私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

後楽園の序・破・急

2009-11-15 16:27:38 | Weblog
 「序・破・急」とは聞きなれない言葉と思いになられませんか?

 この「序破急」とは、古来から日本の芸能全般で、特に、雅楽、能楽を中心にして、使われている概念です。
 「序」とは、ゆっくりと事なく、すらすらとした静かな感じです。「破」とは、変化に富んだ、曲折のある激しい感じで、「急」とは、速く短く、又は、さらさらと軽やかな結末を告げる感じを言うのだそうです。なお、「急」には、ひきしまる、きびしいと云う意味もあるのだそうです。
 この概念は、最初は「雅楽」で取り上げられたのですが、次第に、楽能、茶道、俳諧など芸事全般に取り入れられ、あの「風姿花伝」でも、世阿弥は「一切の事は序破急あれば」と、書いております。万道に通じる概念だそうです。
 中国の起承転結に通じる概念で、序は「起・承」で、破は「転」、急が「結」に当たるのだそうです

 この「序・破・急」の考えが、庭園にも取り入れられていることについて、かって兼六園を訪ねた時に、そこの案内人によって説明を受けたことがありました。
 兼六園にもあるのだったら、後楽園にもと、園内を探しました。こここそ間違いないと思った場所が、昨日、取り上げた「花交瀑」です。
 
 でも、これも、先の蘇鉄と一緒で、今まで、誰からもそんな説明は受けたこともなく、それらしい説明書もないのですが、私は、「そうだ。これこそ違いないと」と、一人、何時もにやにやしながら、この「岐蘇谷」一帯に広がる永忠の序破急に思いを馳せながら散策を楽しんでいます。

 なお、昨日の3枚の写真はその思いを載せて写してきました。どうでしょうらとか。
 序と破と急となっていると思いになられませんか。1,2枚目は、正にそのものズバリです。3枚目の写真は「さらっとした何か身の引き締まる」感じがします。これが「急」という言葉と、何かしら合わないようにも考えられますが、激しい流れ「破」から激変して、急に、静閑かな池に流れ落ちていますので、「急」という概念でもいいようにも思われます。
 その効果を意識的に意図して、永忠は、わざわざ百石島の前に、小さな石灯篭を置いたのではと、私は推測しています。
 
 こんな散策が私の後楽園散策法です。