日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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横沢の大嶽鉱山マンガン鉄

2023年03月10日 15時23分01秒 | 日記

満州事変は、1931年(昭和6)9月18日、奉天(今の瀋陽)郊外での柳条湖事件を契機に始まった。
丁度そのころと思われるが、静岡県静岡市葵区横沢にあった含マンガン鉄鉱の大嶽鉱山は、日本鋼管株式会社が開発に着手し、その後、静岡市の小原藤太郎が坑内の探鉱に主力を注ぎ、さらに中外鉱業株式会社に譲渡した。戦時中は数百名の人力と機械力とによって1番坑地並以上、4番坑地並に至る間を露天掘りと坑内掘りを併用して大々的に稼行し、昭和10年度には年間3万トン以上を出鉱した。また昭和19年頃から1番坑地並以下を探鉱するため、本坑・中切坑・ 嶽ノ腰坑等の鋸入坑道を開鑿した。本坑では坑口より約120m附近で着鉱し、『南北方向と東西方向に鑓押し、約10m切上り等で鉱体の規模・形態・品位等を探索した程度で採鉱はほとんど行われていない。中切坑・嶽ノ腰坑は鎭入不充分で未だ着鉱しないままで掘進を中止している。

終戦と同時に坑内外に集積された多大の貯鉱を送鉱することもなく、放棄廃業したままで今日に及んでいる。第二次世界大戦末期には「日本屈指の鉄山」とされたといわれる。
昭和28年新鉱業権者木村達三氏(東京都渋谷区神山町55番地)が企業再開のため鉱区を設定している(静岡県試掘権登録第4141号)。

マンガンの一番有名な用途は、二酸化マンガンがマンガン乾電池やアルカリ乾電池の正極に使われる。また、リチウム電池の正極にも用いられ、リチウムイオン二次電池の正極材料として研究されている。また、磁性材料として、マンガン、亜鉛、鉄を含む金属酸化物であるMn-Znフェライトがインダクタやトランスのコア材料として用いられている。
マンガン単体が金属材料として用いられることはほとんどなく、合金として、マンガン鋼の原料や、フェロマンガンとして鋼材の脱酸素剤・脱硫黄剤などに使用される。鉄鋼用途で耐磨耗性、耐食性、靭性を付加するために、マンガン合金(フェロマンガン)や金属マンガンとしてマンガン分が添加される。
蛇足ですが静岡市葵区足久保奥組にあった美和鉱山(閉山)もマンガン鉄鉱山でした。画像出典:ミネラルマーケットブログ。


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素魚と書く俳人のなかりけり

2023年03月05日 12時51分03秒 | 日記

素魚と書く俳人のなかりけり  白兎

しろうおとかくはいじんのなかりけり

白魚(しらうお)は、シラウオ科の体長10㎝程の半透明な白色で、死ぬと白くなる。霞ケ浦の春の風物詩「帆びき網漁」が有名であるが、現在では動力船のトロール網で獲っている。春の季語であり、傍題として、白魚網、白魚舟、白魚汲む、白魚火などがある。
一方、素魚(しろうお)は、ハゼ科の体長5㎝程のほぼ透明な魚で、脊椎などが透けて見えるが、死ぬと白く濁って見えなくなる。漁法は四手網などを使う漁が春の風物詩として有名で、他には地引網や簗によるものもある。九州地方で有名な「踊り食い」の対象となるのは、この「素魚(しろうお)」である。この「素魚」を春の季語として所収している歳時記は確認できていないが、著名な俳人もこの二つを混同している例が多い。

活白魚とて口中をまだ動く     稲畑汀子

昼深く生ける白魚をすすり食ぶ   五所平之助

静岡市清水区の庵原川は、「由比のサクラエビに清水のシロウオと言われた東海道の名物」であるシロウオ(絶滅危惧IA類)が遡上・営巣し、産卵する、数少ない河川の一つで、平成22年3月~4月に実施したシロウオの遡上・営巣調査では、0.7km付近(東海道新幹線下流)まで遡上・営巣が確認されています。
遡上する絶対数は興津川と比べると少ないのですが、興津川が河口閉塞でシロウオが遡上できない年は、庵原川と隣接する波多打川が年魚であるシロウオの生命線になると言われています。本日、令和5年3月5日のNHKテレビで放映されていました。
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