外苑茶房

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がんばれ高田高校

2011-05-19 18:04:50 | 早稲田大学
枝野官房長官が、東京電力の取引銀行に債務放棄を求める趣旨の発言をしたことに、経済界が猛反発。

しかし、枝野さんは、「東京電力は民間企業と違う」と反論したと今日報道されています。

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金融機関から債務免除を受けたとするならば、東京電力が金融市場で「債務不履行」を起こしたということを意味します。

債務不履行を起こした企業の信用格付けは大幅に引き下げられ、基本的には金融市場から退場することを求められます。

そうなれば、東京電力は、銀行借入、社債、株式などによる民間からの資金調達ができなくなるということですから、今のままでは経営破たんが避けられないでしょう。

会社更生法、民事再生法など、様々な事態に対応するための法律が我が国にはあります。
そのような法的な手続きを踏むことなく、民間企業同士の金融取引に政治が介入するのは言語道断。

いってみれば、産油国の軍事クーデター政権が、『当面は国民生活の向上を優先するから、油田開発プロジェクト融資の返済を棒引きにしろ』と、外国銀行を含むシンジケート銀行団に強引に迫るのと同類です。

もし今回、枝野さんが米国や英国の銀行に対しても債務放棄を求めたならば、とんでもない国際問題になるでしょう。

「国内銀行だけだから、最終的には説き伏せることができる」と、枝野さんがタカをくくっているのであれば、それこそ前近代的な「ムラ社会の論理」。

国内銀行も、外国銀行も、法律的には全く同じ土俵で経営しているのですから、外国銀行に正式に要求することができない事項は、国内銀行にも要求できません。
それが法治国家というものです。

ちなみに、今回の枝野さんのような意見が政府首脳から飛び出す国における投融資に係るリスクを、銀行ではカントリー・リスクといいます。

通常の融資審査で分析するのは、融資対象企業の返済能力。
カントリー・リスクは、その返済能力に起因するクレジット・リスクとは異次元の、先進国としてはお粗末で情けないリスクの世界であります。
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民間銀行は、被災地の支店では土日返上で預金払出し業務を行ったり、本部レベルでは、かなりの金額の義援金を既に提供しています。
今回の大震災を受け、そのような形で金融機関は企業市民として社会的責任を果たそうとしているのです。

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また、東京電力の社債残高は5兆円あります。
その社債も償還しないように枝野さんは働きかけするのでしょうか。

もし、社債権者は保護するというのならば、銀行借入と区別する合理的な根拠はあるのでしょうか。

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原発事故発生後の真摯な対応姿勢が評判となり、次の総理大臣候補とまで評価を高めていた枝野さん。

しかし、今回の発言はズレているというか、経済オンチというか、馬脚を現したというか・・・ 

はっきり言って、幻滅いたしました。
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さて、オフ会顧問のNさんのフェイス・ブックの記事によって、岩手県の高校で野球部の監督を務める1人の早大野球部OBがご苦労されているのを知りました。
県立高田高等学校の佐々木明志監督です。
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佐々木さんは岩手県の胆沢町出身。
水沢高から早稲田大に進み、現役時代は外野手として活躍されました。

早大卒業後、1987年から岩手県内で保健体育の先生をされていて、浄法寺高、水沢高、盛岡四高を経て、2006年に高田高に着任し、野球部を率いていらっしゃいます。
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その高田高校が、先の大震災で甚大な被害に遭いました。(冒頭の写真)
報道によれば、生徒14名が死亡、生徒4名と教職員1名が行方不明となる大惨事・・・

震災当時のただならぬ様子が、同校の校長先生のお言葉からも伝わってきます。
校長先生のお言葉

高田高校は、校舎が壊滅的な被害を受けたため、本来の校舎から20キロも離れた空き校舎を利用して、5月から授業が再開されました。

20キロといえば、例えば東京駅ならば鶴見駅(横浜市)ぐらいまでの距離です。
公共交通網が十分でないと想像されるので、生徒さんたちの毎日の通学も一苦労でしょう。

その高田高校の野球部は、移転先校舎では練習グラウンドがないため、ジプシー生活を余儀なくされています。

そんな窮状を知ったオフ会のN顧問は、「もぐら基金」を通じて、佐々木さんに硬式ボール数ダースを寄贈されました。
私も、遅ればせながら、受験用の英語の参考書をまとめて贈りました。

生徒さんたちが、困難を克服して、スポーツに勉学に、元気に頑張り抜いてくれることを願ってやみません。

ガンバレ高田高校!

ガンバレ佐々木監督!
Comment (1)
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