天文・宇宙探査ニュース:画像を中心とした「新しい宇宙探査情報」のページです。

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7月16日(火): 火星クルーの一年間の旅/ミッション別ページ

2024年07月16日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

火星への航海者:最初の CHAPEA クルーの一年間の旅

クルー、模擬火星の居住地での378日間のミッションを終えて地球に戻る。

人類が初めて火星に旅立つとき、地球と火星の通信の遅延と戦いながら、機器の修理とメンテナンス、食料の栽培、健康の維持方法を知る必要がある。また、仲間意識を育み、楽しむ方法をも見つけなければならない。

初のボランティアによる CHAPEA (Crew Health and Performance Exploration Analog)クルーは、火星表面での378日間のアナログミッションで、その全てとそれ以上のことを成し遂げた。

3Dプリントされた、 1,700 平方フィートの、孤立した火星砂丘アルファ(Mars Dune Alpha)で生活するクルーは、火星探査のシミュレーションの厳しさに直面し、火星への実際のミッションに似たストレスに耐えた。彼らは、また、休日や誕生日を祝い、互いに散髪をし、孤独なひとときを過ごした。彼らの旅は、科学者達が深宇宙ミッションの課題を理解するのに役立ち、人間の精神の回復力に関する貴重な洞察を提供している。

7月6日、クルーが旅を終えると、NASAの宇宙飛行士であり、飛行運用副部長のシェル・リンドグレンが居住地のドアを開け、帰還を歓迎し、「クルーとその家族は、NASA、国、そして人類の宇宙探査のために、人生の1年間を捧げてきた。将来の宇宙探査を可能にする研究に全力を注いでくれてありがとう」と述べた。「貴方の指紋は、火星での最初の足跡として、消えないものになるだろう」

CHAPEA のクルーは、NASAの科学者達やエンジニア達と協力して、将来の火星ミッションのために、クルーの健康とパフォーマンスを維持するための洞察を提供するデータを集め、多様なバックグラウンドと経験をもたらした。

最初の CHAPEA ミッションの終了によって、収集されたデータやクルーが共有した経験が、未来の探査への道を開き、人類が火星に足を踏み入れるのに一歩近づく。

--- 以下略。

<ひとこと>: これは今日の「火星探査の今(下表)」の記事の再掲です。大判はイメージのリンクから。なお、この居住実験のほか、実際には火星との往復に最短でも500日は必要と推測されます。

<出典>: Sumer Loggins(著者名です)

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7月15日(月):チャンドラとウェッブ、夏の旅に出る(3)/ミッション別ページ

2024年07月15日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

チャンドラとウェッブ、夏の宇宙の旅に出る(その3)

NASAのチャンドラX線天文台とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、宇宙の四つの素晴らしい目的地を訪れる時が来た。

我々の銀河系を離れて、別の銀河系を訪れる時が来た。 NGC 3627 は、ミルキウェイ銀河と同様、少し斜めに見える渦巻銀河である。 NGC 3627 は、その中心領域が長方形をしていることから、「棒状の」渦巻銀河または棒渦巻銀河(“barred” spiral galaxy)として知られている。我々の視点からは、円弧のように見える二つの異なる渦巻状の腕も見える。チャンドラからのX線は、紫色で、その中心に超大質量のブラックホールがある証拠を示しており、ウェッブは、銀河の中のダスト、ガス、星を、赤、緑、青で示した。このイメージには、ハッブル宇宙望遠鏡からの赤、緑、青の光学データも含まれている。

<ひとこと>: 「チャンドラとウェッブ、夏の宇宙の旅に出る(その4)」は次の土曜日に掲載します。大判はイメージをクリック(タップ)。

<出典>: Lee Mohon (著者名です)

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7月14日(日): チャンドラとウェッブ、夏の旅に出る(2)/ミッション別ページ

2024年07月14日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

チャンドラとウェッブ、夏の宇宙の旅に出る(その2)

NASAのチャンドラX線天文台とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、宇宙の四つの素晴らしい目的地を訪れる時が来た。

