天文・宇宙探査ニュース:画像を中心とした「新しい宇宙探査情報」のページです。

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10月16日:ラーセン氷棚/お知らせ

2017年10月16日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

コペルニクス・センチネル3A衛星は、南極半島と、7月に大規模な氷山が崩壊した隣接したラーセン氷棚に我々を連れて行った。このイメージは、区別しやすいように、雲はピンクに、雪と氷は青く見えるように手を加えている。はっきり見える唯一の地面は左上の半島の先端であり、一方、右側のウェッデル海を海氷がカバーしている。9月25日に捕えられたこのイメージでは、氷山を中央近くに示している。この A68 氷山は、氷棚に対して押し合っていたが、最近の衛星イメージは、氷山と棚の間のギャップが広がっており、恐らく海に浮いていることを明らかにした。氷山の進展は予測するのが難しい。それは何十年もそのエリアに残るかもしれないが、もしそれが崩壊すれば、その一部は暖かい海で漂流し北進するかもしれない。氷棚は既に浮いているので、この巨大な氷山は海面には影響しない。 A68 はルクセンブルクの大きさの約2倍ある。

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

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<お知らせ>: 今夜10月16日午後8時過ぎ、国際宇宙ステーション貨物船プログレス68号がステーションにドッキングする予定です。中継放送時刻等は「ホームページ」の 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。

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10月15日:10月の第一回船外活動/お知らせ

2017年10月15日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ヨーロッパ宇宙機関宇宙飛行士パオロ・ネスポリは、10月に計画された3回の船外活動の第一回、10月5日の船外活動の間に、NASAの宇宙飛行士ランディ・ブレスニクとマーク・ベンデ・ハイのこのイメージをとった。二人は、この船外活動で、ステーションの Canadarm2 ロボットアームの一部を交換した。船外活動は7時間かかり、宇宙飛行士達は、主な作業を終えただけでなく、いくつかの先行する作業をも行った。船外活動はクルーと地上サポートにとって厳しいものがあり、いかなる先行する作業も歓迎される。これは10月に計画された3回の船外活動の初回である。パオロはステーションの中から宇宙歩行者達を支援した。

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

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<お知らせ>: 国際宇宙ステーション貨物船プログレス68号は、東部夏時間10月14日土曜日午前4時46分(日本時間10月14日土曜日午後5時46分)に打上げられました。軌道34周・2日間の旅の後10月16日月曜日にピアドッキング区画にドッキングする予定です。ドッキングの中継放送時刻等は「ホームページ」の 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。なお、打上遅延に伴い予定されていた今月3回目の船外活動は20日に延期されました。

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10月14日:カリフォルニアの野火/お知らせ

2017年10月14日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ヨーロッパ宇宙機関のコペルニクス・センチネル3A衛星は、2017年10月9日に、カリフォルニアの野火からの煙を捕えた。野火は、2017年10月8日にナパ・バレー周辺の一部を破壊し、煙は強い北東の風によって広がった。

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

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<ひとこと>: カリフォルニア州ロサンゼルス周辺に記録的な災害をもたらしつつある多発する野火です。イメージは火元まで非常に鮮明にとらえています。大判でご覧ください。

<お知らせ:至急>: 延期されてきた国際宇宙ステーション貨物船の打上は、今日10月14日午後5時46分に実施されることになりました。ドッキングは16日月曜日、関連して今月3回目の船外活動は20日に延期されました。中継放送は「ホームページ」の「ウェブNASAテレビ放送予定」から。

