日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
人生を大いに楽しむために言いたい放題、書きたい放題!!
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嘘八百シーベルト。

2011年05月30日 08時05分44秒 | 日記
政府の東日本大震災「復興構想会議」は29日の会合後、これまでの中間整理として幾つかの案を提示したが率直に言ってがっかりした。これが「碩学」と呼ばれる方たちの英知を結集した復興構想案だとしたら誰だって物足らなさを感じざるを得ないだろう。賛否両論を併記されたのでは結局プラスマイナスゼロということではないだろうか。

一年のうち3~4ヶ月は雪に閉ざされる東北地方で太陽光など再生可能エネルギーの拠点化などと言ったって説得力にかけるというものだ。せめて、地熱発電とか風力発電とか言ったらどうなんだろうと思う。まさか、放射能で汚染された農地へソーラパネルを敷き詰めて太陽光発電所にしようという構想でもあるまい。

私の考えなどはおよそ参考にはならないかもしれぬが、ブログという便利な媒体によってこうして意見を述べられるのであるから遠慮なく表明しておく。

東日本大震災の復興構想は少なくとも岩手・宮城・福島3県の地元自治体の意見を最大限に尊重してやってもらいたい。復興しなければならないのは被災地の人たちである。政府は復興財源などに苦心するのが役目ではないか。

農地などの放射能除染を積極的に進めてもらいたい。早くやらないと汚染される土の量がどんどん増えるのではないかと心配である。

高台移転にばかりこだわらなくても、高床式など建物の構造や都市計画の見直しで津波に対して強い街づくりは出来るのではないか。特に、水産加工業などは漁港と一体のものだから切り離すのは難しいのではないか。

官僚の影響を排除しようとする意識が強すぎて、逆に行政官庁との関係が希薄な復興構想会議では、仮に意見の集約が行われたとしても実現性に乏しいのではないかと危惧される。優秀な官僚は大いに登用するべきである。政治家は官僚を毛嫌いせずに、官僚に負けないよう自らを研鑽すべきである。

さて、東京電力福島第一原発事故の年内収束は絶望的となったようだ。
東京電力が4月17日に発表した工程表は当初から眉唾物だとは判っていたが、僅か一ヶ月余りを過ぎた時点で早くも絶望視されるというのは余りにもお粗末である。これに対しては政府にも連帯責任があると言わざるを得ない。住み慣れた家を捨てて避難生活を送っている住民の皆さんに対しては誠意のある対応をしていただきたいものである。

一部の識者の話だが、政府は被災地の子供たちにヨード剤を投与していないそうである。4~5年後に甲状腺癌の発症がふえなければよいと心配されるところである。放射性物質はインフルエンザウィルスよりも大きいのでインフルエンザ用のマスクは有効だったらしいが、そんなことも指示していないようである。今回の原発事故では初動において手抜かりが多かったようだ。
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週明けの政局。

2011年05月29日 09時43分28秒 | 日記
菅首相は主要国(G8)首脳会議(ドービル・サミット)に併せて行われた日米首脳会談で9月訪米の日程を表明するなど、引き続き政権の座に留まることを前提に行動している。

一方、国内では自民党、公明党が週明けにも内閣不信任決議案を提出する構えをみせ、小沢一郎氏を中心とする民主党の一部がこれに呼応する動きがあると報道されている。

ただし、社民党など野党の一部は内閣不信任案には同調しないと言っているようだし、必ずしも内閣不信任案が可決するとは限らない。
現在の状況では、可決に必要な過半数は240議席であるが、自民・公明・みんなの党・共産・立ち上がれ日本などの野党は155議席であり、民主党から85議席が賛成に回らないと可決できないことになる。

一体、この時期になんで内閣不信任案なのか。

菅首相は、鳩山前首相の失脚を受け、小沢一郎民主党元代表との激しい代表選を闘って権力の座についた。

しかし、その政治手法は実に解かりにくいものだった。菅首相の前にはいつも仙石官房長官がいて、あたかも仙石内閣の様相だった。
そして尖閣諸島における中国漁船衝突事件では中国人船長の不起訴保釈や証拠ビデオの非公開やその後のビデオ流出事件などで不手際が目立った。

その後、これといった政策提案もないまま3・11の東日本大震災を迎えた。
あれからもう少しで3ヶ月目を迎えようとしている。

この間に被災地ではどうなったのかというと、仮設住宅は十分に供給されず、避難所で不自由な生活を続けている避難住民はいまだに多数にのぼっている。復興の具体策などはまったく示されていない。この間に菅首相の言動で論評に値するのは中部電力浜岡原発の停止要請くらいのものである。しかし、これとて全てが是認されているわけではなく、地元自治体や関連企業などの対策は後回しの状態である。

