの方、是非。あるいはそういう人を知っている方がいれば是非ご紹介願いたい。

ちなみに、どちらの楽器もかなり高価だ(悲)。そもそもプレイヤー人口が少ないのはそういう背景もあるかもしれない。
(Butzmetz社長)