日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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目には目を ゴミ棄て男 捕まった

2014年05月20日 09時40分52秒 | 日記
 目には目を歯には歯をという慣用語がある。このハンムラビ法典の趣旨は、やられたらやりかえせという同害報復を要請するものではなく、「倍返しのような過剰な報復を禁じ、同等の懲罰にとどめて報復合戦の拡大を防ぐ」すなわち、あらかじめ犯罪に対応する刑罰の限界を定めることがこの条文の本来の趣旨であるとされる。

 さて、会社の駐車場は地元の大地主である農家の土地を管理している建設会社から借りているものである。

 事件はこの駐車場へ大きなゴミ袋が4個も不法投棄されたことから始まる。普通の可燃ゴミならば所定のゴミ袋を被せて回収日に出せば容易に処分が可能である。しかし今回のゴミ袋の中身はざっと覗いただけでもパソコン用プリンターや壊れたゲーム機などの雑多なものばかりであった。

 これとても市役所の不燃・粗大ゴミ受付センターに連絡して回収してもらうことは可能である。だが、市役所で回収してくれるのは家庭由来のゴミであって事業所で発生したゴミは対象外で有料となる。

 そこで先ずは市役所へ電話をかけることから始まるわけだが、どこへ電話をかけたらよいのかが分からないから代表局番へかけて担当課へ回してもらうことにした。

「もしもし。実は会社の駐車場へたくさんのゴミを不法投棄されまして困っているんですが市役所のどちらへご相談すればよろしいのでしょうか」

「ちょっとお待ちください。環境局廃棄物対策部の方へおつなぎします」

「はいっ。お待たせしました。廃棄物政策課の■■です」

「もしもし。実は会社の駐車場へたくさんのゴミを不法投棄されまして困っているんですが」

「会社の駐車場ですか。そういう場合は土地の所有者や管理されている方に片付けてもらうようになっているのですが」

「ええっ。管理している者が不法投棄のゴミを処分するんですか」

「はいっ。そうです」

「■■さん。あなたの論法に従えば、川でも山でも野原でも日本中に管理者がいないところはないのですから不法投棄は存在しないことになりますが、あなた方は一体何のためにいるんですか。ゴミの不法投棄は犯罪なんですから、もう少し本腰をいれた対応をしていただかないと困るんですが」

「そう言われても民有地内のゴミは土地の管理者に片付けてもらうことになっているんですけど」

「■■さんでは話が通じないようですから係長さんなり課長さんなり責任の持てる人に代わってください」

「もしもし。係長の□□ですが」

「駐車場にゴミを棄てられて困っています。民有地のゴミはこちらで片付けろということですが、それでは不法投棄の犯人を捕らえることもできないし、そうした努力もしないのでは行政の怠慢なのではないでしょうか」

「わかりました。兎に角そちらへ伺いますので現地で立ち会ってください」

 こんな応酬があってから現地で待っていると、小型トラックに乗った担当者が二人でやって来た。

 状況写真を撮影した後に、ゴミ袋を一つずつ開け警察の鑑識係よろしくゴミを一つ一つ丁寧に確認しだした。つまり、ゴミを棄てた人物に結びつく物証を得るための作業である。

  
 その結果、熊本県熊本市に所在する会社の取締役O氏の名刺、そのO氏の車を修理したと思われる沼津市の自動車整備工場の請求書、その車を洗車した東京都板橋区のガソリンスタンドの領収書、東京都豊島区内のアパート名と個人名を書いたメモ用紙、静岡市清水区に所在する肥料店の名入りの手拭いなどたくさんの物的証拠が出てきた。

 すると市役所の職員はおもむろに携帯電話を取り出して警察へ連絡した。しばらくすると静岡中央署生活安全課の私服巡査と巡査長が3人来て、ゴミ発見時の状況などを詳しく聞き取った後、現場の検証や写真撮影を行った。私がその写真の中に入って写されている。

 警察の検証では市役所職員が見つけた物以外の新たな物証は見つからず、資料は警察へ、残りのゴミは市役所が預かるということでトラックに積んで持ち帰った。ゴミはすっかり片付いたので私としては一件落着であったが、これには後日談がある。

 数日前に犯人が捕まったのである。詳しいことは捜査上の秘密で知らされていないが、事件のあらましは以下のとおりである。

 
 会社の元従業員にKという男がいる。この男はすでに解雇した者である。Kは知り合いの不良の元妻と交際していてその引越しを手伝った。その引越しのときに出たゴミをこともあろうに会社の駐車場に置き去りにしたようだ。

 恩を仇で返すというのはKのような奴のことをいうのであろう。
コメント (4)
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寒紅をさして女の意地通す

2014年05月08日 12時55分23秒 | 日記
 表題の一句は、平成17年1月現代俳句協会インターネット俳句会に入選した私の作品である。このときは6ポイントを獲得して高得点句に選ばれた。これはネット検索していただければ何方でも簡単に確認できる事実である。

 平成17年1月の句会ということは、平成16年12月21日から17年1月20日の間に投句され、21日から31日の間に選句されて2月1日に結果が発表されたものである。この間の処理はインターネット上のシステムで自動的に行われるので他人の目に触れることはない。

