日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
人生を大いに楽しむために言いたい放題、書きたい放題!!
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メルトダウンと政権延命の相関関係。

2011年05月16日 08時23分34秒 | 日記
東電福島第一原発1号機においては大震災の直後から原子炉の冷却機能が失われ、地震から約5時間後の3月11日午後7時30分ごろには燃料の損傷が始まり、16時間後の翌12日6時50分ごろには大部分の燃料が原子炉圧力容器の底に溶け落ちていたとの暫定評価を発表した。

このブログでも何度か書いたことがあると思うが、メルトダウンを起こしていないか否かという最も大切な事項を確認するのに何で2ヶ月以上もの時間を必要としたのかというのが大きな疑問である。

今中哲二京都大学原子炉実験所助教の話として新聞に載っている記事によれば、東京電力や経済産業省原子力安全・保安院は当初、希望的観測ばかり説明していたが、避難指示がすぐに拡大されていった経緯を考えると、炉心が完全に溶融していることは当時から分かっていたのではないかとしている。

折りしも5月15日には計画的避難区域に指定された福島県5市町村のうち、飯館村と川俣町で、計画に基づく初の避難が始まった。もし仮に政府が当初からメルトダウンの事実をありのままに公表していたとしたら恐らく福島原発周辺地域ではパニック状態になっていたであろう。

もういう観点からしたらこれまでも行われてきた情報操作ということも混乱を避ける意味において必要悪なのかもしれない。

一方、菅総理の政治判断で運転停止に追い込まれた中部電力浜岡原発の4、5号機は予定通り冷温停止状態になったのだが、停止作業中の14日午後4時30分ころ5号機の「復水器」の内部に海水が流入するトラブルがあったと中部電力は発表した。

浜岡原発では幸いにも大事に到らなかったからよかったものの、原子炉やその付帯設備が想像以上に脆弱であることがよく判る。

菅総理が中部電力に対して行った停止要請について、世論調査では「評価している」が66.2%に達しており、首相退陣論は後退していると言うのだから政治的パフォーマンスだといって簡単に見過ごすことは出来ない。結果として内閣支持率も微増しているようである。

「一寸先は闇」という政治の世界のことだから、まさか浜岡原発を止めたからといってただそれだけで政権延命が出来るとは思わないが、この次に菅総理は一体どんな手を打つのか興味深々である。
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誤算だらけの原発事故処理。

2011年05月14日 08時56分49秒 | 日記
東電福島第一原発の事故処理は1号機がメルトダウン(全炉心溶融)を起こしていたことが判明したことで工程表の大幅な修正を迫られることとなった。

この工程表は元々から楽観的過ぎた。
一番肝心なメルトダウンの有無も確認しないままで前に進もうというのは単なる蛮勇に過ぎない。

原子炉全体を「水棺」にするという計画も原子炉建屋の構造計算や水素爆発に伴う損傷が詳しく検討されたのかどうか疑問が残る。つまり、格納容器の容量だけでも6,000トンもあるというのだ。

原子炉本体や使用済み燃料プールの重量に加えて、更に6,000トンもの水の重さを加えたときの原子炉建屋の耐震性などは建設当時の構造計算に反映されているとはとても思えない。それこそ「想定外」であろう。

東京電力に隠蔽体質があることは既に判っているのであるから、原子力安全・保安院は東京電力の発表を鵜呑みにするのではなく厳重なチェックを行うべきである。
事故発生後二ヶ月以上もしてから実はメルトダウンしてましたなどというのでは安全・保安院の名前が泣こうというものだ。

先ず、現状を的確に把握すること。

情報を隠蔽しないこと。

圧力容器や格納容器の破損状況を精確に把握すること。

再臨界などの二次災害を起こさないための対策。

漏水箇所の特定と止水のための対策。

言うは易く行うは難し。
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単純な計算・・・福島原発の奇奇怪怪。

2011年05月13日 08時20分28秒 | 日記
東京電力は福島第一原発1号機で所謂「メルトダウン(炉心溶融、炉心融解とも)」が起きていることを公式に認めた。圧力容器の底に溶け落ちた燃料の熱で配管の溶接部が溶けて複数箇所に穴が開き、合計すると直径数センチの穴に相当することを明らかにした。