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10月13日:火星の広域なオーロラ/お知らせ

2017年10月13日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

強い太陽の出来事が、先月、火星で強烈な広域なオーロラを惹き起こした。これらの投影は、太陽の嵐の前(左)とその間(右)の、軌道を周っているメイブン(MAVEN)軌道船によって以前に検出されたオーロラの放射より25倍以上明るい紫外線放射の急増を示している。メイブンからの極紫外線画像分光計からのデータは、右の日の当たる三日月型とともに、観測日と時刻に合うようにシミュレートされた火星の球体の夜の側に、紫色で示されている。火星では太陽の嵐は惑星全体に及ぶオーロラを見せることがある。地球と異なって、この赤い惑星は、極に向かうエネルギーに満ちた帯電粒子を集中する強い広域な磁場によって保護されていない。キュリオシティ・ローバーによって以前に測定された太陽の嵐の間のこの惑星表面全体の危険な放射線濃度は全て2倍であった。メイブン軌道船は、火星が広域な磁場の欠乏のためにその大気を失ったかどうかを調査している。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

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<お知らせ>: 10月12日に予定されていた国際宇宙ステーション貨物船プログレス68号の打上は延期されました。原因は調査中です。新しい打上期日は東部夏時間10月14日土曜日午前4時46分(日本時間10月14日土曜日午後5時46分)以降、軌道34周2日間の旅の後、ピアドッキング区画に10月16日月曜日にドッキングする予定です。中継放送等は今後の動向を見てお知らせします。

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10月12日:緯度変化を探る〜国際緯度観測事業と北緯39度8分線〜/お知らせ

2017年10月12日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

岩手県奥州市水沢区にある国立天文台水沢VLBI観測所は、国際緯度観測事業(ILS:International Latitude Service)の観測地として、1899年(明治32年)より120年近い歴史を持つ観測所です。北緯39度8分線上に世界6カ所(ロシア:チャルジュイ、イタリア:カルロフォルテ、アメリカ:ゲイザーズバーグ・シンシナチ・ユカイア、日本:水沢)の観測所が設けられ、地球の北極と南極の位置が地球の地面に対して運動する現象(極運動)を解明することを目的として毎夜観測を行っていました。しかし、観測を開始してまもなく日本の結果が正しくないことをドイツの中央局から指摘され、初代所長の木村榮(きむら ひさし)をはじめとする水沢局の職員は苦境に立たされます。日本の測地学委員会は、木村へ観測に使用する眼視天頂儀について16項目にも及ぶ全面点検を命じました。しかし観測機械にも観測方法にも何ら欠陥が見つかりませんでした。この結果に自信を得た木村は各観測局の結果を再検討し、すべて同様の変化があることを発見しました。その後、世界的にも有名になったZ項の発見へと続いていきます。 --- 以下の記事は下のリンクから。

<出典>: 「国立天文台:今週の一枚」

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<ひとこと>: 今日、10月12日、15~30メートルの小惑星 2012 TC4 が 44,000 キロメートルまで地球に接近すると予測されています。この距離は地球と月の距離の地球から見て十分の一強まで接近することを意味しています。衝突することはないようですが影響が出るかもしれません。昨日の記事参照。

<お知らせ>:  今日、10月12日、夕刻、国際宇宙ステーション貨物船プログレスが打上げられます。また、3時間強後にステーションとドッキングします。中継放送は「ホームページ」の「ウェブNASAテレビ放送予定」から。 ----- 打上は延期されました。

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10月11日:ベール星雲:爆発する星の断片

2017年10月11日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

このような断片はミルキーウェイの星全てに見えるように残されている。約 7,000 年前、この星は、ベール星雲を残して超新星として爆発した。その時、拡大する雲は、記録された歴史の夜明けに生きている人々には数週間見えるように残り、恐らく三日月ほどの明るさがあった。今日、シグナス・ループとして知られる、結果として生じた超新星の残骸は弱まり、今、白鳥座の方向に小さな望遠鏡によっても見ることができる。このベール星雲の残骸は物理的には巨大であり、それが約 1,400 光年の遠くに横たわっているが満月の5倍の大きさをカバーしている。この写真は、この広大な超新星の残骸の小さな部分、約2光年のみをカバーするハッブル宇宙望遠鏡の六つのイメージの合成である。完全なベール星雲のイメージにおいては、研究好きな読者さえもフィラメントを見分けることができないかも知れない。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