次の目的地はオリオン大星雲である。この領域は現在もミルキウェイ銀河にあり、我々の故郷である惑星から約 1,500 光年にある。オリオン座の「帯」を構成する三つの星の真ん中あたりを見ると、小さな望遠鏡でもこの星雲を見ることができるかもしれない。しかし、チャンドラとウェッブを使えば、更に多くのことを見ることができる。チャンドラは、赤、緑、青に着色されたX線で明るく輝く若い星を明らかにし、ウェッブは、ここで次世代の星を作るのに役立つガスとダストを濃い赤で示している。

<ひとこと>: 図は修正しました(13日午前10時50分)。大判はイメージをクリック(タップ)。

<出典>: Lee Mohon (著者名です)

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7月13日(土): チャンドラとウェッブ、夏の旅に出る(1)/ミッション別ページ

2024年07月13日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

チャンドラとウェッブ、夏の宇宙の旅に出る(その1)

NASAのチャンドラX線天文台とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、宇宙の四つの素晴らしい目的地を訪れる時が来た。

このツアーの最初の目的地は、地球から約390光年の距離にある最も近いロー・オフィウチ(Rho Ophiuchi:右図)である。へびつかい座ローは、さまざまな大きさと年齢のガスと星で満たされた雲の複合体である。これは、星形成に最も近い領域の一つであり、天文学者達が星を研究するのに最適な場所である。このイメージでは、チャンドラからのX線は紫色の幼児の星であり、激しい炎を放出している。ウェッブからの赤外線データは、赤、黄、シアン、水色、濃い青で、ガスとダストの壮大な領域を提供している。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック(タップ)。

<出典>: Lee Mohon (著者名です)

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7月12日(金): ゲートウェイを間近で詳細に/ミッション別ページ

2024年07月12日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ゲートウェイ:驚くほど間近でかつ詳細に

NASAとその国際的なパートナーは、人類で初めて月を周回する宇宙ステーション、ゲートウェイで、深宇宙の科学的な謎を探る。2028年のアルテミスⅣミッションを皮切りに、ゲートウェイの月の南極へのミッションに備えて科学を行い、準備する宇宙飛行士の国際チームが、深宇宙に住み着く最初の人類となるだろう。

このアーティストのCGアニメーションは、ゲートウェイの外観ツアーを驚くほど詳細に紹介している。図に示されているゲートウェイのエレメントは次のとおり。

  •  ゲートウェイを史上最強の太陽電気宇宙船にするパワーと推進力のエレメント。このモジュールは、太陽のエネルギーを利用して宇宙ステーションのサブシステムに電力を供給し、キセノンガスをイオン化して推力を生成し、月を周回するゲートウェイ独自の極軌道を維持する。
  •   HALO (Habitation and Logistics Outpost)は、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)が提供する月リンクシステムであり、地球と月面の間の通信を提供するゲートウェイの指令とコントロールを結ぶ。 HALO には、運動器具を含む生命維持システムや科学ペイロードバンクが収容される。
  • ESA が日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)のハードウェア提供を受けて提供する Lunar I-Hab は、環境制御システムや生命維持装置、寝室、調理室などを備えている。
  • ESA が提供する Lunar View は、動力・推進エレメントへの燃料補給機能、貨物保管庫、大型の窓を備えている。
  • クルーと科学のエアロックは、アラブ首長国連邦(UAE)のモハマド・ビン・ラシッド宇宙センターから提供され、ゲートウェイの内部から真空の宇宙空間へのクルーとハードウェアの移動に使用される。
  • カナダ宇宙庁(CSA)は高度な外部ロボットシステム「Canadarm3」を提供する。
  • アルテミス計画を支援するためにゲートウェイに貨物を輸送する深宇宙補給宇宙船。
  • 火星を含む深宇宙を旅する人やハードウェアにとって最大の関心事である、未だほとんど理解されていない現象、太陽放射線と宇宙放射線を調査する初期ゲートウェイ科学ペイロード。

このビデオの中で見られるのは、パワーと推進エレメントに取り付けられ ESA によって提供される、 ERSA (European Radiation Sensors Array:ヨーロッパ放射線センサー・アレイ)および、 HALO に取り付けられるNASAが主導する HERMES(Heliophysics Environmental and Radiation Measurement Experiment Suite:太陽物理学環境・放射線計測実験室)である。 ESA と JAXA が提供する三つ目の放射線科学ペイロードである IDA (Internal Dosimeter Array)は HALO の内部に設置される。

