山のあれこれ

山の楽しみのあれこれを紹介していきたいと思います。

日原タワ尾根・四間小屋尾根よりウトウの頭

2010-05-05 | 山行
5月5 日(水) GW最終日は、学生時代からの山仲間A君、T君と3人、またの名を「GPS研究会」ご一行様で、新緑の奥多摩・タワ尾根をたずねた。

奥多摩駅8:28着。東日原を(9:00)に歩き始め鍾乳洞の先の籠岩下の駐車場(9:30)でGPSスイッチオンをしていつもの儀式(衛星捕捉とコンパス校正)を済ませる。但し、私はGPSを貸し出し中で手許になく同じにプリントしたルート図とコンパス、高度計のマニュアル仕様だ。今回、私が作成したカシミールデータ(ルート図)を予め、友人達にメールで送りGPSにセットしていただき、私はプリントしたルート図を見ながら歩いた。

いつものフェンス裏(10:10)から入山して上段歩道に足を踏み入れる。黄緑色の絵の具のなかに飛び込んだような新緑の道を延々と歩いていく。道を埋めている落ち葉が冬を越してガサガサに乾いており結構滑り易い。この半年間に何回か通っているので、各々の尾根すじとの初めての出会いを思い出しながら進む。
昨年崩壊した橋は修復
仮小屋跡(金袋山への分岐)1005m地点(10:45)、峰小屋尾根(23/24)1080m地点(11:00)、道幅が広くなったスズ坂の丸東尾根(11:17)、材木小屋尾根(24/25)破れ鍋の1130m地点で(11:44)着、ここからは初トレースで原始性がさらに増します。凹地状に広がった空谷や苔むした岩が重なる水流のある鳥居谷左俣(12:05)や、さび付いたツルハシの尾根、四軒小屋尾根の東南尾根(25/26)、ルート上に仮小屋の残骸、そして、ついに四軒小屋尾根(1250m)(12:35)に着いた。
苔むした沢床
四軒小屋尾根に到着
さわやかな風が心地よく細尾根上でコーヒーを沸かしてゆっくりとランチタイムだ。仲間との山行は気持ちの余裕があるし、GPSは各々、現在地点を頼もしく確定してくれる。13:過ぎに四軒小屋尾根をウトウの頭に向かう。伐採された斜面がすぐに広い自然林の尾根となる。木立越しに向かいの長沢背稜がぐっと近づいていたのが分かる。稜線近くには酉谷避難小屋が見えた。
広い尾根の奥に長沢背稜。酉谷避難小屋が見えた
黒木の森がウトウの頭
直下は針葉樹と雑木とスズタケの残骸
東南尾根がぶつかる1388m付近では、たおやかな山腹にブナの巨樹が点在しており、さらに行くと、密になった雑木の梢の上のウトウの黒木の森をめざして適に辿っていく。しだいに傾斜がきつくなり針葉樹と雑木が混じり合い、スズタケの枯れた残骸を踏みしだいて登ると暗い樹林のなかでウトウの頭1587mに着いた(14:08,25)。最近行方知らずになってしまった有名な手彫りの山名板に代わり、すぐ名物になりそうな青い陶製の山名板が迎えてくれた。
新しい山名板が
スズ坂の丸に向かう
スズ坂ノ丸よりオロセ尾根下山
下山はタワ尾根をスズ坂ノ丸まで戻り、タワ尾根からのエスケープルートとして使えそうなオロセ尾根で孫惣林道に降りるルートの確認することにあった。スズ坂ノ丸(14:50)の山名板から数10m東に移動した転換点から南に下り始めると枝尾根にうまく乗る。急坂を転がるように下りて行くが左手に下りすぎないように注意する、1250m付近で左右に薄い踏み跡を見落とさないように。これは、金袋山から来ている巡視路で右手に降りていくとジグザグ道を経て1200m付近で明瞭な土留めのある巻き道と交差する。水源巡視路の黄色い丸看板があった。ここでは水平巻き道に入らず、下部で黒木に繋がる枝尾根へ下りる。まもなく杉の植林帯(1150m)15:28で作業道となり孫惣谷林道に降りる。石垣に木の階段が掛かっている(870m)15:50着。
広いが急斜のオロセ尾根
孫惣谷林道に到着した
オロセ尾根でもGPS組が威力を発揮した、ほぼ、50m毎の等高線にポイントを入れてルート図を作成したので、コンパス走行している私をGPS組がブレーキを掛けてくれた。下りで枝尾根を外すととんでもないことになる訳で。
林道歩き
日原谷夕景
あとは、1時間少々の林道歩きで小川谷橋に戻り東日原BSに到着(17:00)した。もちろんBS手前の酒屋で下山祝を買い込んでの祝杯がフィナーレとなる。
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笹子・トクモリ南尾根からお坊山

