私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

わけ行けば袖も紅葉に・・・・・・

2009-11-21 11:04:32 | Weblog
 後楽園十勝の中で、一番、多く歌に詠まれている場所は、やはりここ「千入の紅葉」です。その歌の数々をご紹介します。
 
 まず、初めは、例によって岡山藩主池田綱政侯のお歌から、

    ・わけ行けば 袖も紅葉に 染めてけり
              千入の森を しぐれふる頃
 
 何の解説いりません。そのままの景色を詠みこんだ歌です。ただ、「千入の森に」でなく、詠む人が、森「を」にしたその背景に目を向ける必要はあると思います。
 ここら辺りからも、綱政が一廉の歌詠みであると、いわれる所以でもあるのです。

 この他、この森の紅葉を詠んだ歌を

    ・もみぢ葉の 千入のもりは くれやらで
              よその梢を わたるつきかな    河合就義
    ・白露は いかにそめけん くれないの
              ちしほの森の 木々の紅葉     高柳秀成 
    ・紅葉の ちしほの森に きて見れば   
              梢はかりそ くれのこりたり    浅野駒子
    ・名に染めし ちしほのもりの したてりに
              秋はゆうへも しらすぞありける  岡 直盧
    ・紅葉(もみぢば)の 千しほの森に 来てみれは
              芝生までこそ てりわたりけれ   貴島磯麿
    ・いつのまに 霜やおきけん 紅の
              千しほのもりは 色つきにけり   武田信敏

   など多くの人が多くの詠んでいます。
 
 やっぱり紅葉が、後楽園の心と、一番よく似合うのでしょうかね。

              
    ・くれないの 千しほのもりの したてりに 
             あきはいり日を ほそくまきけむ   読人不知