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10月10日:2017年10月小惑星 2012 TC4 が地球に接近するだろう/お知らせ

2017年10月10日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

10月12日に地球近くを飛ぶ小型小惑星は、軌道と組成を学ぶ価値ある機会を科学者達に提供するだろう。天文学者達は、最近、ヨーロッパ宇宙機関と欧州南天文台(ESO)の間で、地球を打つかもしれない幽かなオブジェクト、小惑星 2012 TC4 を協同で見つけた。これは、2012年にこの小惑星がハワイのパン・スターズ天文台によって発見されて以来最初の観測である。今回はチリのヨーロッパ南天文台の大型望遠鏡 VLT で発見された。元々の観測は、この小惑星の次の接近は2017年10月であることを明らかにしたが、その軌道は、天文学者達がどの程度接近するかを確信できないまま、この5年間追うことができないだろうことも意味していた。新しい観測は 44,000 キロメートルまで地球に接近するだろうことを明らかにした。天文学者達は、検出可能な間、この15~30メートルのオブジェクトの組成情報など、できるだけ詳細に調査するだろう。我々の大気に入るこの大きさの小惑星は、チェリャビンスクの事件に似た影響を持つだろう。この 2012 TC4 観測キャンペーンはNASAによって主導された国際的発議の一部である。このキャンペーンは、国際的な検出能力と地球近傍オブジェクトの追跡をテストし、真の小惑星の脅威に対応する我々の能力を評価する絶好の機会である。

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

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<ひとこと>: 記事にある通り10月12日に15~30メートルの小惑星が地球の近傍を通過すると予想されています。地表上 44,000 というのは、地球と月の距離の地球側10%強のところです。衝突することはないようですが何らかの影響があるかも知れません。最近の小惑星探索技術がここまで来たという典型的な例です。


<お知らせ>: 
日本時間10月10日午前7時ごろ、準天頂衛星「みちびき4号機」/H-IIAロケット36号機が打上げられます。放送開始は午前6時45分の予定です。打上中継をご覧になる方は こちら(Youtube) から。

日本時間10月10日夜、国際宇宙ステーションで、今回計画された3回の船外活動の2回目が行われます。中継放送時刻等は「ホームページ」の 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。

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10月9日:一日の作業のために宇宙服を着る/お知らせ

2017年10月09日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

国際宇宙ステーションのロボットアーム Canadarm2 の先端の劣化したラッチング・エンド・エフェクタを交換するための10月5日の船外活動の間、宇宙飛行士ランディ・ブレスニクが、彼の船外活動用宇宙服(Extravehicular Mobility Unit)を着用している。

<出典>: 「遠征53(Expedition 53)」

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<お知らせ>: 
1、 日本時間明日10月10日午前7時ごろ、準天頂衛星「みちびき4号機」/H-IIAロケット36号機が打上げられます。放送開始は午前6時45分の予定です。打上中継をご覧になる方は こちら(Youtube JAXA) から。
2、日本時間10月10日夜、国際宇宙ステーションで、今回計画された3回の船外活動の2回目(約6時間予定)が行われます。中継放送時刻等は 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。

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10月8日:1957年10月4日、スプートニク、宇宙時代の夜明け/お知らせ

2017年10月08日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ソビエト連邦がカザフスタンのバイコヌール・コスモドロームからスプートニクを成功裏に打上げた1957年10月4日に歴史は変わった。この世界初の人工衛星は、ほぼビーチボールの大きさ、直径約23インチ(58センチ)、重さ190ポンド(87キログラム)以下であった。それは楕円軌道で地球を周るために約98分掛かった。その打上は、政治的、軍事的、技術的、科学的な新しい時代の到来を告げた。スプートニクの打上は一つの出来事であったが、それは、宇宙時代と、米国とソ連の宇宙レースの始まりを印した。

<出典>: 「今日のイメージ(Image of the Day)」

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<お知らせ>: 日本時間10月10日午前7時ごろ、準天頂衛星「みちびき4号機」/H-IIAロケット36号機が打上げられます。放送開始は午前6時45分の予定です。打上中継をご覧になる方は こちら(Youtube JAXA) から。