特に問題が多いのは、東京電力福島第1原発事故をめぐる対応の不手際である。
原発事故に対しては、当初から見込みの甘さが目立っていたが、ここへ来てから色々な矛盾が露呈してる。
特に、海水注水中断問題においては中止を命じた首相の判断よりも注水を続けた東電の田中所長の判断が正しかったことで首相の値打ちは地に落ちた感がある。

この時期に首相を替えるということには確かに抵抗があるかもしれない。しかし、これからの長い復興の道程を考えれば、ここで思い切ってリーダーを替えることは決して時間の無駄にはならないと思う次第である。
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嘘八百ベクレル。

2011年05月28日 09時34分58秒 | 日記
摩訶不思議なことがあるもんだ。
東電福島原発1号機の海水注水問題である。

私の記憶に間違いがなければ、

① 原子力委員会の斑目委員長が「再臨界の可能性もゼロではない」と言ったとかで、菅直人首相の指示で、海水注入を中断させた。

② 形ばかりの政治主導に拘る官邸側は全て官邸主導でものごとを動かしたかった。海水注入についても菅首相は「聞いていない」と東電側を怒鳴りつけて中断させたというのが、これまでのマスコミ報道だった。

ところが、ここへきてから東京電力は、吉田昌郎発電所長の独断で注水は中断することなく続けていたと発表した。

結論として、海水注入を続けたことが正しいのか、中断するのが正しいのかと言えば、続けた判断が正しいのである。
すると、菅首相の中断指示は誤まった判断で、吉田所長の臨機の判断が正しかったと言うことになる。

東京電力では吉田所長を処分するそうである。総理の指示を無視して注水を継続したという規律違反を咎めるということなのだろうが、もし、菅首相の指示に従って注水を中断した結果、再臨界など取り返しのつかない事態になっていたらどうなるのだろうか?

原子炉には素人の菅首相の判断は、その道の専門家である吉田所長の判断に優先するのだろうか。

吉田所長の処分も含めて、今後の成り行きが注目されるところである。
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焼酎党。

2011年05月26日 15時10分55秒 | グルメ
若い頃にいた工事現場の飯場ではよく焼酎を飲んだものである。当時の焼酎は必ずしも美味いわけではなかったが、安くて直ぐに酔えるのが何よりもよかったのである。

その後、経済的に少しは良くなったので、日本酒やウイスキーなどを外で飲むことが多くなり焼酎はあまり飲まなくなっていた。
それが最近また焼酎を飲むようになったのは、糖尿病になった所為もあるが、焼酎のレベルが上がって美味い焼酎が手軽に手に入るようになったからである。

最近、封をきった焼酎は福岡県八女市の喜多屋というところの甕仕込み芋焼酎「太陽のしずく」という一品で俳句の師匠から送っていただいたものである。そのままでは強すぎるから白湯で割って飲んでいるがサッパリとした飲み口で美味い焼酎である。

これからの夏場、我が家では胡瓜揉みが定番でほとんど毎日欠かしたことがない。家飲みが専らで居酒屋などには月に一度か二度も行く程度だから、家内が出してくれる胡瓜揉みを肴に飲む一杯は何よりもありがたい。
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土壌汚染はチェルノブイリ級。

2011年05月25日 09時04分14秒 | 日記
東京電力福島第一原発事故は、1号機に続いて2、3号機でもメルトダウンが起きていたことをようやく正式に認めた。
これで4号機1基がメルトダウンしたチェルノブイリ原発事故を数の上では上回ることになった。放射能汚染などについて実際にどうなっているのかというと、具体的なデータがあまり詳しく示されていないので今のところよく判らない。

24日の原子力委員会に専門家として招かれた原子力発電環境整備機構フェローの河田東海夫氏(原子力工学)は、放射性物質による土壌汚染の濃度が一部地域でチェルノブイリ事故に匹敵するとの分析結果を示し、避難住民の帰還には大規模な土壌修復計画が不可欠だと指摘した。

河田氏の推計によれば福島原発の北西を中心に、チェルノブイリ事故で強制移住の基準となった1平方メートル当り148万ベクレルを超える地域が約600平方キロにわたって広がり、同事故で一時移住の基準となった1平方メートル当り55万5千ベクレル~148万ベクレルの地域も約700平方キロに上ると説明した。