事故発生後既に2ヶ月を経過し、この間に日夜続けられた注水作業で原子炉内に注ぎ込まれた水の量は10,000トンに上るという。
一方、圧力容器は直径約4.8メートル、高さ約20メートルのカプセル型で容量は約360立方メートル(水量換算約360トン)であり、それを納めるための格納容器の容量は凡そ6,000立方メートル(水量換算約6,000トン)であるとされている。

ここで素人の私には大きな疑問が湧いてくる。
10,000 - 6,000 = 4,000である。計算に弱い私でもこれくらいの計算は暗算できる。熱で蒸発する水もあるのだろうが、そんなことは素人の私にはわからない。4,000トンもの水を余分に注水しないと漏れているのがわからないというのでは先端技術である原発事故の対応としてはあまりにも大雑把すぎる。私も現役時代には土木技術者としてダムや堰堤のコンクリート打設をしてきたが、打設量の誤差などはほんの数パーセントであった。

東京電力も原子力安全・保安院も10,000トンの水を注ぎ込まないと格納容器が壊れていて水が漏れていることが判らなかったとでもいうのだろうか。つい先だって格納容器ごと水で満たして「水棺」にするという工程表を出したばかりではないか。
しかも、圧力容器や格納容器の中に思ったほどの水位はなくて燃料棒が露出した状態だという。一部の専門家は溶けて溜まった燃料が再臨界を起こす可能性にまで言及している。
だとすると、これまでに注水した10,000トンの水はほとんどが高濃度の放射能汚染水や蒸気となって原子炉建屋内や周辺に漏れ出していたということになる。

下衆の勘繰りかもしれないが、私は東京電力も原子力安全・保安院も早い段階からメルトダウンや格納容器の破損について判っていたのではないかと推察する。東京電力はこれまでにも放射能濃度のデータなど都合の悪い情報を発表しなかったことがありかなり恣意的な情報操作をしているようだ。また原子力安全・保安院に独自の情報収集力はなく全て東電からの受け売りである。
何故そうした重要な情報を小出しにするのかといえば、一つは時間稼ぎであり、一つは政治的な情報操作であると思われる。
つまり、原子力発電所の格納容器はいかなる事態であっても放射能漏れを遮断するという「神話」を守りたかったのであろう。

これでまた「工程表」は振り出しに戻った。避難生活を続けている方々や新たに避難しなければならない方々のことを考えるとやりきれない気持ちで一杯になる。
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地震確率84%は正しいのか?

2011年05月12日 10時04分06秒 | 日記
菅総理が中部電力に対して浜岡原発の運転停止要請の根拠としたのは、国の地震調査委員会(阿部勝征委員長・東京大学名誉教授)がまとめた「東海地震の30年以内の発生確率は87%」という長期評価である。

(以下はウィキペディアより引用)

石橋克彦氏(当時:東大地震研究所)の「東海地震説」が発表されてから30年以上が経過したが、現在でも東海地震は発生していない。石橋説の趣旨はあくまでも、1944年の東南海地震では動かなかった駿河湾付近のプレート境界が、1854年の安政東海地震や、1707年の宝永地震では動いたことを明らかにしたものであって、次の東海地震の発生時期予測に関する確証は石橋自身も持っていなかった。発生時期に関しては「明日起きても不思議ではない」という言葉がマスコミで強調されたが、当時の石橋が一般向けの説明に使ったのは、「五十三枚のカードを三年に一枚の割合で四十一枚までめくったが、まだジョーカー(大地震)が出ていない。残りは十二枚しかないから次に出ても少しも驚くにはあたらないが、最後まで出ないこともありうる」というトランプのたとえだった。

駿河湾だけ単独で東海地震が発生した過去の記録は無いため、21世紀半ば~後半に発生すると予測されている次の東南海・南海地震と連動して起きるのではないかとの説は1970年代からあった。1976年8月23日の第34回地震予知連絡会会合で浅田敏(当時:東大教授)は、「部会各委員によると、駿河湾は独立で地震はおこさないという意見もあり、そうだとするとつぎの地震は100年後かもしれない。10年以内に地震がおこるか、100年後かをいまのところ地球物理学的には決定できない」と報告していた。しかし、もしかしたら東海地震だけが明日にも単独で発生する可能性は否定できないと言うことで対策が進められてきた。

