シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

幽霊はいつもロングヘアー・・「リング」

2005-03-27 21:49:31 | Weblog
98年の日本製ホラー映画「リング」中田秀夫監督作。鈴木光司による原作もすごく売れたらしい。

これはテレビ放映で見ました。その前に知り合いが原作を読んだ感想を言っていて「字面を追っていて、あんなに怖いと思ったことはなかったわ」などと言っていたので、「ふ~~ん」と思っていた。でも、どうせ、大したことなっかぺと思っていた。

そこで余裕綽々でテレビを見たんだけど・・いや~私の苦手な怖さだったんだよね。
人によって笑いや恐怖のツボって違うけど、この「リング」の描写のスタイルは私にとってのツボだったってことかな~

いやだな~と思ったのは、あの呪いのビデオを見た人間を写すと写真の中の顔のちょうど目のあたりが、ぐんにゃ~~と変にぶれるところ、それから真田広之が街中でベンチに座っているとすごく邪気を感じて(つまり貞子が近づいてくる気配)「お前か・・」と緊張で全身が固まっているときに画面に入ってくる白いパンプスをはいた変に細い足のところ、それと貞子の呪いで死んだ人間の顔、あれが一番いやだった。

目をむき、口が極限まで開いた顔、監督の演出で、とにかく口を目いっぱい開けることを要求され、女優さんは口の端が切れたらしい。

最後は貞子がテレビからニョキニョキ出てくるんだけど、顔のアップが一度だけ映る。といっても片目だけ。この目がいや~~~~。睫毛を抜いて人間らしさを無くしているらしいんだけど。

ストーリーは呪いのビデオを見た者は、きっかり1週間後に怪死するというもの。
ありそうでなさそうで、ありそうで・・てな感じがいいんでしょうね。

中田監督はこの映画の前に「女優霊」ってのを撮っていますが、両方見ると「幽霊」の描き方に変化があるのがわかって興味深い。女優霊では幽霊がモロ顔出しで、しかも結構丸顔。ちょっとね~でも、共通点ももちろんあって、どちらもロング・ヘアー。
ショートヘアーの幽霊ってあんまりいないね~
きつくパーマをかけた幽霊ってのもいない。パンチパーマとかおばさんパーマとかの幽霊もおりません。
たいがい、長い髪でまっすぐ・・これって恨みがましいイメージなのかな。

大昔の幽霊画のイメージが今だに生きていて、これが日本人の恐怖のひとつの原点にもなっているのかもね。

それから、この「リング」のいや~な感じをつのらせている要素は音。終始「ゴ~~~」っていう音が流れていて居心地の悪い不快感、不安感にどっぷり。

真田さんはなかなかいい味だしてます。でも松嶋奈々子はね~何回見ても見事な大根ぶりぶりです。

こんなに怖かった「リング」ですが、そのほかの関連商品「らせん」「ザ・リング」「リング0バースディー」はまったく怖くありませんでした。残念~~

この文章を書くのに製作年数を見ようと映画の検索サイトに「リング」といれたら、リングとついた映画名がジャンジャン登場。傑作だったのは
「ヌード・オブ・ザ・リング」というエロ系のパロディ映画の3部作のタイトル。
「王の股間」「2つの魔羅」「魔羅の仲間」
これには笑えました