日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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陸前の 松にお金を かけ過ぎた

2013年03月14日 13時21分55秒 | 日記
 岩手県陸前高田市の名勝「高田松原」の約七万本の松のうちでたった一本だけ東日本大震災の大津波に耐えた、所謂「奇跡の一本松」は、震災直後から復興のシンボルとして、市民のみならず、全世界の人々から親しまれてきた。

 しかし、この一本松は、大地震による地盤沈下で海水がしみ込み塩分過多の状態となり、徐々に衰弱が進んで枯死してしまった。

 そこで、地元の陸前高田市では今後も復興のシンボルとしてこの一本松に人工的な処理を加え、モニュメントとして保存することとなった。

 2012年9月、立ち枯れていたため、モニュメントとして保存するためにいったん切り倒される。

 2013年2月12日、基礎となる幹の一部を元の場所に立て直す工事が始まる。

 2013年3月6日に「奇跡の一本松」は元の場所に復元された。ところが8日になって、市と業者が切断前の写真と比較したところ、枝葉が大きく傾いていて、幹に差し込む接続部分が曲がったまま固定されていたことが判明した。

 このため市は枝葉を取り外し、作業をやり直すことにしたが、新しく枝葉を作って付け替えなければならず、完成までには時間がかかる見通しで、市は今月22日に予定していた一本松の完成記念式典を延期した。

 奇跡の一本松を人工的に復活させる為に莫大な費用をつぎ込む事と、復興の為に除染や住宅を建設する事では、どちらが被災地の方の為になるのか。「奇跡の一本松」の復元は美談か茶番か。地元ばかりかネットの世界でも今このことが話題になっている。

 陸前高田市では1億5000万円もの復元費用について、税金は使わず、募金で賄いたいとしている。それは、被災地の課題が山積しており、保存に多額の予算は投じられないとの判断からという。
 
 市は、2012年7月5日に「奇跡の一本松保存募金」のサイトを立ち上げ、フェイスブックからも募金の受け付けを始めた。

 ネット上では、被災者が未だに避難生活を続けている中で、一本松の保存に多額のお金を投じることに疑問の声が多い。
「さすがに高すぎだろ…」「もっと他に金をかけるとこがあるのでは?」といったものや、石碑やレリーフなどで代用できるのではないかという意見も多かった。

 また、一本松の接ぎ木で苗が育てられていることから、こうした試みで十分ではとの声もあった。もっとも、「観光のシンボルにして町興ししようとしてるんだろう」などと理解する向きはある。

 美談か茶番か?批判を覚悟で敢えて私見を述べさせていただくとすれば私は大いなる茶番であろうと思う。

 復興のシンボル・・・観光のシンボルとして多額の金をかけたとしても、まず地元の旅館やホテルなどの観光産業が復興しないことには観光資源としての投資効果も生まれてこないだろう。金を使う優先順位が間違っているのではないだろうか。

 ちまちまと一本松のレプリカなんかを建てるよりも、先ずは沈下した地盤の嵩上げを行い、接木の苗を育て、他所からの苗木を集めてでも「高田松原」7万本の松林を復旧することを考えるべきではなかったのか。

 
コメント (2)
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好物は 胡桃ゆべしと ずんだ餅

2013年03月13日 10時07分32秒 | グルメ
 デパートの催事場といえばバーゲンセールということになるのだろうが私は一度も行ったことがない。私がよく行くのは各地の物産展というやつである。

 「沖縄物産展」「九州物産展」東北、北海道といろいろ開催される。先日は「東北物産展」というのが開催されていたので覘いてみた。南部鉄器や樺細工、琥珀などの展示を興味深く見たが、なにしろこうした物は値段も安くはないので、そうそう手軽に買えるものではない。

 庶民の懐にも優しい買い物といえば食べ物である。笹かまぼこ、南部せんべい・・・と、いったお店の中に「ずんだ餅」と「胡桃ゆべし」の売店があった。

 ずんだ餅(ずんだもち)は、南東北を中心にした地域の郷土菓子の一種で、東北方言では「ずんだもづ」「ぬだもづ」などと発音される。

 枝豆を茹で、薄皮を剥いて潰し、砂糖を混ぜた餡が”ずんだ”である。

 搗(つ)きたての餅を小さくちぎり、ずんだ餡をまぶしたのがずんだ餅である。くるみ餅、ごま餅などとあわせて三色餅として用いることが多い。仙台や塩竈(しおがま)には、枝豆の季節になると、ずんだ餅を食べさせる店もあるが、一般には客をもてなすときなどに家庭でつくられることが多い。

 ずんだ餅は餅と共に餡にも水分を多く含むため長くはおけず、餡が乾いてしまうと餅も固くなり、風味が落ちる。

 今回、この稿を書くにあたり下調べしていたところ、信州の諏訪地方を中心にして「のたもち」あるいは「ぬたもち」と呼ばれる郷土料理があることを知った。会社の事務員さんに岡谷市出身の女性がいるので訊ねたところ子供のころに食べた記憶があるそうだ。

 餅の部分は、うるち米ともち米を合わせたものを半殺しにする。その形は地方や家庭によってさまざまだが、お椀に盛りつけるほか、おにぎり型にすることもある。また、枝豆の餡(あん)の味についても、各家庭の好みがあり、甘みが強かったり、甘みがなくて塩味が効いていたり、酒やみりんを入れたり入れなかったりとさまざまなようである。

 数年前に雪の青森で事故死した仙台在住だった友人がレトルトのずんだ餅や牛タンを送ってくれたものである。ずんだ餅にはそんな思い出もあって物産展でみれば必ず買ってしまうのである。

 もうひとつの買い物は胡桃ゆべしである。

 仙台ゆべしなど、東北地方のゆべしには柚子が入っていない。柚子の産地から遠く、材料として使われにくかったからである。また、胡桃を入れるが、これは胡桃が材料として入手しやすかったからである。その良質で豊富な油脂分(江戸時代以前はクルミは山村にとって貴重な蛋白源と脂肪分でもある)のためか店頭では「油べし」と表記されることもある。
 
 味付けは醤油ベースであり、砂糖・黒砂糖の甘みにより、甘いものになっている。東北地方のゆべしは、本来の柚子の菓子ではなく、餅菓子となっている。

 羊羹を食べるときのように、適当な大きさに切り分けて一服の抹茶と一緒にいただいたのだが、実に香ばしくて美味であった。




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