日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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大嘘小嘘。

2011年05月17日 08時14分02秒 | 日記
東京電力福島第一原発では、1号機に続き2、3号機も炉心溶融(メルトダウン)を起こしていることが明らかになりつつある。
なりつつあるというのは歯切れの悪い言い方だが、政府の発表が「2,3号機も最悪、炉心溶融していると見ていかないといけない」という細野首相補佐官の歯切れの悪い談話だから仕方がない。
これまでの一連の流れから判断すれば細野氏の言いたいことは「2,3号機も炉心溶融していますよ」と、いうことなのだろう。

一方で、日本原子力学会の専門委員会では今回の発表より一ヶ月も早い4月上旬に、1~3号機で燃料の一部が溶けて圧力容器の底に溜まり、比較的温度の低い状態になっているとの見解を示していたそうである。同学会の沢田隆副会長(原子炉安全工学)は、「学会は公開データしか見てないが、このぐらいのことは専門家であれば言える。燃料が溶ければ圧力容器の底に落ちるのは当たり前の話で、最近まで東電も保安院もひと言も触れなかったのは不思議だ」と指摘。「なぜ今頃なのか、もっと早くても良かったんじゃないか」と、疑問を投げかけている。

東京電力、経済産業省原子力安全・保安院、枝野官房長官そして細野首相補佐官から徐々に発表される今回の原発事故の規模は、仮に3基の原子炉が同時にメルトダウンしていたとすれば、単純に言って4号炉1基だけのチェルノブイリ事故の約3倍の史上最悪の原発事故ということになる。

政府の思惑、東京電力の思惑、それを取り巻く政財界の思惑が複雑に絡み合って「真実」「実態」が詳しく国民に知らされないままで賠償支援法案策定など東京電力救済の枠組みが着々と準備されようとしている。

東京電力は役員の報酬返上や職員給与の20%削減などを発表しているが、もっとも肝心な株主責任については今のところ一切触れていない。東京電力は民間会社である。しかも事故を起こす前は国内屈指の優良企業であった。株主はこれまでに優良企業の株主として長期間にわたり安定した配当を受けてきた。

しかし東電は今回の原発事故によって多額の損害賠償責任を負ったのであるから企業価値は暴落したはずである。これに対して株主だって応分の負担をしなければ株式を持つことの出来ない一般の国民と比べて不公平である。
つまり、政府の援助を求めるのであれば単にこれからの配当金を支払わないというだけでは不十分で、企業価値に応じて一旦は減資をするとかして株主責任を明確にする必要がある。

国家公務員の人件費を20%削減するというのが民主党の政権交替前の選挙公約だったはずだが、10%の削減も公務員側の強い反発にあって実現が危ぶまれる状況にある。

中部電力浜岡原発の停止要請という、法的根拠も何もない云わば超法規的な奇手奇策によって少しばかり内閣支持率を回復した現政権であるが、大嘘小嘘がだんだん暴かれてきたとき国民が持つ失望感は大きいだろう。
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