河田氏は「セシウムが土壌と強固に結合している」とし、放射線量が下がりにくいと強調。表土と下層の入れ替えなど、住民が帰還するために大規模な除染が必要だと述べた。

因みにヨウ素131は半減期が8日と短いが、セシウム137は半減期が約30年。セシウム134は半減期約2年と長期間にわたって放射線を出し続ける。

政府も東京電力もこれまでのところ土壌汚染に対する補償や除染に対しては具体的に何も示していない。避難住民の人たちの心中はいかばかりかと察するに余りある。
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大井川水路橋。

2011年05月24日 12時53分50秒 | 日記
写真は農林水産省関東農政局によって架けられた大井川水路橋(小笠幹線水路橋)である。橋面の下は水路になっていて大井川から引き込んだ水が勢いよく流れている。

工期は平成14年9月~平成19年3月までの4年6ヶ月間。請負業者は大林組・大豊建設共同企業体で一次下請けとして岸本建設(大阪府摂津市)が下部工、上部工とも施工を担当した。

元の大井川水路橋は昭和22年~43年にかけて築造され、完了後40年以上を経過したため、老朽化により躯体のひび割れなどが生じていた。
また、大井川の河床低下が著しく、橋脚基礎部の露出や洗堀が起きていた。これらのことから、施設の機能低下や管理費の増大が生じ、更に大地震や洪水などで橋脚の転倒、橋桁の落下という事態が発生する事が予想されたため、既設水路橋の下流100mの位置に新設したものである。下部工の施工については、ニューマチックケーソン工法、上部工については、移動架設桁併用片持架設工法を採用して施工されたものである。

大井川用水(おおいがわようすい)は、静岡県の大井川周辺8市2町に水を供給する国営および県営の灌漑用水である。静岡県島田市身成の中部電力川口発電所の放水口の下流から取水し、大井川左岸は焼津市、右岸は大井川水路橋で大井川を渡り袋井市までを潤す広域な水路網である。

日本を代表する用水のひとつとして、農林水産省の疏水百選に選定されている。 一部は上水道や工業用水として利用されていたが、農業用水の違法転用(目的外取水)として問題となった。

大井川水路橋は大井川の左岸で取水した水を右岸側に渡すために建造された水路橋で、島田市神座と同市横岡を結んでいる。橋上は一般の通行に解放されている(午前6時より午後8時まで)。
現行の水路橋は全長742m、幅4.3m。2007年秋に旧水路橋から切り替えられ、2009年6月9日より自動車(小型自動車以下)、オートバイ、軽車両、歩行者の通行が可能となった。原動機付自転車以上は上下線が時間帯(2時間毎切替)による交互通行となっている。
旧水路橋(1960年完成。全長715.5m、幅3.45mで、軽車両以下の通行が可能だった。)は約100m上流にあった。老朽化により2008年撤去。

大井川用水は農業用の灌漑用水であるが、その一部が長年にわたり上水道や工業用水として転用され、地域の人口の増加と工業化に寄与してきた。
しかし本来認められているのは農業用水としての利用のみであり、これらの転用は違法である。このため、2006年度中に問題を是正することを求められた。
上水道については静岡県が保有する水利権を利用して大井川広域水道企業団が水を供給、工業用水については周辺自治体で組織する東遠工業用水事業団が2006年度中に供給開始し、違法転用問題は解決した。

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ひとめぼれ。

2011年05月23日 07時33分56秒 | グルメ
 私が貧乏であることはかなり有名であるらしい。それを証拠に友人たちは私のところへ米を送ってくれるのである。米さえあれば飢えることもない。温かいご飯に生卵をかけて醤油を数滴垂らせば私にとってはご馳走である。梅干を載せて茶漬けにするのも捨てがたい。米を貰うのはなによりもありがたい。

 昨年の暮れに”さいたま市”の友人から30キロ入りの紙袋が届いてここ6ヶ月間はその米で食いつないだ。昨日、半年振りに白米10キロを購入したのだが、昨夜になって今度は栃木県の友人から白米10キロが新たに届いた。現在、我が家の米櫃には20キロ以上の米があるからまたしばらくは食いつなぐことができる。夫婦二人だから一度に炊く米は1合にも満たない。

