私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

飛花繚乱・・・花交瀑を詠んだ歌の数々

2009-11-17 10:16:04 | Weblog
 この花交瀑についても幾多の歌が詠まれています。
 花交瀑とは、花が飛沫の中に交りながら流れ落ちる滝という意味です。
 「花」とは、春のさくらも、いくら意識の中にあったと思われますが、本来は“からくれないみずくくるとは”と、詠った業平の龍田川の秋にちなんでの故事からの命名だと、私は強く思っています。
 八橋から流れ出た水が、すぐに、直接、この滝に流れ込んでいます。時間的な流れの中にいくつもの連続的な物語を、永忠は意識的に描きながら、先の蘇鉄をも含めて、この庭園を構成していったのだと思われます。だから、序破急の花交瀑は、春のそれよりも、秋を、というか、伊勢物語を深く意識して造られたのではと思います???。

 こんなことを書いていると、また、あの寶泥氏から
 「くだらねえことを、そげえに、ながたらしゅういわんでもええ。はよう次へいかにゃあ」
 と言う、お叱りのお言葉を頂戴すること確実です。

 そうでした。今日は滝について詠まれた歌の紹介だったのです。
 できたら、一首ずつ声に出しながら読んでみてください。色付いた「は」?が見えると思います。


      ・筆とりて いさや写さん ちる花を
                ぬきてそ落ちる 瀧のしら絲
                             西川國臣
      ・花交り 落ちくる瀧の しら絲は
                やまとにしきや おりいたすらん
                             貴島磯麿
      ・いはかとに おちくる瀧の しら玉と
                あらそいちるや 花さくらはな
                             岡 直盧
      ・いはかとに くたくるたきの しら玉を
                ひらふかことく ちるもみちかな
                             瀬川則孝
      ・家つとに つヽみて帰る よしもかな
                花にましりし 瀧の白玉
                             三宅知規