このビデオでは、次の内容についても説明している。

  • オリオン宇宙船はクルー・アンド・サイエンス・エアロックにドッキングしている。オリオンは、宇宙飛行士の国際チームと三つのモジュール(Lunar I-Hab、Lunar View、Crew and Science Airlock)をゲートウェイ宇宙ステーションに運ぶ。
  • 有人着陸システム(HLS)は、月の南極地域との間で宇宙飛行士達を運ぶ。 SpaceX と Blue Origin は、それぞれ Starship HLS と Blue Moon HLS を提供する契約を結んでいる。
  • ゲートウェイはアルテミス計画の一部であり、科学的発見のために人類を月面に帰還させ、火星やその先など、太陽系をさらに探査するための道筋を描く。

更に詳細は こちら(動画) から。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .mp4 です。

<出典>: Dylan Connell & Briana R. Zamora(著者名です)

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7月11日(木): タイム・スパイラル/ミッション別ページ

2024年07月11日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

タイム・スパイラル

宇宙が始まってから何が起こったのだろう? ここに示す時間の螺旋には、いくつかの注目すべきハイライトがある。 螺旋の中心にあるのはビッグバン、時が刻み込まれる場所であり、 我々が知っているように約138億年前に始まった。 数十億年内に原子が形成され、原子から星が形成され、星とガスから銀河が形成され、太陽が形成され、約46億年前地球がそれに続いた。地球上の生命は約38億年前に始まり、 その後、細胞が続き、10億年内に光合成が行われる。 約17億年前、地球上の多細胞生物が繁栄し始めた。魚類は約5億年前に泳ぎ始め、哺乳類は約2億年前に陸上を歩き始めた。人類が最初に現れたのは約600万年前、 そして、約1万年前に最初の都市をつくった。 描かれた時間のらせんはそこで止まってしまうが、有人宇宙飛行が加わるかも知れない。 これはわずか75年前に始まり、ここ数年で有用な人工知能が定着し始めた。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

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7月10日(水): 太陽が猛威を振るう様子を映し出す/ミッション別ページ

2024年07月10日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ソーラー・オービター、太陽が猛威を振るう様子を映し出す

3月初旬に美しいオーロラの原因となった太陽黒点領域は、地球の視界から遠ざかる方向に回転したときにはまだ生きていて、煽っていた。太陽の反対側から観測したヨーロッパ宇宙機関主導の太陽軌道船(ソーラー・オービター)ミッションは、この太陽周期で最大の太陽フレアを発生させている同じ領域を検出した。このミッションは、太陽を多方面から観測することによって、活動的な黒点領域がどのように進化し、持続しているかを明らかにし、宇宙の気象の予報の改善に役立てる。

2024年5月10日から12日にかけての週末、過去20年間で最大の太陽嵐が地球を襲った。強烈な地磁気の嵐が発生し、通常よりもはるかに低緯度の空を照らす美しいオーロラが発生した。

起点は AR3664 と呼ばれる太陽黒点領域である。5月14日頃に地球の視界から遠ざかる回転をした際、これまでで最も強いフレア(X8.79)を放出し、地球に大規模な電波の遮断を引き起こした。

5月20日、太陽の裏側を観測した太陽軌道船のX線装置 STIX は、太陽の裏側を観測した。現在の太陽周期の中でこれまでで最も強いフレアであり、1996年以降のトップ10の、推定クラス X12 のフレアが観測された。

<付記>: 太陽の両面を見る

太陽を調査するほとんどのミッションは地球に面した側を見ているが、太陽軌道船(Solar Orbiter)は太陽系を通る別のルートをとっている。ソーラー・オービタは今、4ヶ月以上にわたって太陽の裏側を観測している。

「ソーラー・オービターの位置は、地球側から太陽を観測する他のミッションと組み合わせることによって、太陽を360度見渡すことができる。これは、ソーラー・オービターの将来にあと3回しか起こらない。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。上のイメージのリンク先は動画 mp4 です。

<出典>: Solar Orbiter (ESA)

