久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

農業と私たち

2010-06-28 11:33:39 | Weblog
 先週金曜の夜、半年ぐらい前から始めたCKK(地域活性研究会)の勉強会で、福岡市で農業をしている36才の青年農業化の話を聞きました。
 
 このCKKという会は、現在の仕事以外に、自分たちの力をもっと地域活性に行かせないかと始めた会で、私は2回目から誘われたのですが、どこから手をつければいいのか分からないので、取りあえずいろいろな話題を持ち寄って議論していました。これまで小国、久山、糸島などが地域の例として上がり、その中でも、福岡からも近く、なかなか魅力的な地域である糸島に的を絞って、このところ議論していました。
 前々回は、糸島市長戦に惜しくもやぶれた候補者だった人に来ていただいて、糸島の魅力と問題点などについて話してもらい議論。前回は糸島JA元青年部長に来てもらって、農業の話を聞き、そして、今回は農業をもっと掘り下げて勉強するために、福岡の農業化に来てもらったという経緯です。

 福岡の西に以前は50近くあった農家も8件に減り、この彼も大学に行ったり、サラリーマンになったり、紆余曲折あって、6年前に親の後を継いで農業を始めたということです。
 親と同じことをしていてもとても敵わないので、珍しい野菜に挑戦したり、なるべく直売で売れないかと試みたり、そのために、自分で試食やポップを作ったりと、新しい農業を模索している姿に大変好感がもてました

 1年間、1日の間もほとんど休みなしだそうです。そんなに働いて収入は何とか親子3人暮らしていけるほどだとか。トマトの価格から労働賃金を出してみると、何と時給531円という額になるそうです。(コンビニのバイトよりも安い
 野菜の原価はびっくりするほど安く、今回ブロッコリーの例を出されたのですが、スーパーなどで200円ぐらいで売られているのの出荷値は何と30円ぐらいとのこと。消費者から「野菜は高い、高い」と言われるのがかなしいと言っていました。

 彼は、これからの農業を憂い、食の大切さを考えて、小学校などで話をしているそうです。食べ物が軽く扱われているのではないか、と疑問を投げかけ、自分にとって農作物は商品ではなく、作品であるという言葉も印象的でした。
 そして、自分の農業は消費者を裏切らないものにしなくてはいけない、そのためにも、もっと農業の知識を付けたり、少なくなった若い仲間とスクラム組んでがんばっていくと締められました。

 自分の息子より少し上の若者がこんなに農業を憂いがんばっている、考えさせられましたねー。最近でこそ食育など言われるようになってきて、少し食べ物について、また、日本の食料の自給率の低さに、農業の重要性も語られるようにはなってきましたが、農業、農家と私たちの距離はまだまだ遠い気がします。

 これからも自分たちでは作れない大切な食べ物を生産してくださっている農家といかに近い関係になれるか、生産者も儲け、消費者もいいものを適正価格で買えるようにするには、さて、どうすればいいのでしょうか。真剣に考えていかないと、農業をする人がいなくなるのでは・・・と心配でたまりません


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