長い時間かかって読み続けているセラティの『陸上競技 チャンピオンへの道』の中で、セラティは馬など速く走れる動物の観察を強く勧めている。
とくに、スピードの変化につれて自在に移り変わっていく四肢の動きに着目すべしと。
同様に馬の歩様を見てスポーツ身体操作の重要なヒントを得たのが、常歩(なみあし)研究会の小田伸午先生(京大教授) である。
小田先生は大学構内を歩いていた馬術部の馬の歩き方から「二軸動作」を感得されたそう。
「ウマのお尻が小さく左右に揺れるのを見てハッとしたのです。ウマの動きの軸は、からだの中心にあるのではなく、からだの左右に二つある、と。
ウマの歩き方を見ていると、右後肢が前に出て、遅れて右前肢が前に出ます。次に、前に出た右の前後肢に引き込まれるようにして、左後肢、左前肢の順で前に出ます。
右後肢→ 右前肢→ 左後肢→ 左前肢 の順に脚を前に出して前進します。
ウマの歩きのバイオメカニクス論文には、同側の肢が後肢→前肢の順に、タイミングをずらして出る動きと書いてあります。つまり、右の前後の肢における同側感覚の動きです」
(『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと 』小田伸午著/大修館書店刊)
たしかに、馬が歩くのを見ていると、微妙にタイミングがずれながら二直線上を進んでいることがわかる。スピードが上がると、また違ったタイミングに変化していき、なかなか複雑である。
競走馬の観察となると競馬場が思い浮かぶが、それだと別目的が主眼となりがちで不向き。やはり、世田谷の東京農大近くにある「馬事公苑」(ばじこうえん) あたりが最適だろう。
ちょうど5月の連休には「ホースショー」が3日間にわたって開催され、馬術大会などで、ゆったりとした歩きから疾走までさまざまな馬の動きを間近に見ることができる他、乗馬体験コーナーなどもある。苑内には出店や子どもの遊び場もあり、家族連れでにぎわう。入場無料。
⇒ 馬事公苑HP
朝、10kmビルドアップ走56分。ラストはkm4分半ペース、心拍158。
夜、あしたのジョー 2」を小5息子と見ながら腰割り、ボールあぐらなど。