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7月9日(火): 世界規模の温度を描く/ミッション別ページ

2024年07月09日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

世界規模の温度を描く

NASAでは、多数の地球観測艦隊からの、ほぼリアルタイムのデータとイメージを使って、様々な角度から地球を監視している。

此処に挙げたデータは、今月7日の、地球規模の表面温度データである。これは、宇宙から見た“直接の”表面温度であって、いわゆる気温を表してはいない。具体的には、農地や道路の表面の温度であったり、森では上層表面の葉の温度であったりする。



<ひとこと>: この数日、日本では、「未だ梅雨の季節」というのに酷暑が続いている。しかし、世界規模の現実は、はるかに高温の地が、想像を絶する広域に広がっている。この図は7月7日の世界規模のデータから作成されている。

この記事は下表 「地球観測」 に掲載したものの再掲である。大判はイメージをクリック(タップ)。

<出典>: Earth Now

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7月8日(月): 専門家達、仮説的な衝突シナリオで演習/ミッション別ページ

2024年07月08日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAの小惑星専門家達が仮説的な衝突シナリオを作成して演習

<前書き>: 7月5日(金)の 「NASAの惑星レーダー、二つの大きな小惑星の接近を追う」 に関連して取り上げた、地球防衛に関する記事です。

大型小惑星が地球に衝突する可能性は、当面の間、極めて低いと思われる。しかし、このような事象による被害は甚大である可能性があり、NASAは、衝突シナリオの多くの不確実性に対処するために、連邦および国際機関の専門家や意思決定者達と、2年ごとに仮想的な小惑星衝突の「机上」演習を主導している。直近の演習は今年4月に実施され、6月20日に暫定報告書が発表された。

このようなシナリオを、現実的にまた関係者全員にとって有用なものにすることは簡単な作業ではない。NASAのジェット推進研究所の地球近傍天体研究センター(CNEOS)の科学者達は、小惑星や彗星の追跡と軌道決定、および地球に危険を及ぼすものがあるかどうかの検出を専門としており、最初の11年前からの、これらの演習の設計に大きな役割を果たしてきた。

仮定されたシナリオ
今年のシナリオ:直径数百ヤードの架空の小惑星が発見され、14年以内に地球に衝突する確率は 72% と推定されている。衝突の可能性がある場所には、北米、南ヨーロッパ、北アフリカの人口密集地域が含まれるが、小惑星が地球を逸れる可能性が 28% ある。追跡から数ヶ月後、小惑星は太陽に近づき過ぎたために、さらに7ヶ月間はそれ以上の観測が不可能になった。意思決定者は何をすべきかを考えなければならない。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。なお、Spaceweather.com News によれば、2024年7月7日時点で、衝突の危険性のある地球近傍オブジェクトは 2349 個と報告されています。

<出典>: Jet Propulsion Laboratory

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7月7日(日): くらげ銀河(すばる宇宙望遠鏡)/ミッション別ページ

2024年07月07日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

くらげ銀河(UGC 9326 & UGC 9327)--すばる宇宙望遠鏡

超広視野主焦点カメラハイパー・シュプリーム・カム(HSC)を使って 2014年から約7年かけ、330 夜の大規模観測を行ったすばる戦略枠プログラム(HSC-SSP)で得られた広大な宇宙画像の中には、複数の銀河が重力を及ぼしあい、お互いの形を乱しあっている「衝突銀河」がたくさん写りこんでいます。この画像は、おとめ座の方向にあるふたつの渦巻銀河が衝突している現場で、その姿がまるでくらげのように見えます。くらげの傘に相当する銀河が UGC 9327、しっぽのように見える口腕内にある銀河が UGC 9326 です。この天体を初めて見た HSC 関係者が「くらげ銀河」と形容しました。

銀河はこのように他の銀河との衝突・合体を繰り返すことで、徐々に大きく成長していったと考えられています。宇宙においては、銀河同士の衝突・合体は日常茶飯事なのです。HSC-SSP で公開された画像の中を自由に散策できる hscMap サイトで、ユニークな形の衝突銀河を探してみられてはいかがでしょうか。

【地球からの距離】約 7.7 億光年
【観測装置】Hyper Suprime-Cam (HSC)

