日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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陶狸には八相縁起具えたり

2015年09月07日 15時12分30秒 | 日記
 狸の金玉八畳敷きについては既に書いた。その記事はすぐ下へ持ってきたのでご高覧いただければ幸いである。今回は、信楽陶狸のそのほかのことについて薀蓄を傾けてみたい。

 タヌキは、「他抜き」「他を抜く」ともいい、 商売、金運、開運、勝負事に御利益があるとされる。

 信楽の狸は、信楽 初代狸庵 陶芸家 藤原鐵造(三重県槙山生まれ、1876~1996)が若くして京都で修行していたある夜のこと、不思議な大狸小狸が月光に照らされて、ポンポコと腹鼓を打っていたという夢のような体験をした。

 
 親方から『何人に一人しか聞けぬ狸の腹鼓だ』と教えられ、それ以来自分で小狸を飼い、観察してから後、昭和10年(1935年)本格的に縁起物としての狸を作り出したとのことでその歴史は比較的新しいのである。

 昭和26年11月15日、昭和天皇が信楽へ行幸された時に旗を持った狸が沿道で歓迎をしたところ、天皇が「幼なとき集めしからに懐かしもしがらき焼の狸をみれば』と詠われ、一躍全国に広まった。
 
 信楽町長野・新宮神社鳥居の横に昭和天皇御製の歌碑がある。 

 置物狸の原型は、江戸の手まり歌に、『雨のしょぼしょぼ降る晩に 豆狸が徳利もって酒買いに』という一節があり、庶民がお酒を買いに行き始めたころだという。信楽狸の置きものが記録に残されているのは幕末で、門左衛門という陶工の作らしい。

 石田豪澄和尚の「信楽狸八相縁起」によると、

笠・思わざる悪事災難避けるため用心常に身を守る笠

顔・世は広く互いに愛想よく暮らし誠をもって努めはげまん

目・何事も前後左右に気を配り正しく見つむる事忘れめ

通帖・世渡りはまず信用が第一ぞ活動常に四通八達

徳利・恵まれて飲食のみに事足りて徳はひそかに我身につけん

腹・物事は常に落ちつきさりながら決断力の大肚をもて

金袋・金銭の宝は自由自在なる運用をなせ

尾・何事も終わりは大きくしっかりと身を立てるこそ真の幸福

と、まあこうなる。

 石田豪澄(いしだごうちょう)
 1910年愛知県生まれ。父は堪忍堂老年画伯。9歳で天台宗円興寺豪鉄法印の得度を受け、11歳で曹洞宗雲居寺恵光老師の会下に参ずる。20歳で良寛和尚に私淑し四国山中で修行の後駒澤大学に入学、卒業後は名古屋覚王山日泰寺仏舎利泰安塔奉仕殿司、名城大学教授・初代図書館長を歴任。禅画・仏画・書・短歌・俳句に研鑽の傍ら、狸公研究文献蒐集に打ち込み、狸和尚の異名を得る。1973年インドビハール州ブッダガヤインド山日本寺本堂天井画を揮毫し国際仏教興隆協会より日本画僧の称号を賜る。

 さて、信楽狸の小ネタを一つ。
 皆さん、信楽狸の持っている徳利にはなぜ○に八と書かれているのか、不思議に思ったことは有りませんか?

 そこで色々調べてみますと、八は末広がりで縁起が良いとか、八方丸く行くとか、色々なことが言われているのですが、その中で面白い一説が有りますので紹介します。

 狸の徳利に○八のマークが有るのは、尾張徳川家の裏紋で(表紋はご存じの葵の御紋)、尾張八郡を支配する意味であり、しかも、徳川家康はタヌキのアダ名があったことから、尾張知多半島にある常滑焼で、○八の紋を入れて造ったのが人気を博し、それを模して、狸の置物には○八と意味も分からないまま造るようになった。

へ~ と言う感じですが、尾張徳川家の裏紋が○八とは勉強になりました。

コメント (2)
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裏山の狸の金玉八畳敷き

2015年09月07日 14時08分49秒 | 日記
 俗に「狸の金玉八畳敷き」という言葉がある。

 それを証拠に信楽の陶狸はいずれも股間に大きな「物」をぶら下げている。
 
 子供の頃には「たんたん狸の金玉は風に吹かれてぶうらぶら」などと臆面もなく大声で唄ったものである。

 しかし、よくよく考えてみれば金玉が八畳敷きだというのはいかにも不自然な表現である。

 第一、金玉は睾丸であって、股間に見えるとすればそれは隠嚢であろう。つまり、金玉と隠嚢は中身と入れ物、お金と財布の関係である。

 タヌキは哺乳綱ネコ目イヌ科タヌキ属に分類される動物で、体長約50~60cm。体重3~10kg。ずんぐりとした体つきで、足が短く、尾は太い。体色はふつう灰褐色で、目の周りや足は黒っぽくなっている。人里近くに棲むことが多いので比較的よく目撃される動物である。

 習性として「狸の溜め糞」が有名であるが、雄雌が仲良く暮らす動物であることもよく知られている。

 簡単に言ってしまえばタヌキは中型の犬である。

 その中型犬の睾丸であれ隠嚢であれ、八畳敷きなどと誇張されるのにはそれなりの理由があるだろう。

 そこで「狸の金玉」と入力して検索してみるとこんな記事がヒットした。

“実際にはタヌキの金玉は小さく、人間の小指の先程しかないという。むしろ哺乳類の中でも小さい部類らしいのだ。”

“タヌキが座ったときに、フサフサ大きなしっぽが股の間からおなか側へはみだしている様子が金玉に見間違えられたという説がある。”

