波打ち際の考察

思ったこと感じたことのメモです。
コメント欄はほとんど見ていないので御用のある方はメールでご連絡を。
波屋山人

角倉羊子歌集「ヴェネチアの海」砂子屋書房

2008-09-09 23:51:44 | Weblog
昨日、三軒茶屋のブックオフに立ち寄った。
いつものように105円均一コーナーで何かめぼしいものはないかと見ていた。

古本屋で、歌集とか句集のコーナーというのは寒々しい。
いかにも「自費出版で作りました、人に進呈したけどすぐ古本屋に送られてしまいました」というような印象を受ける。

タイトルを見ても、センスがいいと感じるものは少ない。
同人誌的なタイトルを目にすると、内容のレベルもだいたい想像がつく、と言うと失礼か。すみません。

そんな中で、「ヴェネチアの海」というタイトルの歌集を見つけた。
これまたベタな、と思いながら昨年訪れた彼の地をなつかしく思い手に取った。

ぺらぺらとページをめくってみたら、なんということだ。
あきらかに、レベルが高い。安易ではない。バランスがとれている。

これは、珍しい俳句的な短歌と言うことができる。
情緒よりも構造のバランスが全面に出ている。
なかなか情緒や雰囲気でごまかさない短歌はできるものではない。

この短詩は、その語句の示す構造が見事な調和、バランスを示している。
ごまかしていない。無駄がない。

最初の歌はこれだ。
 
 夢のあとうたいたる碑の文字のうえ楡の若葉の薄あさぎ降る

簡単に構造を読み解こう。

基本的に、「夢のあとうたいたる碑の文字のうえ」と
「楡の若葉の薄あさぎ降る」から成り立っている。

このように言えるだろうか。

「石碑には立派な過去の業績が高らかに記されている。
盛んであったものが今や幻のように静かな状態だ。
石碑の上には日に照らされた若葉が透かされ、光が降ってきている。
きらきらと光る若葉もまた過去の栄光のようになんの圧力もない状態だ」

「夢のあとうたいたる碑の文字のうえ楡の若葉の薄あさぎ降る」を
もう少し細かく分解してみよう。
「夢のあと」→過ぎ去ったもの。リアルであったがまぼろしとなったもの。
「うたいける」→功績や業績などを高らかに記録している。
「碑の文字のうえ」→不動の、直立する記録の上、覆うもの。
「楡の若葉の」→若々しく勢いがあり軽やかであるもの。
「薄あさぎ振る」→木々の淡い色が振ってくる、石碑の文字に重なる。

もっと分解すると、ほんとうに方向性だとか、プラスマイナス、軽重、拡大縮小、濃淡、などといった単純な構成要素を説明することになる。

ほんとうにすばらしい短詩は、この構成要素によるバランス、調和が見事なのだ。
俳句や短歌といった短い詩に興味のある人は、ぜひその句や歌の秘めた構造のバランスに注目してほしい。
芸術とは、そもそもバランス、調和がすべてなのだ。
私はそう思っている。

構造を読み取れない人が、「いい」とか「趣がある」とか表現力のない解釈を行う。

調和とは何か、ということを自分なりに考えたことのある人間であれば、俳句や短歌を学んだことがなくても、ある程度のレベルの短詩を作ることができる。


角倉羊子さんの歌集を手に取った後、もしかしてこんなにレベルの高い詩心が他の句集や句集にも潜んでいるのかなと思っていくつかの歌集や句集を見たけど、やはり多くが新聞の俳句欄短歌欄並みの、構造無視の雰囲気情緒レベルだった。

ネットで検索してもあまり情報が出てこないんだけど、この角倉羊子さんは詩人、歌人としてけっこうレベルの高い人ではないかと思う。
気になる。どういう方なんだろう。


私は基本的にオルタナティブ俳句ロック志向で、歌謡曲的短歌情緒にはあまり関心がない。
短歌関係の編集に携わっている知り合いに、
「俳句っていうのはロック。構造が大事。短歌行っていうのは歌謡曲。情緒に流されている。短歌なんかいくらでも作れるけど、ひらめきが必要な俳句はなかなかできない」
などと言うと、短歌をばかにしているんじゃないかと言って怒られる。

だけど、今回、短歌を少し見直した。こういう短歌もありえるんだと知った。
勉強になりました。ありがとうございます。

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下北沢の大麻堂

2008-09-09 22:17:36 | Weblog
下北沢の麻の実料理「レストラン麻」には行ったことがある。
近くのイタリアンもおいしいんだけど、このレストラン麻もなかなかおしゃれで清潔で、女性が心地よく休めそうな場所。

今日は思い切って「大麻堂」のほうに行ってみた。
ときどき下北沢のオオゼキで夕食の材料を買うことがあるんだけど、そのついでに立ち寄った。

それにしても、オオゼキってどうしてあんなに安いんだろ。
いつも行っている高級スーパーと同じ商品でも何割か安い。
安物ばかりというわけではなくて、高級スーパーでは手に入らない銘柄鶏のハツ(心臓)や新鮮なサトイモや極太のアスパラなどが手に入る。
産地直送のニラも安いし、今日はそれで夕食というわけです。
(レバニラが好きなんだけど、レバーよりもハツが好き。ハツだらけのレバニラって至福。。。)