石橋克彦氏は、『静岡新聞』2006年3月27日付掲載のインタビュー「東海地震説に『間違い』」で、1976年時点における東海地震の切迫性が過大評価だったことを認めた。ただし、これは東海地震の発生の細かいメカニズムと発生時期の予測、特に“1940年代に東海地震だけ発生しなかったので、東海地震はいつ発生してもおかしくないはず”という理論についての見直しであって、東海地震そのものを否定する考えではない。石橋は、直後に自身のホームページを通じて、「この記事は私の見解を正しく伝えるものではありません。不正確な内容、センセーショナルな見出し、大きなスペース、掲載位置によって、私の本意と懸け離れた記事になっています。」「東海地震の切迫性は依然として否定できず、これまでの取り組みは今後も一貫して続けていくべきものですから、この記事は『誤報』とさえ言えます」とコメントした。その上で、「1976年時点での解釈が、結果的に間違っていたことは明白です。この点を私は認めますが、むしろ、認めるまでもないことです。」「30年前に、発生時期の予測が困難なのに東海地震の切迫性を強調したのは不適切ではないかという批判があるかもしれません。しかし、(中略)大自然の理解がまだ極めて不十分な私たちにとっては、限られた知識で危険性が考えられれば、それを共有して備えるべきだ(観測・調査・研究の強化も含む)というのが私の持論です。30年間地震が起こらなかったというのは結果論であり、幸運だったというべきでしょう」と書いている。(引用ここまで)

私は地震学者でも占い師でもないから東海地震が何時起きるのか全く判らない。しかし、これだけ多くの権威ある先生方が高い確率で予想しているのであるからいずれは間違いなく起きるのだろう。

私が一つだけ不思議に思うのは、これだけ多くの権威ある先生方がおいでになるのにもかかわらず、今回の東日本大震災が何の前触れも無く襲ってきて、しかも悲惨な原発事故がすべて「想定外」という言葉で簡単に片付けられようとしていることである。
そういう目で見ると、浜岡原発だけが地震確率84%のダントツで他の原発は東北電力・女川原発8.3%、北海道電力・泊原発0.4%、中国電力・島根原発0.0%、四国電力・伊方原発0.0%、九州電力・玄海原発0.0%等々という地震確率が果たして信頼できるものなのかどうなのか大いに疑問を持つものである。
そういえば今年1月の時点では東京電力・福島原発の地震確率も0・0%だったようだ。
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東日本大震災から二ヶ月。

2011年05月11日 11時11分06秒 | 日記
東日本大震災は今日で発生から丁度二ヶ月が経過する。
大震災に因る死者・行方不明者の総数は24,829人というが、未だに9,880人が行方不明となっている。
行方不明者の方々の多くは、津波の引き波によって沖へ流されたものと思われるが、瓦礫の中や流された自動車の中から発見される遺体もあるという。
最も痛ましいのは福島原発の避難地域に指定されたために十分な捜索が行われなかった地域があったことである。

仮設住宅の建設は用地の確保など最初から難しい問題を抱え十分な戸数が確保されていない。避難所での生活者はピ-ク時の四分の一程度に減ったが、未だに117,000人もの人たちが不自由な避難生活を強いられている。いまさら政府の対応を批判し、総理のリーダーシップの欠如を詰っても仕方が無いのかもしれないが、これが日本という国の実力だとしたら少しばかり情けない気持ちである。

地震と津波の被害だけならまだしも、東京電力福島原発の事故は今もって収束の目途が立っていない。水素爆発を起こした内部の放射能汚染は想像以上に深刻なようで、原子炉の温度も依然として下がっていない。当初に発表された東電の工程表は最初の段階でもう足踏み状態のようである。

大震災の発生以来、テレビや新聞などで色々な報道を見てきたが、一番嬉しかったのは海に流された民家の屋根にいた犬が助けられた場面である。私は理屈ぬきで犬が好きである。

私が感動したもう一つの場面は、昨日、福島県川内村へ一時帰宅した74歳の酪農家のお爺さんがとった行動である。お爺さんは自分が逃げるときに放した10頭の牛のことだけを心配していた。お爺さんは制限時間のすべてを使って牛の餌の世話や牛小屋の掃除や片付けをしたのである。そして時間が来ると自分の物は何一つ持ち帰ることなく笑顔で送迎バスへ戻ってきたのである。お爺さんも生活のために牛を飼っていたのであろうが、生き物に対してはいかなる事態においても感謝の気持ちを忘れてはならないのである。優しさを失ってはならないのである。一刻でも早く原発事故が収束してお爺さんと牛が再会できることを願わずにはいられない。
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浜岡原発の運転停止だけでは意味が薄い。

