イタリアより

滞在日記

パルマにて.その3

2019年06月25日 | パルマ

ピンク色した可愛い洗礼堂


話が前後しますが、ガリバルディ広場から、カヴール通りへ入り、FSの駅方面へ歩いて行くと、ちょうどピサカネ通りと交差する右側、その名称もドゥーモ通りになりますが、大聖堂の広場に行き着きます。前述したとおり、広場とはいうものの、そう大きくはない場所に、三つの建物が肩を並べて立っているので、写真の撮影はちょっと難しかったです。それより何よりカメラのバッテリーが切れそうで、せめてこの洗礼堂の撮影までは残量を保って欲しいとシャッターを切るのも気がきではありませんでした。(実は予備のバッテリー、あの国に取り上げられてしまった…ちょっと怖かったこのお話は後日)


パルマ/洗礼堂内部
素晴らしい装飾にラヴェンナを思い出しました

ここでも口をあんぐり開けて天井を見上げていました


洗礼堂は、キリスト教徒になるための儀式を行うお堂のことで、名前のとおりなのですが、それならば、聖堂や教会内部に作ればいいと思うのだけれど、中世以前のその昔、初期の頃のキリスト教の洗礼は、教会から独立した施設で執り行われていました。有名なところでは、フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に付属するサン・ジョヴァンニ洗礼堂が思い浮かびますが、洗礼堂の内部も聖堂に見劣りすることなく見事な装飾がなされています。サン・ジョバンニ洗礼堂では、当時の富裕層が町の威信と豊かさを誇り、直前に、ペストも流行していたから、この死病から逃れるべく、恐らくこの洗礼堂の造営や管理にはより一層の力を入れたことでしょう。

翻って、パルマの洗礼堂も、12世紀の頃、当時、彫刻で名を馳せていたベネデット・アンテラーミが聖堂内に手がけた石彫の功績を称えられ、洗礼堂の建築を任せられたのでした。彼が考えたお堂のデザインは、ピンクの色をした八角形。今で言うならインスタ映えするといったところでしょうか。近隣の町ヴェローナに求めた薄い桃色の堆積岩で表面を覆い、大聖堂と比べると、明らかに爽やかで洗練された感がありました。へぇこんなにも違うんだと、ここでも聖堂と洗礼堂の雰囲気の違いに感心しながら中へ入っていきました。


大聖堂にあるアンテラーミの彫刻/キリストの十字架降下

この石板もヴェローナの桃色をした堆積岩に彫られています

アンテラーミさんのお気に入りの素材だったのでしょうね


が、ちょっとミステイク。リサーチしていなかった私が悪いのですが、この洗礼堂に入るにはチケットがいるのでした。どおりで、入り口に向かった人が押し並べて踵を返し、洗礼堂から出てきます。皆、入場チケットを所持せず入ろうとしたようでした。私も入り口で、受付の係の人から冷たくあしらわれてしまいました。チケットが必要なら洗礼堂の受付で販売してくれればいいのに、観光客の動線を考えていないのですよねぇ…ブツブツ(最近文句が増えてきた)


洗礼堂の入場チケット売り場

洗礼堂とは真反対にある



「Museo Diocesano」/司教区博物館内
ここで博物館と洗礼堂の共通チケットを購入する



一人8ユーロでした


購入したチケットを、ははぁm(_ _)m と押し頂き、再び洗礼堂へ向かいました。

-続く-



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4 コメント

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かずさん、こんにちは。 (なおこ)
2019-06-25 17:40:19
美しい洗礼堂ですね。まずは外観を見て、その驚くような高さに驚きました。よく考えるとフィレンツェの洗礼堂もたかさがあるのですが、周囲の建物がより高いのでそこまで大きく見えない上、パルマの洗礼堂は、階層がたくさんあるように見える外観から、より高く見えるような。内部の造りも装飾も、イタリアで見かける他の教会関係の装飾と違って独特で美しく、とても興味深いです。

それにしても、せっかく並んだ人が皆きびすを返して入場券を買いに引き返さなければいけない状態なのに、客の方が悪いという対応をするなんて、ひどいですね。もっと分かりやすいように入場券の販売はここと明記した方が、観光客はもちろん洗礼堂の係も楽でしょうに。見る場所と入場券販売所が分かれていると言えば、最近訪ねたオルヴィエートのサン・パトリッツィオの井戸がそうでしたが、かなりはっきりここで買いなさいと分かるように表示されていました。

バッテリーを取り上げたあの国の話が気になるわたしです。せっかく準備していたバッテリーを取り上げるなんてひどい。
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洗礼堂も*二つ (toma)
2019-06-28 23:04:42
八角形プランのロマネスク=ゴシック様式でスリムな建物(1196~1270年)。 地面に近い部分は、3つの扉口と幕面の浮彫*(道徳的あるいは宗教的な逸話や教え)とニッチの彫像類*がアンテラミの作品で、イタリア・ロマネスク彫刻の何たるかを表す重要なものである。(略)リュネットとクーポラのビザンチン風のフレスコ画は、ほとんどが13世紀後半に描かれたものである。(略)洗礼堂中央には、二重の浸礼盤(体全部をつける洗礼盤)(13世紀)と軽くつける洗礼盤。(旅行協会公式ガイドより 抜粋)

kazuさん、今年の旅はkazuさん+新調のカメラで鬼に金棒ですね!
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なおこさんへ (kazu)
2019-06-29 23:18:17
こんばんは。コメントを頂いていてありがとうございます。すっかりお返事が遅くなって申し訳ありません。そうなんですよ。他の洗礼堂と共通するのは八角形くらいで、この洗礼堂は独特の雰囲気がありました。天を突くような高さも内部に入れば感じられて、おまけに素晴らしい装飾は8ユーロの価値ありでした。期待しないで入堂したから余計に感動があったのかも知れません。又、こうした有料チケットを販売する場所は、あちこちどこも似たり寄ったりで、事情の分からない外国の観光客は右往左往することがよくあります。あっオルビエートを訪ねられたのですね。私が行ったのはもう10年近く前ですが、サン・パトリッツィオの井戸はその時はそんな表示はなかったような。少しずつ良くはなっているのですね。彼の国のお話、又聞いて下さいね。後で冷静に考えれば、納得はしたのですが、その時は初めての経験で、ぞーっとしました。なおこさんが目の前におられたら熱を帯びてお話しそうです^^;
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tomaさんへ (kazu)
2019-06-29 23:41:08
tomaさん、こんばんは。メッセージをありがとうございます。わー公式ガイドには、そんな解説があるのですね。どれも成る程と思い当たります。特に洗礼のための水槽は、確かに二重になっていて、どうしてだろうと思いましたが、そうなんですね。身をどっぷり沈めるのとそうでない清め方を、このお堂ではしていたのですね。ありがとうございます。勉強になりました。

ところで、ん?ニューカメラのこと、あれ?。あっもしかして?こちらも知って下さっているのですね(^^)。ペルージャでバスの中に落としたコンデジ、親切な黒人さんに拾われて戻ってきた、私の中では伝説のあのカメラのシャッターが降りなくなってしまって、ついに買い換えなくてはならなくりました。修理に二万円近くかかるかもしれないと言われて泣く泣くでした。ミラーレスとはいえ、やっぱり重いので、旅行に持って行けるか、少々不安です。
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