とにかく大麻堂のある2Fへ向かう階段の下に立ち、「ここ何なんだろう」と見上げるおじさんと女性を横目に、買い物袋を下げたまま勢いよく店内に向かった。

さすがに、レストラン麻とはちょっと雰囲気ちがいますね。。。
何人かの若者がちらほら。
まあ、狙いの「大麻堂とコカコーラがコラボしたガンジャマンコーラ」はすぐに発見できたので、コカコーラのボトルに大麻やガンジャマン?が描かれたシールが巻かれた「ガンジャマンコーラ」を購入。150円。
ついでに麻の実ナッツチョコレートを500円で購入。

店内には、何これ?吸入器?というようなものも売っていたけど店員さんは普通。
よどんでない感じ。さっぱり。

それにしてもコカコーラ社が大麻堂とコラボっておもしろいですね。
たしかコカコーラ社で広報だかなんだかをやっているS君も知っているのかな。

※注
私は違法行為には関わらないことにしているので、大麻・マリファナに手を出したことはありません。
大麻吸引が明らかになって解雇された若ノ鵬のことをかわいそうだと思っていますが、大麻吸引を合法化したほうがいいとは考えていません。。。



大麻堂オーナーの麻枝光一さんのブログより
http://taimadobrog.livedoor.biz/archives/cat_50010493.html
2008年08月03日
ガンジャマンコーラ
このガンジャマンコーラ、全国販売と思った人も多いようですが、実は大麻堂だけの限定販売です。
でも、確かにコラボではあります。大麻堂が作ったデザインを採用し、「ガンジャマン」が登場し、コカコーラのロゴと大麻堂のロゴが並び、費用は全部コカコーラが出すというのだから、立派なコラボだ。もちろん、クーラーは無料です。
(略)
あの多国籍企業コカコーラと、限定的にしても、コラボできることは意味のあることです。


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若ノ鵬(ガグロエフ・ソスラン)が謝罪会見

2008-09-09 21:49:03 | Weblog
朝テレビを見ていたら、大麻吸引が発覚し相撲協会を解雇された元若ノ鵬、ガグロエフ・ソスランが謝罪会見をしていた。
神妙な面持ちで、まだうっすらとほほが赤いように感じられるのは20歳という若さだろうか、白人だからだろうか。
それにしても、いたたまれない。

「すいませんでした。相撲協会、すいませんでした。北の湖理事長、すいませんでした。間垣親方、すいませんでした。日本のみなさん、すいませんでした。これから私は真面目にやります。許してください。よろしくお願いします。すいませんでした」
伏し目がちに何度もすみませんでしたという言葉を吐いている。
取り返しのつかないことになったと理解し、自分の身を投げ出している。
全面降伏状態。

この姿を見て、彼を見下し、馬鹿にし、糾弾し、怒りをもって排斥する人もいるだろうけど、多くの人はこんな状態の彼に鞭打とうとは思わないのではないだろうか。
胸が痛む。

ロシアでは大麻の吸引はそれほど大罪ではない。
世界の中でも日本の大麻規制はかなり厳しい。
20歳のロシア出身力士が、判断の甘さによって一生をだいなしにしてしまうのは惜しい。

若ノ鵬、ガグロエフ・ソスランが相撲や相撲界のしきたりや日本の法律よりも大麻が好きなら大麻をとればいい。国に帰って好きなだけ吸えばいい。
だけど、彼はそれを望んでいない。
大麻、マリファナよりも相撲を選ぼうとしている。

もう解雇されたものは仕方がない。
私が彼であれば、新弟子検査から受けなおし、序の口からデビューしなおす。
序の口から幕内まで、一気に駆け上がる。

相撲協会の偉い方々も、ぜひそのくらいのチャンスは残してあげてほしい。
20歳になったばかりの前途有望な若者に、小さな可能性を残してあげてほしい。


http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/sports/sumo/176838/
■【角界大麻汚染】「相撲取りたい」 釈放の元若ノ鵬が謝罪会見
09/08 20:12更新
大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕され、不起訴処分(起訴猶予)の見通しのため8日、東京地検から釈放されたロシア国籍の元若ノ鵬(20)=本名ガグロエフ・ソスラン=は同日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、「大変なことをしてすみませんでした」と謝罪した。大麻使用は「1人でやった」と強調した上、露鵬と白露山の関与については「2人ともまじめな力士。自分が一番悪い」と述べ、否定した。

▼元若の鵬謝罪会見詳報
・(1)「どうしても相撲戻りたい」
・(2)「謝れば許してもらえると」

 羽織はかま姿で、髪はまげを結わずに乱れたままで会見場に現れた元若ノ鵬は冒頭、「相撲協会、すいませんでした。北の湖親方、すいませんでした。間垣親方、すいませんでした。日本の皆さん、すいませんでした」と頭を下げて謝罪。「相撲を取りたい」と、相撲界復帰への強い思いを訴えた。同席した弁護士は、過去に横綱が拳銃(けんじゅう)所持でけん責となった事件などの相撲協会の処分例を挙げて「解雇は厳しい」と述べ、解雇処分への法的措置を示唆した。

 元若ノ鵬は大麻を14歳のときロシアで初めて吸ったとし、関取になってロシアに帰国した際に再び吸引。日本では今回が初めてだったとした。違法であることは知っていたが、「頭を下げたら許されると思っていた。クビになるとは」と認識の甘さを認めた。

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