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身近な生き物:ハチに飼い殺される

2023-05-24 06:29:59 | 日記
恐竜時代からの秘め事

 フロントガラスにぺたりと張り付いた小さな影。
視界の邪魔にならぬ程には小さいけれど、止まった位置はちょうど視野の
ど真ん中。
どうにも気になるので、信号待ちで車を止めた際にティッシュペーパーで
拭き取りました。
 そっと開いてみると長さ数ミリの細長い黒っぽい色をした虫。
ルーペで覗くと胴の辺りが少し細くなっています。
 記憶を頼りに帰宅後に検索すると、セダカヤセバチの名が付く虫に似て
いました。

 <セダカヤセバチ科は比較的小さな規模の寄生バチの一群で、3属210
種程度が知られている。
木材穿孔性の甲虫及びクビナガキバチなどに寄生する内部寄生性飼い殺し
型寄生蜂。>
 飼い殺し型とは何ともおどろおどろしい単語が飛び出したものです。
1cmにも満たないあんな小さな虫にはどうにも似合わない言葉です。
 <宿主の幼虫に産み付けられた寄生バチは宿主との共生関係を維持し、
宿主が蛹になった後に食い殺す。
これを飼い殺し型寄生と呼ぶ。>(KAKEN より)
 そう説明されてもうまく想像できません。
あの極小な虫が宿主を見つけ出したり卵を産み付けたりできる筈は無いと
思ってしまいます。

 <寄生バチは寄主のにおい、あるいは寄主が齧った草から放出されるにおい、
寄主が活動する音などを手掛かりに獲物を探し出して産卵管を突き立てる。
この先は対応がふたつに分かれる。
毒液を注入して麻酔するか殺すかした後で産卵。
これを殺傷寄生者と呼ぶ。
それに対し生かしたまま寄生するのが飼い殺し型寄生者。>
(ハチとアリってどんな虫 より)
 寄生バチの起源は恐竜時代まで遡るのだそうで。

免疫を突破

 コロナ禍で改めて感じたのは自分の身体の免疫活動。
虫とは言え体内に異物が入れば排出しようとする仕組みが働きそう。
だから産み付けられた卵がそのまま居座れるのが不思議です。
調べてみたら想像もできない仕掛けが施されていました。
 <卵が体内に入ると異物と認識してその表面に目印となる物質を付着
させる働きが始まる。
それにより攻撃する細胞が異物に集まる。
ところがある種の寄生バチは寄主の体内の物質に構造がよく似たタンパク
質を分泌し、細胞に異物と認識させない。
しかも共生するウイルスを放出し、このウイルスが認識の感度を下げる
物質をたくさん作りださせる働きをする。>(LeaveNest より)
 小さな体と侮れない恐怖の技の持ち主。
フロントガラスにいたのが人間に寄生するハチでなくて良かった。

コメント
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