 普段、米はスーパーで買うのだが、スーパーの米売り場には色々な米が置いてある。「こしひかり」「ささにしき」「あきたこまち」「きらら」・・・。産地も地元・静岡県産から東北各県産までまちまちである。
今回は大震災の被害が大きかった宮城県産の「ひとめぼれ」を食べることにした。被災地の米を買うことによってほんの少しでもお役に立てればと思ったからである。袋には登米産石越町限定とあるが、元々宮城県登米郡石越町が合併により登米市石越町になったようだ。登米市は今回の東日本大震災で壊滅的な被害を蒙った気仙沼から少し内陸に入ったところに位置する。

 私自身も農家の生まれだが、生家はお茶やミカンの栽培農家で稲作はしていなかった。子供のころにはずっと麦飯を食って育ったから所謂”銀シャリ”には憧れがあった。現在、64歳であるが自分で働いて食えるようになってからは、麦飯は”とろろ汁”のとき以外には食べたことが無い。

 小学生の頃に、近所の農家のお兄さんが田圃を耕しに行く牛の背中に私を乗せてくれた。小学校までの長い道のりを牛の背に揺られて行くのは実に楽しかった。
 
 小学校には学校田というのがあって田植えをしたり草取りをしたり稲の刈取りをしたりした。代掻きや苗代や普段の水の管理は農家の人がしてくれたようだ。田植えのときに”けらどん”という虫を捕まえて遊んだことが懐かしい。ケラ(螻蛄)は、バッタ目(直翅目)・キリギリス亜目・コオロギ上科・ケラ科の昆虫である。ケラが前脚を広げるのに合わせて、お前のチンチンでっかいなどと友達をからかったものである。

 今日はなんだか取り留めの無い話に終始してしまった。
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才はあっても徳がない。

2011年05月20日 08時49分20秒 | 日記
「才はあっても徳がない」これは菅総理に対する人物評である。今朝の静岡新聞の『論壇』に載っていた政治評論家・今井久夫氏のお説である。今井氏はまた、菅総理がいくら政界再編成や大連立を目論んだとしても、「菅総理の存在そのものが阻害要因なのだ」としている。

一方、西岡武夫参議院議長は、7日の記者会見で、菅首相について「今の状態で国政を担当するのは許されない」と述べていた。現職議長としては極めて異例かつ強烈な“総理退陣要求”である。

三権分立の一方の長である西岡議長の発言は重い。

西岡氏の発言の要旨は、

①大震災、福島原発の対応の悪さ。

②第二次補正の提出が遅い。

③サミットで、原発の方針を説明できないのではないか。と、いったところだと思うが私もまったく正論だと思う。
ここのブログで何度も 書いたが、菅総理の政治手法は現実を直視した機敏な対応とはとても思えない。この混乱の最中に電力事業の見直しを議論する暇があるのかと問いたい。

景気は完全に後退基調に陥り、一刻の猶予もできないという状況なのに、的外れな論議、問題解決の先延ばし・・・これでは西岡議長ならずとも黙って見過ごしにはできないだろう。

野党は当たり前として、民主党の中にも危機感をもって行動しようとする議員がいないものなのだろうか。


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柳の下の泥鰌。

2011年05月19日 07時49分49秒 | 日記
東電福島原発は1号機のみならず2,3号機もメルトダウン(炉心溶融)を起こしていたことがようやく明らかになりつつある。
この間に発生した放射能汚染水は既に10万トン以上になっているようだ。静岡市から譲渡されたメガフロートを曳航した程度ではとても間に合うものではない。

結局、政府も東京電力も確かに努力をしているのだろうが、顕著な実効性がともなっていないので単なるパフォーマンスと看做されても仕方が無いだろう。つまり、工程表とやらは単に振り出しに戻るよりも更に悪い状況になってきた。

昨日の発表では東京電力は2号機のベント(原子炉格納容器の圧力を下げるための蒸気放出)に2回も失敗し、圧力抑制プールが破損した可能性が高いということである。その結果、2号機からは大量の放射性物質が放出され、高濃度放射能汚染水も大量に発生することになった。ベントに失敗したのは3月13日と15日のことであるから東京電力も原子力安全・保安院も2ヶ月以上も失敗を隠していたことになる。東京電力は兎も角も原子力安全・保安院は職務怠慢で役割を果たしていないことになる。或いは政府がこの情報を隠していたとすれば問題はもっと厄介である。

下衆の勘繰りと言われるかもしれないが、こうした情報の隠蔽はまだまだ他にもたくさんあるのではないかと心配になってくる。

私が一番気になるのは30キロ圏内の避難住民や計画的避難区域の住民がいったい何時になったら自宅に戻れるのかということである。当然、原発からの放射能放出が沈静化して、放射性物質の濃度というのか放射線量というのか、そうした数値が安全なレベルにならなければ元の場所で暮らすことはできないだろう。と、すると、今のように毎日日にち新しいマイナス要因が増え続けているような状態では、何時になったらという確かな期日を示すことは出来ないのではないだろうか。