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: すばる望遠鏡

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7月6日(土): 7月のスカイウォッチングのヒント/ミッション別ページ

2024年07月06日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

2024年7月:NASAによるスカイウォッチングのヒント

7月の見どころ---。
サソリの星団、とらえどころのない天王星を火星が明らかに。さそり座の尾をたどって星団 M6 と M7 を見つけ、火星に導かれて天王星を観察し、朝に月が惑星のグループを集めるのを見よう。

ハイライト
今月中、二つの見つけやすい星団、M7(プトレマイオス星団)と M6(バタフライ星団)が、何れもサソリの尾の「針」の端を示す明るい星の東約5度にある。現地時間の午後10時か11時頃に空の最高点に達する。

 

  • 7月2日&3日 - 日の出前に三日月が東の木星と火星に合流する。空が明るくなる前に探すと、木星の上にプレアデス星団があり、近くには明るい星カペラとアルデバランがある。
  • 7月5日 – 新月
  • 7月7日&8日 – 西の地平線を遮るもののない視界を持つ人は、水星が細い三日月とともに空の低いところに明るく輝いているのを見ることができる。太陽が沈んでから30〜45分後にそれらを探そう。
  • 7月13日 – 暗くなってから最初の数時間、南西に目を向けると、上弦の月が明るい青みがかった白色の星スピカに寄り添っている。米国本土48度の大部分とメキシコの大部分では、月がスピカの前を通過するように見えるが、これは掩蔽と呼ばれる現象である。お気に入りのスカイウォッチングアプリで、現在地からの眺めを確認しよう。
  • 7月14-16日 - 双眼鏡を手に取り、空が明るくなり始める早朝に火星を見ると、遠くの天王星がすぐ近くにある。
  • 7月21日 – 満月
  • 7月30日 - 夜明け前の午前空に、木星、火星、月とおうし座の明るい星が密集する様子が見られる。

    --- 以下略。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画 Youtube です。

    <出典>: Preston Dyches(著者名です)

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7月5日(金): レーダーで二つの接近する小惑星を追う/ミッション別ページ

2024年07月05日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAの惑星レーダー、二つの大きな小惑星の接近を追う

ディープ・スペース・ネットワーク(Deep Space Network)のゴールドストーン惑星レーダーが、小惑星 2024 MK と 2011 UL21 が地球を無事に通過する様子を観測し、数日間忙しく過ごした。

NASAのジェット推進研究所の科学者達は、最近、地球近くを飛ぶ二つの小惑星を追跡した。その一つは地球に最接近するわずか13日前に発見された。どちらの地球近傍天体も地球に衝突する危険性はなかったが、これらの接近中に行われたレーダー観測は、惑星防衛のための貴重な練習を提供するだけでなく、それらのサイズ、軌道、回転、表面の詳細、およびそれらの組成と形成に関する手がかりに関する情報を提供している。

6月27日に地球近傍を通過した小惑星 2011 UL21 は、2011年に、月と地球の間の距離の約17倍にあたる660万キロメートルの距離で、NASAが資金提供するカタリナ・スカイ・サーベイによって発見された。しかし、レーダーで撮影できるほど地球に接近したのは今回が初めてである。幅 1.5 キロメートルのこの天体は、危険の可能性があると分類されているが、将来の軌道の計算では、当面の間、地球に脅威を与えることはないことが示されている。

ジェット推進研究所の科学者達は、ディープ・スペース・ネットワークの幅70メートルのゴールドストーンレーダーを使って小惑星に電波を送信し、同じアンテナで反射信号を受信した。この小惑星がほぼ球形であることに加えて、彼らはそれが連星システムであることを発見した。小さな小惑星または衛星は、約3キロメートルの距離で小惑星を周回している。

2日後の6月29日、同じチームは、小惑星 2024 MK が、僅か 295,000 キロメートルの距離(月と地球の間の距離の4分の3強の距離で地球を通過するのを観測した(右下の図:動画)。幅約150メートルのこの小惑星は、細長く角張っているように見え、平坦で丸みを帯びた領域が目立つ。これらの観測では、科学者たちは DSS-14 も使ってその物体に電波を送信し、小惑星から跳ね返って地球に戻ってきた信号を受信するためにゴールドストーンの34メートルのアンテナを使った。この観測の結果、小惑星の表面の詳細な画像が得られ、幅約10メートルのくぼみ、尾根、岩が明らかになった。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック(タップ)。

