私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

庭園と石灯籠

2009-11-25 14:54:50 | Weblog
 この沢の池には、中の島、御野島の他、もう一つ島があります。「砂利島」です。全島白砂で覆われ、その上に一本の這松が地を蔽い、白と緑の配色が池の水に映え、側らに石灯籠までが置かれていて、蓬莱仙島の趣を漂わせています。晩秋の夕陽に映えるその様は、将に、園中随一の魅をなす風景でもあります。
 もし、私が後楽園十勝を選ぶとしたなら、「境沢の蓮」より、この砂利島を背景にした「沢池の夕陽」をむしろ挙げたいぐらいです?

   

 この砂利島にある石灯籠も、園中の雅趣の一役を果たしていますが、庭園の石灯籠と言えば、まず、兼六園があります。確か、ことじ灯篭を始めとして十数個の石灯篭があるのではと思います。一方、我が後楽園にも、花交池の百石島の前の水中になど、兼六園ほどは多くはないのですが、やはり石灯篭が見られます。
 このように、庭園と灯篭は、日本庭園では、決して切り離せない組合せになっているようです。
 一説によりますと、灯篭は、本来、春日神社などにあるように、燈明として奉られるろうそくを立てる容器として、神社仏閣で使用されていたのですが、千利休が、本来の利用目的を離れて、単なる雅趣を感じさせるための装飾品として、茶室の庭に置いたのが、日本で、庭園に石灯篭が置かれた最初だと言われているようです。
 それが、利休が始めた茶の湯の流行と並行して、大名庭園などにも置かれ、枯淡な感じを演出する最高級品として大いに持てはやされたのでした。それはやがて市民の間にも流行り、個人の庭園にも取り入れられていったのです。
 なお、次の写真は、最初が延養亭の前の芝生の中の灯篭で、次は百石島のものです。3枚目は延養亭の前の物です。三者三様の趣を呈しています。なお、金沢の兼六園のことじ灯篭も添付しておきました。念のために。