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国語のおさらい:絶望的な表現

2023-05-25 06:29:59 | 日記
8つの震度階級

 毎週木曜日は国語をおさらいしています。
今週のテーマは地震の震度を表す「烈震」です。
 連日の様にテレビで地震速報が流れた先週。
日本海側から太平洋側、列島の北も南も揺れました。
 人生初の大地震の体験は昭和30年代後半にあった新潟地震。
柱に掴まる程の揺れで恐怖に打ちのめされましたが、半世紀経ってもその
怖さは消えません。
 一方で大地震に関して姿を消したものがあります。
それが震度を表す表現。
その昔、地震のニュースには「激震」とか「烈震」とかの言葉が飛び交い
ましたが今は全く聞きません。
「烈震」はいったいどうして消えたのか、これが今週のおさらいです。

 テレビや新聞では以前はこう伝えていたそうで。
<震度0は無感、1は微震、2は軽震、3は弱震、4は中震、5は強震、
6は烈震、7は激震。
これら8つの震度階級があった。>(藤沢市 より)
 ところが最近のニュースでは「震度5強の地震がありました」「震度6弱
ですが津波の心配はありません」
烈震などは出てきません。
その理由は分かりにくさだそうで。

12の震度指標

 かつては当たり前の様にあった漢字による震度の表現。
長い間使われましたが理由があって姿を消しました。
 <漢字による階級表現では、「微」や「軽」は重さや容量を表す。
それに対して「強」「烈」「激」はエネルギーの大きさを示す。
更に「無」などは汎用の程度を表す。
これらの用語で一般の人に揺れの大小を感じさせるには無理があった。>
(日経ビジネス より)
それで烈震などの表現が用いられなくなりました。
 確かに「烈震」と「激震」を耳で聞いても瞬時に違いが分かりません。
それぞれを辞書でひけば<激:①勢いがするどく強い ②はなはなだしい 
③速い>
<烈:①激しい ②気性が強く正しい ③焼く・燃やす・あぶる ④輝かしい>
(漢語林 より)の解説が出てきます。
でも読んでも烈震より激震が強いと認識するのは困難です。

 海外で主流の「メルカリ震度指標」の表現の難しさはもっと上をいきます。
もはや芸術的と言いたくなる表現が続きます。
 <1段階は極めて弱い、2が非常に弱い>
次第に表現が高ぶって<9段階になると破壊的、10では破滅的、11では
壊滅的>
 恐ろしい単語が並んだ最後に来るのが<12段階は絶望的>
(気象災害ニュースメディア情報 より)
ありがたくは無いけれど、これは被害の凄まじさがピンとくる表現です。

コメント
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