私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

板口冨美子という人ご存じですか ④

2008-12-27 14:29:56 | Weblog
 昨夜、不思議な夢を見ました。
 私は大正時代に発行された一冊の絵本を持っています。大正ロマンがひしひしと感じられる大変懐かしいにおいのある絵本です。この本の中に竹久夢二の画いた絵が載っています。下の絵がそうです。
       
 そうです。この絵の女の子が夢枕に立ったのです。寝ているはずなのですが、きちんと立ち上がってきて言うのです。

 「あなたが平方政代さんの甥っ子ですね」
 「・・・・・・」
 「もう大分前ですが、あなたは桐の花の枝を折ってきてくれた。あやちゃんの子でしょう」
 「・・・・」
 「どうして桐の話が出たのかはわからないのですが、桐の紫が美しいという話になり、どうしても見たくなって、つい、政代さんに話してら、次の日あなたが届けれ呉たのです」
 「・・・」
 「それから、あなたにはホトトギスの声を聞かせてもらいました。これはあなたのお父様と話していた時のことです。よく美袋ではホトトギスが鳴くという話になり、あれが多分と、私は思っていたのですが、それを確かめる機会もなく時が流れていったのですが、何時だったかわ定かではないのですが、麦秋のせわしい時分だったと思います。夕闇が迫りかけた部屋に、あなたが突然に駆け込んできたかと思うと、いきなり、『あの声がホトトギスです』と、教えてくれたのです。あれ以来私は夏が大変好きになりました。あなたのおかげです」
 「・・」
 「でも、今度ばかりは、ちょっと私は怒っていますのよ。だって、あなたが書いたあれはなんです、どうして私が薄倖なのです。私は自分自身をそんふうに考えたことは一度もなかったのですよ。むしろ、あなたたちよりは幸福な人生だったと言えるのかもしれません」
 「・」
 「だって、ここからは悪は見えませんもの、全て善ばかりですもの。あなたの桐の花も、ホトトギスも全て善ですもの。悪い人は見たことありません。例え終身刑の囚人であろうと。私の周りにいる人は全て善人なのです。悪い人を知らないで、世の中で暮らせるってとっても幸せじゃないと思わない。だから幸せな人生なのです」
 「・」
 「人はだれでも生きています。人が『生きる』という事に関しては薄倖も幸福もありませんよ」
 「?」
 「こんな私の歌がありまます。
     死ぬまでは 生きねばなるぬと いうことば
               長病むわれに 鉄則のごとし

    ひとりでに 生きらるるとふは 病むわれに
               いくたび思ふも すばらしきこと 」
 
 これだけ云うと、その冨美子の夢二の少女はどこかへ消えていきました。

 これが私の夢なのです。不思議な夢でしょう。