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10月26日:2世紀目を迎えた太陽観測

2017年10月26日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

100年前の1917年1月20日に撮影された太陽のCaK線の単色写真(左)。この日から国立天文台(当時は東京天文台)の本格的な太陽観測が始まりました。この太陽画像は、スペクトロヘリオグラフで撮影されたもので、当時は東京の麻布で太陽観測を行っていました。CaK線では、通常見えている太陽の表面より上空の彩層を観測しています。ところどころ明るく(白く)見えているところは、プラージュと呼ばれ、活動領域に対応しています。CaK線(393.4ナノメートル・青紫色)は、可視光域では最も幅が広い吸収線です。比較的簡単な分光器でも観測可能で、写真に容易に写る波長であることから、100年前の1917年から1924年は麻布で、1925年から1974年までは三鷹で、長らくこの波長域の太陽観測が行われてきました。これらの観測データは、当時の太陽活動を知る貴重な手がかりとなっています。その後、CaK線による太陽観測は一時中断していましたが、2015年7月から太陽フレア望遠鏡の連続光・Gバンド・CaK線太陽全面撮像装置を用いた観測を再開しました。そして今年2017年に、観測100周年を迎えました。100年後の2017年1月21日に撮影されたのが右の画像です。

<出典>: 「国立天文台:今週の一枚」

<大判>: イメージをクリック

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