シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

当時珍しかったスウェーデン映画「ひとりぼっちの天使」

2005-03-29 21:46:22 | Weblog
70年、ヤール・キューレ監督作「ひとりぼっちの天使」はスウェーデン映画。
監督のヤール・キューレは巨匠、イングマル・ベルイマンの作品で男優として活躍していた人物。

公開当時、渋谷の東急レックスで見ました。今、もうなくなっちゃいましたが。
母と妹と一緒に見たけど、3人とも中盤からオンオン泣きっぱなし。

大臣を父に、小児科医を母に持つ少年、マッツは7歳(くらい)。とって~~~も、かわいい。
ブラウンの目がぱっちり、ブラウンのヘアも可愛く、この子のこの可愛さがまた涙をそそる。

マッツは多忙な両親にあまりかまってもらえず、ベビーシッターのネンナにべったり。
ネンナはたぶん20代後半か、30代前半の女性で、母性的な優しさに満ちている。ただただ優しいわけではなく、子供同士のようにマッツと遊ぶし、いろいろなことを教えてくれる。

彼らの遊びのシーンで、スウェーデンの美しい森などがでてくる。
野いちごをつみにいったりね。野いちごをつむときは歌を歌うのよ、とネンナは教える。
そして、どこかの国では連れ合いが亡くなると、残された者は焼身自殺をして後を追うなんて話もする。

そんなある日、ふたりが湖に遊びに行ったとき、目の前でボートが転覆。乗っていた少年が溺れそうになる。ネンナはあっという間に服を脱ぎ、少年を助けに泳いでいく。
しかし・・

待っていたマッツのもとに帰ってきたネンナが再びその目を開けることはなかった。

溺死したネンナ、死体安置所に行き、じっと見つめるマッツ。彼はネンナの話を覚えており、手にしたマッチをすり、自殺を図ろうとする。でも、そこは子供。すぐに「アチ!」と悲鳴を上げ係員にマッチをとりあげられてしまう。

もう、このあたりからたぶん観客のほとんどは涙、涙・・

でもね、この映画の良いところは、ただただ悲しいだけではなく、マッツの精神的な自立を描いているところ。ネンナの死のあと、両親と決裂、近所の心優しい中流家庭で生活をすることを選ぶ彼。そこの夫婦の奥さんは足が不自由で、マッツは彼女の車椅子を押し、介助するのだ。

わずか7歳で自分の人生を選び取っていくマッツ。
たいしたもんだ~

この映画、すごく素晴らしいのに、ビデオも出ていない!!
音楽も素晴らしいのにな~サントラ持っていましたよ。

こういうビデオ化もしていない素晴らしい作品ってまだまだありますよね~
どうやったら、出してもらえるのかな~
誰か良いアイディアないですか~~~???