2011年05月09日 14時52分14秒 | 日記
中部電力浜岡原発を運転停止するという菅総理の突然の発表には正直言ってびっくりした。
中部電力本体のことは兎も角も、地元自治体や原発関連企業で働く多くの人たちの雇用や経営にどこまで配慮した発言なのか皆目見当がつかない。
意地の悪い見方だが政治的なパフォーマンスだとみられても仕方が無いだろう。

川勝静岡県知事は直ちに総理の英断であるという肯定的なコメントを寄せたが、運転停止だけでは根本的な危険回避にはならないというのが素人の私の見方である。
なぜなら、浜岡原発には既に廃炉を決めている1,2号機にも多くの使用済み燃料棒を貯蔵しているからである。

東電福島原発の事故でも運転停止中の原子炉で使用済み核燃料の冷却機能が壊れて放射能を撒き散らしている。運転を止めても使用済み燃料棒を処分しない限り地震や津波による原発災害から完全に免れることが出来ないのである。

電力会社は営利を目的とする民間企業である。運転を止めれば原発で働く人員を大幅に削減するだろう。そこへ不測の事態が発生したとしても使用済み或いは使用中の格燃料棒の冷却機能を維持するだけの十分な人員を常時配置できるのかが心配である。

一昨年の地震のときに緊急停止した3号機は、地下の地層に軟弱なところがあって地震の揺れが増幅されたとか言うのが当時の説明であったように記憶している。私の記憶も曖昧だから聞き違いであればよいのだが、もし当時の説明が事実であるとすれば地下深くの地盤などは改良の方策も限られているのではないかと心配される。

運転停止している間に、地震・津波対策を施して運転を再開するのか、或いはそのまま全面的に原発廃止に向かうのか、これからの動向が大いに気になるところである。
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日本政府は憲法をまもれっ!!

2011年05月02日 14時13分59秒 | 日記
全国の世論調査で菅総理は「リーダーシップを発揮していない」と答えた人が76%もあったそうだ。残る24%の人が「発揮している」と答えたわけではないようだから、ほとんどの国民から支持されていないことは明白である。
これは一般の国民だけに限らず都道府県知事へのアンケート調査でも6割を超える知事が大震災への対応を不十分だと否定的な評価をしているようである。

震災対応の政府組織が20も乱立して混乱しているとの批判を受けて近く整理することを表明したようだが、いずれにしても政治主導は掛け声ばかりで菅総理の周辺には政策提言が出来るような人材に欠けているようだ。

その典型的な例が、原発事故対応の知恵袋として内閣官房参与に起用した小佐古敏荘東京大学大学院教授の辞任劇である。
当代随一の学者として起用した内閣官房参与から「法律などを軽視しその場限りの対応」と涙ながらに訴えられたのでは菅総理も形無しである。

枝野官房長官の発言などでは小佐古教授は放射線医学の専門家ではないようなニアンスであるが、小佐古氏の履歴を客観的に見れば、小佐古氏が、線量計測分野、特に放射線の人体に与える影響の研究に関する国際的権威であることがわかる。都合の悪いことは聞こえないふりをしているのはむしろ政府の方ではないかと危惧されるところである。

詳しいことはわからないが、福島原発の原子炉格納容器の弁を開けて放射性物質を含む蒸気を排出した緊急措置「ベント」が、原発敷地内で働く一部の作業員には知らされていなかったことが東電社員の証言で明らかになっている。

また、放射能汚染水の海への放流も緊急避難とはいえ元々法律に違反している行為のようだ。

つまり、菅総理が自分の責任として汚染水の放流を許可したのなら兎も角、誰の責任とも判らない違法行為が公然と行われていることに小佐古教授は警鐘を鳴らしてくれたのだと私は教授の見識に深く感謝している。

そして日本政府には何よりも先ず、日本国憲法第25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を被災地の皆さんから奪わないようにお願いしたいものである。
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