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10月7日:アルマ望遠鏡の上に輝く逆さオリオン

2017年10月07日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

揃って天体を見つめるアルマ望遠鏡モリタアレイの7メートルアンテナ群の上(写真左上)に、オリオン座が見えています。日本から見ると、オリオン座がこの写真のような角度になることはありません。南半球から見るオリオン座は、北半球から見るのとちがって逆立ちをしているように見えます。南十字星や大小マゼラン雲など南天特有の天体たちもありますが、逆さオリオンもまた、日本から遠く離れた南半球で空を見上げていることを感じさせてくれる天体なのです。

アンテナ撮影に適した時期
アルマ望遠鏡のアンテナと星空を一緒に撮影する場合、一番良い時期はいつでしょう?月明かりの無い、新月のころでしょうか? 実は、半月くらいのころがちょうどいいのです。新月のころはあたりが暗すぎて、アンテナがほとんど写りません。満月では逆にアンテナが明るすぎます。半月くらいのころなら、地上が適度に照らされ、また星空も十分に暗いので、アンテナの機械美と美しい星空を1枚の写真にうまく収めることができます。

<出典>: 「国立天文台:今週の一枚」

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10月6日:タイタンへ降下する

2017年10月06日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ガスの巨人土星への国際的なカッシーニ・ホイヘンス・ミッションの2004年の到着までは、その複雑なリング・システムと謎の月は神秘であった。2005年1月14日、ヨーロッパ宇宙機関のホイヘンス探査機が世界で初めて外部太陽系への着陸を成功させ、土星最大の月タイタンの厚い大気の下に横たわるミステリーを明らかにした。パラシュートでの2時間半の降下の間、地球の海岸や川のシステムのように見える地形が霞から現れた。しかし、その流体は水でなく、摂氏約 -180 度の表面温度を持つ、単純な有機化合物メタンを含んでいた。ホイヘンスによってとられたこのイメージの組合せは高度2キロメートルからの視界を示している。表面から送り返されたデータのこの流れは、科学者達が今日まだ掘り出している現場測定のユニークな宝庫を提供した。タイタンの大気は初期の地球と似ていると考えられ、地球上で生命を生んだかもしれない化学反応を理解するための惑星スケールの研究室と見ることもできる。
2017年9月11日、カッシーニは、タイタンへの、グッドバイ・キスと呼ばれる高度 119,049 キロメートルのフライバイを行い、土星の大気の飛び込むための軌道変更を行った。

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

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<ひとこと>: 土星の月タイタンでは、有機化合物メタンの雨が降り、メタンの川が流れ、メタンの湖がいくつもあります。このことから、地球の生物とは異なる様々な元素の中で生まれる生物もいるのではないかという考え方が強まり、地球外生物に対する思考の範囲が大きく広がりました。

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10月5日:カッシーニ、土星にアプローチする(動画)/お知らせ

2017年10月05日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

カッシーニ宇宙船は、土星への途上で何千もの、また2004年の軌道入り後も何十万ものイメージを記録した。カッシーニの初期のイメージのあるものはデジタル的に微調整され、収めれ、大きな IMAX ムービー・プロジェクトの一部としてビデオに編集された。そこでは、土星が接近して次第に大きく現れ、曇ったタイタンが下を通過する。土星が背景を周るとともに、カッシーニは大きなハーシェル・クレータがはっきり見えるミマスを飛ぶ。続いてカッシーニが土星の薄いリング平面を横切るとき土星の堂々としたリングが見える。リングの暗い影が土星のボデイに現れる。最終的に、月エンケラドゥスが遠くに現れ、続いて接近し、ビデオ・クリップが終わる。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<動画>: イメージをクリック