また、八畳敷きの由来は…

“タヌキの皮は耐久性に優れているため、金箔を作るときにタヌキの皮を利用したことに由来していると言われている。
タヌキの皮に金の玉一匁(もんめ)を包んで槌打ちして延ばすと八畳もの広さの金箔ができたという。”

さらには…
陰嚢象皮病(寄生虫による)という、睾丸が頭よりも大きくふくれあがる奇病にかかった人がタヌキのモデルになった。

と、まあ諸説があることをまことしやかに並べ立てている。

 序でに言えば、八畳敷きの8という数字は、所謂「嘘のサンパチ」の8であって、口から出任せの数字は何故か3とか8になることが多いのである。これは私が永年、談合という仕事で多くの話し合いをしてきたが、嘘を吐く奴は何故か3とか8とかの数字を言うのである。これはあまりにもキリのいい数字を言うと疑われると思って、0と5の中間の3や5と10の間の8に偏るということらしい。

 私は若年の折りに諸方の工事現場で飯場暮らしをしたことがある。当時の工事現場には「はつり屋」と呼ばれる職人がいた。

 「はつる」とは「削る」と同義で「斫(はつ)り工」・「斫(はつ)り屋」は、玄翁とノミで不要なコンクリートを削り取る職人である。

 コンクリート打設時のこぼれや型枠締め付け不足によるはらみの処理のほか、配管用の孔あけなどを専門にした。

 最近では、コアマシンで孔を開けたり、電動工具を使用した斫りが多く、電動カッターでコンクリート表面を切ったり削ったりすることも簡単にできるが、当時は全てを人力で行う過酷な肉体労働であった。

 斫(はつ)り屋の親方は、現場の片隅に炉を据えて、コークスを燃料にして斫り鑿を鍛えなおして焼きを入れるのである。そのとき炉に空気を送る道具が鞴(ふいご)で、鞴に使う革は狸をもって最上としたそうである。

 あるとき斫り屋の親方が私に教えてくれた。「狸の金玉八畳敷き」というのは大きな鞴(ふいご)が膨らんだときのことを狸の金玉に見立てたんじゃなかろうかと。私は老練な親方の話になぜか深く納得したのであった。
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ゼクハラもおなべもググる高齢者

2015年09月02日 11時00分38秒 | 日記
 最近、意味が解らなくて検索した言葉が二つありました。
 先ずは「ゼクハラ」です。

 ゼクハラとは、結婚を望んでいる女性が、交際中の彼に結婚への圧力をかけるため、わざと結婚情報誌「ゼクシィ」を彼の目の着くところに置くことだそうです。これをゼクハラ女子というらしい。

 セクハラを始め、パワハラ、モラハラ、アカハラなど、最近では様々なハラスメント・・・嫌がらせ。いじめ。 英語では、苦しめること、悩ませること、迷惑の意。・・・が存在していますがその中でもまだ比較的知名度の低いのが「ゼクハラ」です。 セクハラではなくゼクハラですよ。

 結婚情報誌「ゼクシィ」は付録も充実しているので、女性にとっては良い読み物であり、結婚の予定がなくても購入することが多いそうです。しかし、結婚を考えていない男性からすると、「ゼクシィ」は恐怖の雑誌でしかないのです。男性にとって結婚は責任と覚悟の塊です。 一方、結婚を焦っている女子は少なからず男性に結婚について考えてほしいもの。ゼクシィをわざわざ買ってきて彼の前に置くという行為まではいかなくとも、それと似たような言動をしていても決して不思議ではありません。

 二つ目は「おなべ」です。

 職業上、男装して男性のように振る舞う女性水商売従事者や、女性同性愛者のうち男性的な出で立ちで男性的に振る舞う人に対する呼称。主に「おなべ」「オナベ」と書く。海外では「ヒーフィメール(Hefemale)」という言葉が使われる。レズビアン用語では「ブッチ」「ダイク」などと呼ばれる。尚、「同性愛」を指す「おかま」からの連想により生まれた対義語である為、この言葉がFtM(肉体は女性だが、性自認が男性の性同一性障害者)に向けて使われた場合、侮蔑的なニュアンスを持つ事がある。女性としてのアイデンティティを受け入れているビアンや性同一性障害(FTM,ボーイッシュ)の人らはおなべを嫌がる傾向がある。

 実はこの「おなべ」の女性が会社へ雇ってほしいときたのです。彼女は会社の職人さんと同じマンションでおっぱいパブのホステスと同棲しているそうです。マンションの隣が会社で借りている駐車場で、職人さんたちの集合場所ですから通勤は楽です。それで、一人前のとび職人としてではなくて現場の片付けなど雑用に雇うことにしたのです。見掛けは男だし名前も勇ましい男の名前を名乗っています。

 さて、勤務初日の朝ですが、どうも体調が優れない様子なのでどうしたのかと訊いたら折悪しく「生理」が始まったとのこと。休んでもよいといったのですが、稼ぎたいからと現場へついてきたそうです。仕事を始めてから二時間、10時の一服のときに様子を訊いたら軽い熱中症の症状だったのでその日は休ませたそうです。その後数日は連絡もなく経過しましたが本日再びもう一度チャンスを与えてほしいといってきました。

 真面目に働きたい人には働く場所を提供するのも企業として大切な役割だろうとおもいます。

 最後に、最近もう一つうれしい出来事がありました。職人さんたちが健康診断を受けている診療所の先生から葡萄棚を作ってほしいというお話がありました。毎年、健康診断に来るからしっかりした会社だと思ったということでした。

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