私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

吉備って知っている  61 細谷川を歩く⑨

2008-12-05 10:04:35 | Weblog
 昨日の私のブログへの閲覧数が、平生はいつもその半分にも満たないのですが、280近くもあり、ついその数に浮かれて、もうこれで次のテーマに移ろうかと思っていましたが、まだ懲りずに、もう少しお話ししてみます。
 まず、この細谷川を詠んだ歌として、
    “真金吹く吉備の山風うちとけて細谷川も岩そそぐなり”
 という後鳥羽院の御歌があります。このほか「夫木集」という歌集にも七首載っています。
 この集には、また、「吉備の中山」を詠んだ歌も、やはり十数首載っています。
 なお、余談になりますが、この「吉備の中山」を詠んだ歌として小倉百人一首の歌人の歌を挙げておきます。
   ・前大僧正慈円
      船止めて契りし神のゆかりにはけふも詠まるる吉備の中山
      (おほけなく浮世の民におほうかな・・・・・・・)
   ・俊恵法師
      雪深み吉備の中山跡絶えてけふはまがねを吹くや煩ふ
      (夜もすがら物思うころはあけやらで・・・・・・)
   ・清原元輔
      誰か又年経ぬる身をふり捨て吉備の中山越えとすらん
       (ちぎりきなかたみに袖をしぼりつつ・・・・・)
   ・大納言経信
      麓まで峰の嵐やすさぶらん紅葉散りくる吉備の中山
       (夕されば門田の稲葉おとづれて・・・・・・)

   ・これは、直接、百人一首の歌人ではないのですが、
    「秋風のたなびく雲の絶え間よりもれいする月の影のさやけさ」の顕輔の父親の顕季の歌もあります。私が好きなので特にあげておきます
      鶯の鳴くにつけても真金吹く吉備の山人春を知るらん
   
 このほかたくさんの有名な歌人が多くの吉備の中山や細谷川の歌を残しています。