ついに死刑判決。
私は手を合わせた。
元少年に対して、亡くなった母子に対して。
私は、オウム真理教事件で死刑が確定した人たちに対しても、手を合わせてきた。
秋田の畠山被告については死刑を回避できるように願っている。
そんなことする必要はない、という人だっているだろう。
あいつらは許されないことをしたんだ、こうなって当然だ、と言う人もいるだろう。
だけど、許せないことって、何?
勉強に追われていた人は、あんまりぼーっといろいろ考える時間はなかったかもしれないけど。
許せないことって何だろう?
正義って何だろう?
社会的ルールって何だろう?
常識って何だろう?
罰って何だろう?
などと考えたら、今いる自分の場所を客観的に眺められるかもしれない。
結局、正義とか正しいことだとか思われているのは、基本的に
「ある組織を維持するために適した価値観」ではないだろうか。
「ある組織集団を継続維持していくために不適切な方向性を排除することが正義」と言ってもいい。
そんなものだ。
べつにそれがいいとかわるいとかいう話ではない。
正しいこと、を信じられる人は、「ある組織」の中で生きている。
弁護士さんとか裁判官さんとか、公務員の人は、社会組織の中で生きている。
彼らは、根無し草の、世捨て人の、旅人ではいられない。
旅人は予言する。
いつか、「ある組織」が崩壊することを。
そして、また別の組織が混沌の中から生まれてくることを。
混沌の中には善も悪もなく、ただ化学的、物理的な反応があるだけだが、組織の中には善と悪が発生することを。
そして、また何かを排除し、否定する。
善とか悪とは、そういうはかないものだっていう認識が弁護団の人にはなさそうだ。
弁護士の人たちはべつにフィロソファーというより一種のエンジニア。
被告が有利になるようにがんばるのはいいけど、下手に理屈をこねはじめると、自分でそこにつまずいてしまう。
安田弁護士は、私の尊敬している人も高く評価しているのだが。
フィロソファーという点では、本村さんの方が上だったのではないだろうか。
いつか、本村洋さんの9年間をしっかりと分析した研究が行われるのではないだろうかと思っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080422-00000006-maiall-soci
■<光母子殺害>元少年に死刑判決 裁判長は新供述「不自然不合理」、情状「斟酌する理由みじんもない」
4月22日12時27分配信 毎日新聞
光母子殺害事件の差し戻し審が開かれた広島高裁302号法廷=2008年4月22日午前9時55分、代表撮影
山口県光市で99年4月、母子を殺害したとして殺人と強姦(ごうかん)致死罪などに問われた当時18歳の元少年(27)に対する差し戻し控訴審の判決公判が22日午前、広島高裁であった。楢崎康英裁判長は「強姦の目的や計画性も否定できない」として、求刑通り死刑を言い渡した。元少年が差し戻し審になって新供述を展開したことを「不自然不合理」とし、弁護側が主張した情状面について「斟酌(しんしゃく)する理由はみじんもない」と述べた。
【関連写真特集】 光母子殺害事件、元少年に死刑判決
最高裁は06年6月、高裁が認めた情状酌量理由を「死刑を回避するには不十分」として1、2審の無期懲役判決を破棄し、高裁に差し戻した。
判決によると、元少年は99年4月14日、光市のアパートに住む会社員、本村洋さん(32)方に排水管検査を装って上がり込み、妻の弥生さん(当時23歳)を強姦目的で襲い、抵抗されたため手で首を絞めて殺害。泣き続ける長女夕夏ちゃん(同11カ月)を床にたたきつけた上、首にひもを巻き付けて絞殺した。
元少年は差し戻し審の公判で、弥生さん殺害について「甘えたい気持ちで抱きつき、反撃され押さえつけたら動かなくなった」とし、夕夏ちゃんについて「泣きやまないので抱いてあやしていたら落とした。首を絞めた認識はない」と述べた。
供述を変えた理由については、「自白調書は警察や検察に押し付けられ、1、2審は弁護人が無期懲役が妥当と判断して争ってくれなかった」とした。
判決は「弁護人から捜査段階の調書を差し入れられ、『初めて真実と異なることが記載されているのに気づいた』とするが、ありえない」と、元少年の主張を退けた。
また、弥生さんの殺害方法について元少年が「押し倒して逆手で首を押さえているうちに亡くなった」としたのに対しても、「不自然な体勢で圧迫死させるのは困難と考えられ、右手で首を押さえていたことを『(元少年が)感触さえ覚えていない』というのは不自然。到底信用できない」とした。夕夏ちゃん殺害についても、「供述は信用できない」と否定した。
また、元少年が強姦行為について「弥生さんを生き返らせるため」としたことについて、「(荒唐無稽こうとうむけい)な発想であり、死体を前にしてこのようなことを思いつくとは疑わしい」と退けた。
判決は、「身勝手かつ、自己中心的で、(被害者の)人格を無視した卑劣な犯行」と断じた。
1、2審は殺害の計画性の無さや更生可能性を重視して無期懲役を選択。最高裁は強姦目的や殺害方法などの事実認定を「揺るぎない」と判断し、情状面からも「量刑は不当で、著しく正義に反する」として審理を差し戻した。
事件当時、元少年は18歳30日。少年法は18歳未満の被告に死刑を科すことを禁じている。2審の無期懲役判決を差し戻した死刑求刑事件は戦後3例目だが、他の2件は死刑が確定している。【大沢瑞季、安部拓輝、川辺康広】
私は手を合わせた。
元少年に対して、亡くなった母子に対して。
私は、オウム真理教事件で死刑が確定した人たちに対しても、手を合わせてきた。
秋田の畠山被告については死刑を回避できるように願っている。
そんなことする必要はない、という人だっているだろう。
あいつらは許されないことをしたんだ、こうなって当然だ、と言う人もいるだろう。
だけど、許せないことって、何?