鳴り物入りで発足した「震災復興会議」の議論というのも一向に見えてこないし、避難住民の皆さんの1年後、2年後さえも定かではないのが現実である。

表題の「柳の下の泥鰌」というのは皮肉である。
菅総理は、法的な根拠も示さず中部電力浜岡原発を全面停止に追い込んだ。結果として内閣支持率が少しだけ改善した。このことに気をよくしたのか、今度は電力事業の地域独占を見直し、発電と送電を分離するなど事業形態の在り方を議論することを表明した。このこと自体が悪いとは言わない。しかし、電力事業の議論をする暇があったら、先ずは避難所で不自由な暮らしを続けている避難民の救済や、何時になるともわからない原発事故被災民の救済、更には放射能によって被害を受けた多くの農家・酪農家・漁民・商工業者の救済を先ず議論するべきではないのか。

と、いえば議論はしていると答えるだろうが、私が言いたいのは、東電まかせの損害賠償ではなくて、浜岡原発を止めさせたように政治の判断・決断でもっと迅速に仮払金の支払などをさせるべきだということである。疝気筋な電力事業の見直しなどは大震災からの復旧・復興に目途が立ってからにしてもらいたい。そうでないと「柳の下の泥鰌」という諺を引き合いに出されてしまうのである。
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大嘘小嘘。

2011年05月17日 08時14分02秒 | 日記
東京電力福島第一原発では、1号機に続き2、3号機も炉心溶融(メルトダウン)を起こしていることが明らかになりつつある。
なりつつあるというのは歯切れの悪い言い方だが、政府の発表が「2,3号機も最悪、炉心溶融していると見ていかないといけない」という細野首相補佐官の歯切れの悪い談話だから仕方がない。
これまでの一連の流れから判断すれば細野氏の言いたいことは「2,3号機も炉心溶融していますよ」と、いうことなのだろう。

一方で、日本原子力学会の専門委員会では今回の発表より一ヶ月も早い4月上旬に、1~3号機で燃料の一部が溶けて圧力容器の底に溜まり、比較的温度の低い状態になっているとの見解を示していたそうである。同学会の沢田隆副会長(原子炉安全工学)は、「学会は公開データしか見てないが、このぐらいのことは専門家であれば言える。燃料が溶ければ圧力容器の底に落ちるのは当たり前の話で、最近まで東電も保安院もひと言も触れなかったのは不思議だ」と指摘。「なぜ今頃なのか、もっと早くても良かったんじゃないか」と、疑問を投げかけている。

東京電力、経済産業省原子力安全・保安院、枝野官房長官そして細野首相補佐官から徐々に発表される今回の原発事故の規模は、仮に3基の原子炉が同時にメルトダウンしていたとすれば、単純に言って4号炉1基だけのチェルノブイリ事故の約3倍の史上最悪の原発事故ということになる。

政府の思惑、東京電力の思惑、それを取り巻く政財界の思惑が複雑に絡み合って「真実」「実態」が詳しく国民に知らされないままで賠償支援法案策定など東京電力救済の枠組みが着々と準備されようとしている。

東京電力は役員の報酬返上や職員給与の20%削減などを発表しているが、もっとも肝心な株主責任については今のところ一切触れていない。東京電力は民間会社である。しかも事故を起こす前は国内屈指の優良企業であった。株主はこれまでに優良企業の株主として長期間にわたり安定した配当を受けてきた。

しかし東電は今回の原発事故によって多額の損害賠償責任を負ったのであるから企業価値は暴落したはずである。これに対して株主だって応分の負担をしなければ株式を持つことの出来ない一般の国民と比べて不公平である。
つまり、政府の援助を求めるのであれば単にこれからの配当金を支払わないというだけでは不十分で、企業価値に応じて一旦は減資をするとかして株主責任を明確にする必要がある。

国家公務員の人件費を20%削減するというのが民主党の政権交替前の選挙公約だったはずだが、10%の削減も公務員側の強い反発にあって実現が危ぶまれる状況にある。

中部電力浜岡原発の停止要請という、法的根拠も何もない云わば超法規的な奇手奇策によって少しばかり内閣支持率を回復した現政権であるが、大嘘小嘘がだんだん暴かれてきたとき国民が持つ失望感は大きいだろう。
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