シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

「ロング・エンゲージメント」・・あまりにもしんどいもの、それは戦争・・

2005-03-21 00:09:59 | Weblog
人間はこんなにも戦いの歴史を繰り返しているのに、今なお、やめることなく地上のどこかに戦闘地域が存在している。この「ロング・エンゲージメント」はR-15に指定されているようだけど、ひょっとすると若い子供たちのほうが見るべきなのかもしれない。

見る前は、なんで、愛の奇跡を描いているこの作品がR-15指定なのか、さっぱりわからなかったけど、よくわかりました。ものすご~~く戦闘シーンが残酷でリアルだからだ。でも、だからこそ、これが現実なんだってことを見るべきなのかも・・

ジャン=ジャック・ジュネとオドレイ・トゥトゥは大ヒット作「アメリ」のコンビ。
ふたりがまた組んだ作品が、今日見てきた「ロング・エンゲージメント」

「アメリ」的なしゃれたものを期待していった私たちは「ガイ~~ン」

しょっぱなから超へビーな戦場の描写に「ううう」

ストーリーは、オドレイ扮するマチルドが戦死したとされる婚約者の死をどうしても信じられず、彼の行方を追う展開だ。なんか岸壁の母みたいだが、彼女は直感を信じて彼が生きている証を見つけようとする。

映像は全編ほぼセピア色で、本当に美しい。
でも描いている世界はまさに地獄。
これが本当に戦争で起こっていたことなんだ・・

つい最近NHKで東京大空襲から60年のドキュメンタリーをやっていて、60年という年月がたっても多くの人の心に恐怖と悲しみを残していることに肉体レベルでのショックを感じたところだったので・・(あまりにもきつく、その夜は悪夢だった)

でも、人は戦争をやめない。なぜなんだろう?

「ロング・エンゲージメント」は戦争に巻き込まれた人々の様々な地獄を描きながら、愛のもっている力に希望を見出す。

とってもしんどいんだけど、見る必要がある・・思っていたようなこじゃれた作品とは違ったけど、でも多くの人が見て「戦争は絶対だめ!」って再確認できるんじゃないかな。

ちょい役(といっても結構大事な役だけど)でジョデイ・フォスターが出演してて、流暢なフランス語を話していたのにはびっくりしました!