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きみに読む物語 (ソフトバンク文庫) ニコラス・スパークス ソフトバンククリエイティブ このアイテムの詳細を見る |
「きみに読む物語」。すてきな恋愛映画です。原題(The Notebook)のほうが甘ったるくなくて好みですが、集客上こういう方が好ましいのでしょうね。
数年前飛行機の中で観て感動したので、原作(ニコラス・スパークス著)も読みました。妻の祖父母の実話を描いた本だそう。
先日パーフェクTV(シネフィル イマジカチャンネル)でやっていたので映画をもう一度観てみました。
妻役のジーナ・ロウランズの演技がよいこともあるのですが、
夫の妻に対する深い愛には、何度見てもじーんと来てしまいます。
認知症のための施設に入院中の老女を毎日見舞う、心臓病を患う同年代の男性デューク。
二人が一緒のところに男性の子供、孫が訪ねに来ますが、老女は「家族で水入らずでどうぞ」と席を外します。でも実は彼らは老女の子供と孫でもある。つまり男性は彼女の夫です。
老女は夫も子供のことも分からなくなっていて、毎日夫が訪ねてきていても、知人扱い。でも夫は我慢強く、ノートに書かれた話の読み聞かせをします。
話は、数十年前にさかのぼる身分違いの恋。舞台は米国ですので、階級差ではなく、貧富の差の「身分差」です。夏の休暇で別荘滞在中の裕福な家庭の令嬢アリ―が製材所で働く少年ノアと出会い、愛し合うように。
しかし家族に反対され、またもともとアリーは9月から女子大に通うことになっていて、二人は喧嘩のあと仲直りをすることもなく離れ離れに。
★以下、あらすじ・結末が詳細に書いてあります。読みたい方はカーソルを次々行以降に置いて、反転させて読んでくださいね★
ノアが毎日出す手紙も母親に隠され、アリーはノアが自分を忘れたと思い、家のつり合いがとれた男性と婚約します。
ウェディングドレスの仮縫い中に読んだ新聞にはノアの写真が。
ノアはかねてからの夢だった、無人のまま放置されていた名建築の邸宅を買い取り、自身で補修、改築、元の美しい姿によみがえらせたのを報道されたのです。それはアリ―もあの夏訪れた思い出の場所でした。
アリ―はノアを訪ね、結局アリーは婚約を解消。ノアのもとにとどまります。
そして、老女は気付くのです。自分がアリ―で、話を読み聞かせているデュークというニックネームで呼ばれている男性は彼女の夫であるノアだと。自分がノートに二人の話を書き留めていたのだと。
ようやくわかりあえて喜ぶデューク。しかし、次の日はアリーはまた認知症のため自分の夫を思い出せないどころか知らない人間が部屋に侵入したと思い、狂乱状態で施設のスタッフに助けを求めます。
デュークは心臓発作を起こし入院しますが、ベッドを抜け出してアリーに添い寝をします。その時はアリーもデュークがわかり、穏やかに眠ります。
そして次の日、二人は同時に命を終えることができました。
原作者のニコラス・スパークスは、他に「メッセージ・イン・ア・ボトル」(ケビン・コスナ―、ジュリアン・ムーア主演)、「最後の初恋」(リチャード・ギア、ミシェル・ファイファー主演)のように、他にもいくつか小説が映画化されています。
韓流ドラマのように、古今東西のメロドラマの要素をてんこもりにした筋書きばかりで、話はよくできているものの、結末が容易に想像できて多少凡庸な気がしないでもないです。
でもこの「きみに読む物語」は若き日の情熱的な恋と、自分をわからなくなった妻に対して寄せる夫の無私の愛という対照的な二つの物語が描かれることで深みが出ていますし、特に後者はユニークな設定でひきこまれます。
自分をわかってくれない配偶者を以前と同じように愛せるのか。
愛よりも悲しみのほうが勝って現実の配偶者とは距離を置いてしまい、過去の思い出に生きようとしてしまうかも・・私は思ったりします。とてもデュークと同じようにできそうもありません。
夫に聞いてみたら「これまで一緒にいてくれた気持ちの蓄積があるからたとえ自分が忘れられても毎日会いに行ける」というのですが・・。
興味があればぜひ観てくださいね
(個人的には、映画のほうが構成もより工夫されておりおススメ)。
映画と本とは結末が違い、本は続編も出ています。といっても続編は娘夫婦のぎくしゃくした関係の改善を主題にしたもので、誰にも感情移入できず私はオリジナルほどにはいいとは思いませんでした
↓続編
きみに読む物語 ‐もうひとつの愛の奇跡‐ 雨沢 泰 アーティストハウス このアイテムの詳細を見る |
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