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沖縄「命どぅ宝」の日をおぼえて

2016-06-23 09:52:39 | メッセージ
あかし M・I

「命どぅ宝」とは日本語で「命こそ宝」という意味になります。
この命どぅ宝の日というのは、6月23日の、沖縄戦が終わった日にあたります。
沖縄では慰霊の日と呼ばれ、学校等はお休みになります。これは沖縄戦において日本軍が組織的な戦闘をやめた日のことで、毎年この時期に梅雨明けを迎える沖縄では、よく晴れた美しい日になる事が多いです。
でも県民にとっては、多くの命を失った71年前の沖縄に思いを馳せる、とても悲しい日でもあります。


この慰霊の日が近づくと、沖縄の学校では「平和記念週間」と題し、戦時中の沢山の写真や資料の展示、沖縄戦を題材にした絵本の読み聞かせ、平和記念資料館の見学など、様々な形での平和学習が企画されます。
沖縄戦を直接経験していない私が、自分のとても深いところで戦争の恐ろしさや、二度と繰り返されてはならないという思いを持っているのは、小中高を通してこの平和学習が徹底されていたからだと、大人になって強く感じています。
地上戦の記録ですので、小学生だった自分には平和学習の内容はとてもショッキングなものが多く、学校帰りに米軍の飛行機の音が聞こえると「今から戦争が始まるんじゃないか」と恐ろしかったのを覚えています。
しかし学習を通して、戦後50年経って生まれた子供たちが、「今の平和は戦争で亡くなった人たちの犠牲の上に成り立っているんだ」ということを感じる事ができたのです。

ですので、この日を「命どぅ宝」の日として覚えましょう、という女性連合の方達の呼びかけを知って大変嬉しく思いました。
この日のテーマは沖縄県民に限られたものではなく、平和を守るためには、「平和でなかったときのこと」を今の私達が知ろうとし続ける他にないと思うからです。

また、1県民としてこの日に覚えて頂きたいのは、戦後70年の今も米軍基地を始めとした戦争の負の遺産に悩まされる現在の沖縄のことです。
覚えて祈る、ということは、宗教を持たない人からすると一見何のアクションにもなっていないかもしれません。
しかし一朝一夕では変わらない、一人の力ではどうにもならない事だからこそ、一人でも多くのひとが、自分のこととして関心を寄せることで、何かが変わってゆくのではないかと思っています。

実際に沖縄は変わりつつあります。
辺野古を始めとする基地問題に対して無力感を感じていた県民ひとりひとりが、党の派閥を超えて翁長県知事を誕生させ、厳しい風当たりの中がんばる翁長さんの姿を見てまた勇気をもらい、様々な県民のバックアップのもと、沖縄県の声を国連に届けるなどして、「自分たちにも何か動かせる」という気持ちが県民に広がってきているのを感じます。

神様は、2人以上のものが祈る時、その祈りは聞き届けられるとおっしゃっています。

私も県外に出てからは、日々の忙しさにかまけて、沖縄にいたときと同じように情報を追いかけるのは難しくなってしまいましたが、23日には子供のころからやってきたように、正午に1分間の黙祷を捧げ、沖縄について祈る時間を持とうと思っています。

みなさん、どうか一年に一度のこの命どぅ宝の日に、一緒に心を合わせて祈り、71年前のすべての戦没者の方々の鎮魂を願うとともに、現在の沖縄にも思いを巡らせる時間を取って頂けたら嬉しく思います。




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