2010-05-01 | 山行
5月1日 先月から気になってしまった宿題を片づけようと再び、笹子の駅に降り立った。米沢山から眺めていたオッパイ山のひとつが、このトクモリだった。

お坊山は笹子稜線の高みに過ぎないのに、このトクモリは1412mの標高点があり顕著な南尾根を持っている。また国土地理院の地形図には山名が無いのに昭文社地図の大菩薩には「トクモリ」とあった。

笹子駅9:23…R20新笹子隧道10:00…橋…発電所前・送電塔標識(取り付き)10:15……900m付近トクモリ尾根上10:55…急尾根…約20m露岩・左巻道テープ11:30…トクモリ(1412m)着12:54…お坊山(1421m)13:15…主稜・東南尾根分岐13:20…東峰(1421m)13:30…昼食と休憩13:40…棚洞山(1201m)14:45…入道山(992m)15:04…送電塔(840m)15:20…中央道・側道15:40…下山祝…笹子駅16:47

新笹子隧道の入口から100m近くは離れているのにゴーゴーという騒音が鳴り響いている。無粋な建物は発電所で、沢を挟んだ林道脇に送電塔No.15,16の標識があった。ここがトクモリ南尾根の取り付き(720m)だった。尾根上まで100mほど巡視路を辿ればよい。



薄暗い植林の中は幾つもの作業道が交錯しており、うっかり歩き易い道を選んでいたら、急傾斜をかき登るハメになり標高900m付近でようやく尾根に立った。ここから狭い冬枯れの雑木の尾根が続き936mを越えると数10mの露岩尾根になる。ここは左手にテープに導かれ巻き道が作られ岩尾根の上に出た。

1000m付近からは着実に高度を稼ぐ登りが続く。地図上では、この下に中央本線が走っている。頭上の木立に青い空が混ざってまもなくトクモリ南尾根の頂きに着いた。山名板の類は一切無かった。足元の踏み跡から笹子稜線と分かる静かな高みの一角だった。



15分ほどで誰もいないお坊山の白い標柱に着いた。山頂手前で木立が開け眼下の甲府盆地と南アルプスの北岳、間ノ岳が白く輝いていた。南側には白い雲と見間違う富士が。大鹿峠方面とお坊山東南尾根の分岐の見晴らしに、この日初めて出会ったハイカー3人と言葉を交わす。



昼食タイムを取り損なっていたので急ぎ、真新しい山名板の東峰から大好きな東南尾根に駆け下りた。尾根通しに急いで降りるのもよいが、ナゼかうねうねと作られた幅広道を辿るのも好きだ。今の時期の枯れ葉色のふかふかの山腹や錦秋の頃や積雪期にも何度もこの尾根を歩いたものだ。





棚洞山から入道山付近でやっと枯れ枝に若葉が混ざるようになる。この尾根はゆっくりと雰囲気と地面の感触を味わいながら下るのに適している。北側の山腹から鹿の声がした、声に向かって物音が灰色の塊と一緒に移動していく、今のは子鹿か子カモシカか。

送電塔から下は、高速道の騒音が聞こえてくるが樹林の間に道路のフェンスが見えてきたら、適当に斜面を下り側道に降りた方がよい。正直に登り口まで降りても、手入れはされておらず分かり難い上に足元も悪いことが今回初めて分かった。

笹子駅の手前には酒屋がないので笹一の食堂で下山祝をやって、峠の力持ちの笹子餅を買って帰るのがワンパターンになってしまっている。


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