今宵のネタは21世紀を代表する偉大なジャズ・ギタリスト、いや、アーティストであるPat Methenyだ。
前回の日記でもとりあげたゲイリー・バートンに見出され、確か若干19歳くらいの若さでバークレー音楽院の講師となった、なんていうバイオを読んだことがある。あのアル・ディ・メオラはこの当時のメセニーにギターを学んだそうだ。こういう話を聞くと、最初から天才的なプレイヤーであったかのごとく思えるが、正直そういう感じではない。彼の演奏スタイルは完全な現場叩き上げスタイルだと思う。
なんでも、デビュー直後のパット・メセニー・グループは年間300日近いライブをこなしていたそうだ。これはシャレにならない量のライブで、広大なアメリカの大地における移動なども考えれば想像を絶する苦行の旅だったのではないだろうか。「好きこそものの上手なれ」という範囲をはるかに逸脱している。まあ、それだけのライブをこなせば、「そりゃうまくもならぁな」とも言えるが。実際、初期のメンバーは、キーボードのライル・メイズを除きほとんどバンドを辞めている。
私も初めて彼のギターを聴いたときは、「なんだかヘニャヘニャしたサウンドよのぉ」くらいにしか思わなかった。だが、レコードごとにどんどんテクニックが上がっていき、今では唯一無二のメセニーフレーズなるものが出来上がっている。ただ、あまり理路整然としたフレーズではなく、音楽理論ではあまり説明できないような「勢いのみ」みたいなフレーズも少なくない。それが却って彼のギターに凄みを加えているのではあるが。
私が彼を評価するのは、もちろんテクニックの素晴らしさもあるけれども、それ以上に楽曲の美しさだ。リズミックなアプローチなど、ところどころに非常に高度な音楽的仕掛けがちりばめられている彼の楽曲には、そういう要素をあまり感じさせないポップさがある。聞きやすいのだ。
ずいぶん褒めちぎってしまったが、正直名盤"Still Life (talking)"以降、それまで見られた「冴え」が影を潜めているように感じるのは私だけだろうか。だが、いずれにせよ、彼は21世紀を代表する音楽家であることは変わりないと思う。
(Butzmetz社長)
前回の日記でもとりあげたゲイリー・バートンに見出され、確か若干19歳くらいの若さでバークレー音楽院の講師となった、なんていうバイオを読んだことがある。あのアル・ディ・メオラはこの当時のメセニーにギターを学んだそうだ。こういう話を聞くと、最初から天才的なプレイヤーであったかのごとく思えるが、正直そういう感じではない。彼の演奏スタイルは完全な現場叩き上げスタイルだと思う。
なんでも、デビュー直後のパット・メセニー・グループは年間300日近いライブをこなしていたそうだ。これはシャレにならない量のライブで、広大なアメリカの大地における移動なども考えれば想像を絶する苦行の旅だったのではないだろうか。「好きこそものの上手なれ」という範囲をはるかに逸脱している。まあ、それだけのライブをこなせば、「そりゃうまくもならぁな」とも言えるが。実際、初期のメンバーは、キーボードのライル・メイズを除きほとんどバンドを辞めている。
私も初めて彼のギターを聴いたときは、「なんだかヘニャヘニャしたサウンドよのぉ」くらいにしか思わなかった。だが、レコードごとにどんどんテクニックが上がっていき、今では唯一無二のメセニーフレーズなるものが出来上がっている。ただ、あまり理路整然としたフレーズではなく、音楽理論ではあまり説明できないような「勢いのみ」みたいなフレーズも少なくない。それが却って彼のギターに凄みを加えているのではあるが。
私が彼を評価するのは、もちろんテクニックの素晴らしさもあるけれども、それ以上に楽曲の美しさだ。リズミックなアプローチなど、ところどころに非常に高度な音楽的仕掛けがちりばめられている彼の楽曲には、そういう要素をあまり感じさせないポップさがある。聞きやすいのだ。
ずいぶん褒めちぎってしまったが、正直名盤"Still Life (talking)"以降、それまで見られた「冴え」が影を潜めているように感じるのは私だけだろうか。だが、いずれにせよ、彼は21世紀を代表する音楽家であることは変わりないと思う。
(Butzmetz社長)