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国語のおさらい:今週の雑学

2023-05-18 06:29:59 | 日記
昭和の大ヒット歌謡曲

 毎週木曜日は国語をおさらいしています。
辞書をパラパラしていると、ときに違和感を覚える言葉に出くわします。
今週のおさらいは正にそれ。
「めんどり」と「綿ネル」に挟まれた「めんないちどり」、これってかなり
異彩を放っています。

 辞書から転載すると<めんないちどり(めんない千鳥):「めんない」は
「目の無い」の変化。
子供の「目かくし(鬼)」の遊び。>(新明解国語辞典 より)とあります。
 これに違和感を抱く理由は昭和の時代の歌謡曲。
昭和15年(1940年)にコロンビアレコードが発売したレコードのB面
に入っていたのが作詞サトウハチロー、作曲古賀政男の「目ン無い千鳥」
映画の挿入歌になり大ヒットしたそうで、当時生まれていなかった私たち
世代でも、その後に歌い継がれた曲を何度も聞かされたので<目ン無い千鳥
の高島田 見えぬ鏡にいたわしや ~>の歌い出しくらいは浮かんできます。
 だから「めんない千鳥」は鬼ごっこと解説されても、なんだか腑に落ちません。

人形浄瑠璃の一節

 検索するとトップに現れたのはやっぱりあの昭和歌謡。
歌詞と共に大川栄策さんのYouTube動画が出てきました。
次に続くのも全て曲にまつわる解説ばかり。
 それをかき分けて漸く辿り着いたのが言葉の由来で、そこにはこう書か
れていました。
 <語源は江戸時代の浮世草子にも使われている「めなしどち(目無しどち)」
と推測される。
めなしどちは目隠しや目隠し鬼を意味し、めんないちどりと同じ使われ方を
していた。
「どち」とは「男たち」「野郎ども」といった複数の人に対する呼称。
この「どち」から言葉遊びの様に「千鳥」に変化していったと思われる。>

 近松門左衛門の人形浄瑠璃に、駆け落ちして逃げたふたりが捕まる場面が
あるそうで。
その一場面で顔を見られたくないと手拭いで目元を隠す様子を「めんない
千鳥」と表現していると書かれています。(世界の民謡・童謡 より)
どうやらこれが昭和に大ヒットした曲に繋がる様です。
 <「目ン無い千鳥」は結婚を直前にしながら事故で失明した女性が主人公。
それを「めんない」と表現した。
そこに近松門左衛門の浄瑠璃を由来として、泣くふたりを千鳥にたとえた
と推察される。>(江分利万作の生活と意見 より)

 「めんないちどり」は鬼ごっこのこと、そこから派生したのが昭和の
ヒット曲。
新明解国語辞典にそこまでの詳細な記述が無かったお陰で、今週も役に
立つか立たぬかよく分からない雑学を学べました。
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