<出典>: Jet Propulsion Laboratory

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7月4日(木): サーペンスにおける原始星の流れ/ミッション別ページ

2024年07月04日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

サーペンスにおける原始星の流れ

生まれたばかりの星から噴き出す物質のジェットが、サーペンス星雲(Serpens Nebula)のクローズアップに捉えられた。この強力な原始星の流出は二極であり、双子のジェットが反対方向に噴出している。その方向は降着円盤に対して垂直であり、回転し崩壊する星の幼児の周りに形成された。このジェームスウェブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRcam)イメージでは、赤い色は水素分子からの放射と、ジェットが周囲のガスとダストと衝突したときにつくり出された一酸化炭素を表している。この鋭いイメージは、サーペンス星雲で検出された個々の流出が、一般的な同じ方向に沿って並んでいることを初めて示された。この結果は予想されてはいたが、今になってようやくはっきりと見えてきた。ウェッブは、活発な若い星形成領域を詳細に調査した。 明るい前景の星型は、ウェッブの特徴的な回折スパイクを示す。サーペンス星雲の推定距離 1,300 光年では、この宇宙のクローズアップのフレームは、直径約1光年である。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

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7月3日(水): 最新・最遠のオブジェクト/ミッション別ページ

2024年07月03日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

JADES-GS-z14-0:最新・最遠のオブジェクト

宇宙の始まりまで遡ることができたら? 銀河が形成されているのが見えるだろう。 しかし、当時の銀河はどんな姿をしていたのだろう? これらの疑問は、最近発表された、これまでに発見された中で最も遠い天体を含むジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の解析で一歩前進した。ほとんどの銀河は、ビッグバンから約30億年後に形成されているが、いくつかはそれ以前に形成された。はめ込みに写っているのは、宇宙が始まってから僅か3億年後に形成された銀河 JADES-GS-z14-0 のかすかな染みである。専門用語では、この銀河は z=14.32 という記録的な赤方偏移にあり、宇宙が現在の年齢のわずか50分の一だったときにも存在していた。写真に写っている天体はほとんどすべてが銀河である。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。
          ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の記事は こちら から。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

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7月2日(火): 火星のサンプルチューブの中の大気/ミッション別ページ

2024年07月02日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

科学者達は、何故、火星のサンプルチューブ内の大気に興味をそそられるのか?

「パーサビアランス」が収集した岩石や土壌のサンプルは、大気科学者達にとって恩恵となる可能性がある。

NASAの火星探査車「パーサビアランス」は、火星サンプルリターンキャンペーンの一環として、チタン製のサンプルチューブで封印し、最終的に地球に届けるために集めている。これまでに24個が集められている。

これらのサンプルのほとんどは、岩石のコアやレゴリス(砕けた岩石や塵)で構成されており、この惑星の歴史や、数十億年前に微生物が存在していたか否かに関する重要な情報を明らかにする可能性がある。しかし、一部の科学者達は、チューブ内の「ヘッドスペース」、つまり岩石質物質の周りの余分な部屋の大気を研究する可能性に、同じように期待している。

科学者達は、火星の大気の大部分は二酸化炭素で構成されているが、火星の形成以来存在していたかも知れない微量の他のガスも含まれている可能性について更に知りたいと考えている。

地球に持ち帰るサンプルの中には、その一部として火星表面に堆積したガスのみで満たされたチューブもある。しかし、探査車が収集したガスのはるかに多くは、岩石サンプルチューブのヘッドスペース内にある。

--- 以下略。

<図の解説>: 2021年7月20日、パーサビアランスは、火星の地表面を渦巻くダスト・デビル(dust devil)を観測した。これらの大気のサンプルは、火星をよりよく理解するのに役立つ可能性がある。
--- ダスト・デビル:火星の地表面に起きる旋風:地球での「つむじ風」程度のものから「竜巻」のような大きなものがある。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Jet Propulsion Laboratory

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