 この句の季語は「寒紅」で冬である。女の意地というのは1960年代に「アカシアの雨がやむとき」など数々のヒット曲を飛ばした歌手・西田佐知子さんの「女の意地」から拝借した。この曲は1970年NHK紅白歌合戦でも歌われた曲で、西田さんはこれを最後に紅白歌合戦へ出場していない。

 さて、今回は古い俳句を引きずり出して自慢話をしようというのではない。ネットで検索すると実はこんな事実とも遭遇してしまう。

「国民文化祭とくしま07」=俳句入選者わかる

 第二十二回国民文化祭とくしま2007」文芸祭俳句大会(徳島県東みよし町開催)俳句部門のブラジル関係入選作品がわかった。応募者総数延べ二千四百二十人(ブラジル関係百四十二人)、応募句数八千六百五十八句(同八百八句)であった。

◇入選
クリスマスイブに煮しめを抱いて行く  山口 ふみ
幻の邪馬台国や月朧          前田 昌弘
山姥と言われもするが草を引く     前田 昌弘
二の腕の蚊は刺しやすき逃げやすき   真藤 浩子
大いなる太陽のもと薬掘る       伊津野 静
移住地に残る竹林蛍飛ぶ        畠山てるえ
日本語とポ語のじゃんけん小春かな   佐藤けい子
ブラジルに小さき菫咲きにけり     鈴木 文子
左より右手いと老い木の葉髪      小斎 棹子
金賞のとなりの菊を誰も見ず      広田 ユキ
開拓の小屋は壊せず苔の花       里  晋平
五十年住んでも異国桃の花       井上 人栄
寒紅をさして女の意地通す       井上 人栄
アンデスを越ゆる機窓に鷹澄める    坂本美代子
越えて来し移民の山河月まどか     坂本美代子
出稼ぎの子へ陰膳や星まつり      湯田南山子
初時雨牛千頭の背を渡る        秋枝つね子
移住祭百年気骨失はず         小西 成子
墓碑の名は幼子ばかり冬日果つ     浜田 一穴
暁紅のアマゾン川の布袋草       青木 駿浪
太箸や洗礼名の吾子四人        西山ひろ子

と、いうニッケイ新聞 2007年12月21日付けの記事である。

 ニッケイ新聞は、ブラジル国サンパウロ州サンパウロ市で発行されている、移住者や日系人・駐在員向けの日本語新聞である。
井上人栄さんという方はブラジル在住の俳人で、日本国内の俳句大会などへも積極的に参加されているご様子である。

 記事の日付は2007年12月つまり平成19年12月であるから全くの同一句であるが,私の方が2年以上先行している。こういう事態の場合は早い者勝ちというのが俳句界の決まりごとのようである。

 地球の裏表で同じことを俳句に書いたという偶然があっても何の不思議でもないだろう。
コメント (2)
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五・七・五 指折り俳句 お勉強

2014年05月07日 16時24分18秒 | 日記
 私が俳句に興味を持ったのは、今から十数年ほど前に、糖尿病で入院していたとき知り合った美人看護婦さんが俳句の本を貸してくれたことがきっかけである。

 糖尿病というのは悪化すると合併症を引き起こす厄介な病気であるが、治療の主なものは食餌療法であって、入院中はカロリー計算された食餌になれることと、インスリンの自己注射を覚えることで、他にはすることもなく患者は極めて退屈である。

 そこで病院のベッドの上でテレビを見たり、鼻毛を抜いたりしているわけであるが、美人看護婦さんは退屈しのぎにということで自分の趣味の俳句を勧めてくれたわけである。

 勿論、俳句などとは対極的に無縁な土木技術者として生きてきたから、俳句にさほど興味があったわけではないが、美人看護婦さんとの共通の話題という意味において、貸してくれた俳句入門の本を熟読したわけである。

 美人看護婦さんは自作の俳句なども披露してくれて、たいそう親切な人であった。

 退院後は元の職場に復帰して現場監督として働いていたが、おりしもの建設不況の影響で勤務先の受注が減少しリストラで失業する羽目になった。

 失業中に職業安定所の紹介でパソコンの講座を受講することができて一ヶ月間連日パソコンの勉強をすることができた。

 そこで知り合ったインストラクターの女性講師が簡単なホームページを作ってくれたことから、ネットの面白さにはまり、インターネットの俳句にのめりこんでいった。

 私は我侭な性格であるから、先生について俳句を学んだことがない。本や雑誌やインターネットから得た知識のみで俳句らしきものを作ってきた。全てが物まねだから類句・類想との謗りを受けたこともあるし、正直いってなかなか進歩しないのである。

 インターネットの句会はほとんど互選方式であるから、仲間同士で談合して高得点を獲得するなどという不正もあったりして俳句というイメージとは程遠い厭な裏側も見てしまった。

 最近、テレビを見ていたらたまたまNHKの教育テレビで俳句の番組をやっていた。「NHK俳句」という番組である。これは互選ではなくて著名な俳人が選者となって選句し、講評をしてくれるのである。

 インターネットからも投句できるので、しばらくの間は毎月、投句してみようと考えている。NHKの良い所は選者に偏りがないことである。流石に公共放送であるから伝統俳句協会・俳人協会・現代俳句協会それぞれの系統の俳人が選者になっている。

ただ、残念ながら自由律俳句の部門はいまのことろ受け皿がないようである。
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