Butzmetz LingerieZ Blog

Butzmetz社長による徒然音楽日記。

音楽ネタその995: Pat Metheny -part xxxxxx

2020-03-28 02:33:57 | Weblog

最近のコロナ禍で、せっかくの金曜日の夜なのに自宅で引き籠るしかなくウンザリ。で、やることなくてSNS surfしているうちにたどり着いた情報に基づき、滅多に見ないNHK BSプレミアムの深夜にPat Methenyの比較的最近敢行されたニューヨークでのライブを見た。なかなか示唆的だった。

というかね、この人、ジャズギタリストというよりも音楽家として素晴らしくて唯一無二と思うんだけど、ギタリストとしてそんなに器用な人だとは思えないんだよね(失礼!シロウトの戯言として聞き流して欲しい)。それこそ、例えばLee RitenourとかLarry Carltonとか、あるいは多少なりとも似たような「空気感」が感じられるAllan Holdsworthとか、もっと言えば、彼がバークレー音楽院のギターの先生だった頃に「速弾き」のテクニックだけ学んで辞めたというAl Di Meolaいった名手と比べても、いかにも「器用」という感じはしない。特にあの右手。ピックの持ち方とか、指弾きの佇まいとか。でもそんなの関係ねぇ(笑)。

感想。やっぱすげー(笑)。正にone and onlyだったんだけど、合間にインタビューが挿入されていて、それが2つの観点で更に印象的だった。1つは彼が「ニューヨークでは意図的にあまり演奏しないようにしてきた」こと、2つめは「常に良いドラマーを探し続けてきた」こと。

最初の観点だけど、彼ほどのビッグネームであれば、New Yorkのようなジャズのメッカでライブをすることくらい、なんてことはないはず。でも彼からそのような言葉が発せられるのは、ひとえにアメリカという国の構図にあるような気がした。彼はアメリカのミズーリ州という、どちらかといえば「ど田舎」の出身。その長いキャリアの中で、日本を含めてワールドツアーを何万回とこなしてきただろうに、なんか日本における「東京v.大阪」とは大分違う「おらが村」的なアメリカの感覚があるんかな、と勝手に想像した(日本の都道府県と違って、アメリカの各州は一つの「国家」みたいなもんだしね)。しかも、今回のライブ、MSGみたいな大会場ではなく、ギター・キーボード・ドラムという小編成で、あえて小さなライブハウスを選んだところに彼の「思い」というか矜持のようなものが感じられた(俺、随分えらそうww)。

2つ目のドラマーの件。なんかね、素晴らしいドラマーって数えきれないくらいいるんだけど、だからといって、例えばSteve Gadd, Dave Weckle, Dennis Chembers, Omar Hakim, Chris Daveといった名手とPat Methenyがマッチするのか、といえば、あんまりそうじゃない気もする。この当たりは本人の「感覚」的なところもあるんだろな。ちなみに今日見たドラムの人(名前忘れたけど若手)、Patのタッチにピッタリだった。

ちょい調べたところPatも既に65歳。円熟味を増しているけど、いつまでも瑞々しい感覚にはホント感激。映像を一発。彼の挑戦的な態度を示すもので、19世紀に実現した自動演奏システムとのアンサンブルで"Orcehstrion"(https://www.youtube.com/watch?v=KsYEOUKS4Yk). ギターシンセサイザーをいち早く取り入れた彼の新進気鋭ぶりが感じられると思う。ごいすー。

 

-Butzmetz社長-

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