日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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早々と十一月の俳句です

2018年10月24日 15時49分20秒 | 日記

◆安倍峠霧は身延の峪へ落つ
(よみ)あべとうげきりはみのぶのたにへおつ
甲斐と駿河の国境にあるのが安倍峠です。付近には紅葉が美しいオオイタヤメイゲツ(カエデ科)の林があります。山梨県身延町大城と静岡市葵区梅ヶ島を結ぶ林道豊岡梅ヶ島線で身延へ抜けることができます。季語は「霧」で秋。



◆せがまれてどんぐり独楽の孔穿つ
(よみ)せがまれてどんぐりごまのあなうがつ
団栗はブナ科のコナラ、ミズナラ、クヌギ、カシワ、アラカシ、シラカシなどの果実の総称。堅果類と呼ばれることもあり縄文時代には栗や胡桃と同様に主要な食糧であった。
子供は爪楊枝などで芯棒を挿して団栗独楽を作るのだが中心に上手く挿すのは容易ではない。「せがむ」は「強請る(ねだる)」と同義です。季語は「どんぐり」で秋。


◆焼酎に酔はせて柿の渋を抜く
(よみ)しょうちゅうによはせてかきのしぶをぬく
渋柿の渋抜きには炭酸ガスを用いる方法や湯抜き(渋柿を約40℃の湯に20時間程度つける)などもありますが、一番簡単なのは蔕に焼酎を塗ってビニール袋に密閉する方法です。季語は「柿」で秋。


◆猿泣かせとは如何ほどの渋柿ぞ
(よみ)さるなかせとはいかほどのしぶがきぞ
田舎では山柿のことを「猿泣かせ」と呼んでいた。野猿もひと口齧ったら渋に参って去るということのようです。しかし、その「猿泣かせ」が柿渋を作るのには最適だそうです。季語は「柿」で秋。


◆石積みの穴太ノ里の芋水車
(よみ)いしづみのあのうのさとのいもすいしゃ
10年ほど前に滋賀・京都へ紅葉狩りに行った。膳所の義仲寺や大津市坂本の日吉大社、西教寺も廻ったが、この辺りは石垣積みで有名な穴太衆の故郷である。立派な石積みの下の水路に芋水車が仕掛けてあった。延暦4年(785年)に延暦寺を創建した伝教大師・最澄は,俗名三津首,後漢献帝の末裔,登万貴王の後と伝える志賀の漢人の子孫である渡来氏族である。出生地には諸説あるが東坂本だという説もある。
季語は「いもすいしゃ」で秋。
コメント (2)
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