<ひとこと>: 対象のビデオは著作権が保護されています。イメージをクリックして表示されたサイトから直接ご覧ください。

<お知らせ>: 国際宇宙ステーションでは、今日10月5日夜、米国の船外活動が行われます。計画では6時間半の予定です。アクセスしてみてはいかがでしょうか? 中継放送は「ホームページ」の「ウェブNASAテレビ放送予定」から。

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10月4日:パインアイランドの氷河の亀裂/お知らせ

2017年10月04日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

南極の氷床西の内部からの氷が海に流入する主なアウトレットの一つ、パイン・アイランド氷河から新しい氷山が生まれた。 ランドサット8衛星のオペレーショナル地面画像装置(OLI)は、亀裂が始まる前の2017年9月21日に、この自然色イメージを捕えた。これらの亀裂が、氷河の浮いている氷棚の中央を横断してはっきり見える。この亀裂は最終的に氷山 B-44 を生み出し、9月23日にヨーロッパ宇宙機関のセンチネル1衛星のレーダー・イメージで捕らえられた。アムンゼン湾に浮かんでいるこの新しい氷山は、長方形の約185平方キロメートルのエリアを持っている。これは2017年1月に壊れた部分より大きいが、2015年7月に生まれた 583 平方キロメートルの氷山よりは小さい。

<出典>: 「氷(Ice)」

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<お知らせ>: 日本時間明日10月5日夜、国際宇宙ステーションでは、NASAの宇宙飛行士による6時間半(あくまで予定)の船外活動が行われます。中継放送は「ホームページ」の「ウェブNASAテレビ放送予定」から。

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10月3日:LIGO-Virgo GW170814 スカイマップ

2017年10月03日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

惑星地球の周辺からの3台の重力波探知器が、今、時空でのリップルの共同検出を報告した。ここでは、遠い宇宙での二つのブラックホール融合の4回目の検出が発表された。この出来事は、ワシントン州ハンフォード、ルイジアナ州リヴィングストンのそれぞれの LIGO 天文台、最近運用に入ったイタリアのピサ近くの Virgo オペレーショナル天文台によって、2017年8月14日に記録された。この信号は、約18億光年にあった太陽質量31倍と25倍の二つのブラックホールの合併の最後の瞬間に発せられた。全三つのサイトの重力波検出のタイミングを比較することによって、天文学者達に、空の信号の起源の位置の特定を改善することができた。この全天マップでは、マゼラン雲の上、そして、通常、エリダノス座の方向の、全3台の探知器の信号と一致する唯一の空の領域が黄色の等高線で示されている。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

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<ひとこと>: 9月30日の記事でお知らせしたように、4回目の重力波が検出されました。今回は、LIGO(アメリカ)から遠いイタリアの Virgo オペレーショナル天文台によっても検出されたため、重力波の発生位置が以前より正確にとらえられました。このイメージは  Virgo の参加によって、発生源がどのように限定されるようになったかを示すものです。LIGOの対極位置にある日本のKAGRAが参画すれば更に精度が高まるでしょう。
LIGOチームによる記事の要約は「ホームページ」の 「LIGO と Virgo によるブラックホール融合からの重力波の検出」 から。

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10月2日:大型低温重力波望遠鏡 KAGRA 高性能鏡の防振装置

2017年10月02日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

現在建設中の大型低温重力波望遠鏡 KAGRA(かぐら)では、レーザー干渉計で微小な時空のゆがみを捉えます。そのためには干渉計を構成する鏡に伝わる地面の振動を100億分の1以下に低減する必要があります。これを実現する超高性能防振装置を組み立てている様子が上の写真です。この装置は最終的に超高真空内にインストールされます。鏡に微小なホコリが付着するだけで光学性能が低下するため、装置の組立作業はクリーンブース内で行われます。

<出典>: 「国立天文台:今週の一枚」

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<ひとこと>: 折からイタリアの重力波天文台VIRGOの参加による重力波発生源の位置の特定が一層に進む中で、米国のLIGOのほぼ地球の裏側にある KAGRA の参加した重力波観測ネットワークが完成すれば、更に精緻な位置の特定ができるようになるでしょう。

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