細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

2012-04-29 09:37:47 | 人生論

しばらく前の土曜日に,長女をバレエの教室に送るときの話。

長女が電車の中で,雨模様の外を眺めながら私に質問してきました。「ねえ,パパ。雨が降ると,その辺の草や花に水がかかってよい,というのは分かるんだけど,人間にとっていいことってあるの?」

うーん,なるほど。私はなるべく簡潔に,雨が降らないとどういうことになるのか,自分の場所だけは降らなくてもいいかもしれないけど,世界中で雨が降らないとどういうことになるのか,を伝えました。

長女はいろいろと感じながら納得していました。さらに練習前にドーナツを一緒に食べながら,「じゃあさあ,雨はどうして降るの?」
これにもきちんと答えておきました。

ところで,前者の質問ですが,これに対する答え,というのは,世の中のあらゆる問題と通じていると感じます。

雨が降ったら困る人もいるでしょう。だからといって,雨はよくないものだ,雨を降らせないようにしよう,ということにはなるべきではない。
見る人によってバックグラウンドが違うから,視野も関心の広さも違うから,答えが変わってきてしまう。

雨,というものはこういう理由で大事なんだ。一部の人には不要に見えるかもしれないけれど。ときちんと説明することは,世の中の複雑なものごとに対しては簡単ではありません。

そのときに,100%分かっている人はほとんどいないと思いますが,分かってもいない人が勝手なことを論じすぎる。評論家(や)が多すぎる。

もっと謙虚に,勉強いたしましょう。