勉強に追われていた人は、あんまりぼーっといろいろ考える時間はなかったかもしれないけど。
許せないことって何だろう?
正義って何だろう?
社会的ルールって何だろう?
常識って何だろう?
罰って何だろう?
などと考えたら、今いる自分の場所を客観的に眺められるかもしれない。
結局、正義とか正しいことだとか思われているのは、基本的に
「ある組織を維持するために適した価値観」ではないだろうか。
「ある組織集団を継続維持していくために不適切な方向性を排除することが正義」と言ってもいい。
そんなものだ。
べつにそれがいいとかわるいとかいう話ではない。
正しいこと、を信じられる人は、「ある組織」の中で生きている。
弁護士さんとか裁判官さんとか、公務員の人は、社会組織の中で生きている。
彼らは、根無し草の、世捨て人の、旅人ではいられない。
旅人は予言する。
いつか、「ある組織」が崩壊することを。
そして、また別の組織が混沌の中から生まれてくることを。
混沌の中には善も悪もなく、ただ化学的、物理的な反応があるだけだが、組織の中には善と悪が発生することを。
そして、また何かを排除し、否定する。
善とか悪とは、そういうはかないものだっていう認識が弁護団の人にはなさそうだ。
弁護士の人たちはべつにフィロソファーというより一種のエンジニア。
被告が有利になるようにがんばるのはいいけど、下手に理屈をこねはじめると、自分でそこにつまずいてしまう。
安田弁護士は、私の尊敬している人も高く評価しているのだが。
フィロソファーという点では、本村さんの方が上だったのではないだろうか。
いつか、本村洋さんの9年間をしっかりと分析した研究が行われるのではないだろうかと思っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080422-00000006-maiall-soci
■<光母子殺害>元少年に死刑判決 裁判長は新供述「不自然不合理」、情状「斟酌する理由みじんもない」
4月22日12時27分配信 毎日新聞
光母子殺害事件の差し戻し審が開かれた広島高裁302号法廷=2008年4月22日午前9時55分、代表撮影
山口県光市で99年4月、母子を殺害したとして殺人と強姦(ごうかん)致死罪などに問われた当時18歳の元少年(27)に対する差し戻し控訴審の判決公判が22日午前、広島高裁であった。楢崎康英裁判長は「強姦の目的や計画性も否定できない」として、求刑通り死刑を言い渡した。元少年が差し戻し審になって新供述を展開したことを「不自然不合理」とし、弁護側が主張した情状面について「斟酌(しんしゃく)する理由はみじんもない」と述べた。
【関連写真特集】 光母子殺害事件、元少年に死刑判決
最高裁は06年6月、高裁が認めた情状酌量理由を「死刑を回避するには不十分」として1、2審の無期懲役判決を破棄し、高裁に差し戻した。
判決によると、元少年は99年4月14日、光市のアパートに住む会社員、本村洋さん(32)方に排水管検査を装って上がり込み、妻の弥生さん(当時23歳)を強姦目的で襲い、抵抗されたため手で首を絞めて殺害。泣き続ける長女夕夏ちゃん(同11カ月)を床にたたきつけた上、首にひもを巻き付けて絞殺した。
元少年は差し戻し審の公判で、弥生さん殺害について「甘えたい気持ちで抱きつき、反撃され押さえつけたら動かなくなった」とし、夕夏ちゃんについて「泣きやまないので抱いてあやしていたら落とした。首を絞めた認識はない」と述べた。
供述を変えた理由については、「自白調書は警察や検察に押し付けられ、1、2審は弁護人が無期懲役が妥当と判断して争ってくれなかった」とした。
判決は「弁護人から捜査段階の調書を差し入れられ、『初めて真実と異なることが記載されているのに気づいた』とするが、ありえない」と、元少年の主張を退けた。
また、弥生さんの殺害方法について元少年が「押し倒して逆手で首を押さえているうちに亡くなった」としたのに対しても、「不自然な体勢で圧迫死させるのは困難と考えられ、右手で首を押さえていたことを『(元少年が)感触さえ覚えていない』というのは不自然。到底信用できない」とした。夕夏ちゃん殺害についても、「供述は信用できない」と否定した。
また、元少年が強姦行為について「弥生さんを生き返らせるため」としたことについて、「(荒唐無稽こうとうむけい)な発想であり、死体を前にしてこのようなことを思いつくとは疑わしい」と退けた。
判決は、「身勝手かつ、自己中心的で、(被害者の)人格を無視した卑劣な犯行」と断じた。
1、2審は殺害の計画性の無さや更生可能性を重視して無期懲役を選択。最高裁は強姦目的や殺害方法などの事実認定を「揺るぎない」と判断し、情状面からも「量刑は不当で、著しく正義に反する」として審理を差し戻した。
事件当時、元少年は18歳30日。少年法は18歳未満の被告に死刑を科すことを禁じている。2審の無期懲役判決を差し戻した死刑求刑事件は戦後3例目だが、他の2件は死刑が確定している。【大沢瑞季、安部拓輝、川辺康広】
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