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身近な生き物:ピンクのポツリ

2023-05-03 06:19:39 | 日記
巣ではなく網

 早朝の公園の芝生にある手のひらサイズの謎の造形。
ある場所では朝日を反射して煌めき別の場所では白いベールみたいに地表
を覆っています。
 近づけば何のことは無い、ただのクモの巣でした。
クモの巣と言えば空間に張り巡らされた幾何学模様を思い浮かべますが、
こちらは平面に無造作に置かれた薄い紙みたいな仕様。
こんな巣作りをするクモの正体は何かと調べたら、クサグモとコクサグモ
の名前が出てきました。

 どちらの種類も同じように地表に巣を作ります。
何気に「巣」と呼びましたが専門家の間では「網」と呼ぶそうで。
 <住居と罠を兼ね備えた物を研究者は網と呼ぶ。
クサグモの仲間の網はシート状の部分とその上に不規則に張り巡らされた
糸で構成される。
クモはシート部分に設置されたトンネル部分に潜み、不規則部分にぶつ
かってシート部に落ちた虫を素早い動きで捕らえる。>(BoNa より)

同定の難しさ

 このクモの一生は親が秋に産んだ卵から始まります。
石の下などに産み付けられた卵はそのまま冬を越し、春になると3mm程の
真っ赤なコグモが孵化します。
 脱皮を繰り返してコクサグモで約12mm、クサグモでそれよりひと回り
大きな成体に。
そして網を張り狩りを始めるのです。
 <網には粘る糸は無いが多くの糸が不規則に張られるので、いったん
迷い込んだ虫は脱出が難しい。
その振動を感じて飛び出したクモは獲物をトンネルに運び込んで食べる。>
(豊明市 より)

 網の上では無敵に見えるクモですが自然界には邪魔をする相手が必ず
存在します。
 先ずは居候。
<チリイソウロウグモなどが網に棲みつく場合が多く、時には家主を襲い
乗っ取ることもある。>
 更には寄生バチ。
<クサグモヒメバチは巣に侵入し針で刺して麻酔をかけ体表に卵を産み付ける。
孵化した幼虫はクモの体液を吸収し最終的には食べ尽くす。>(Wikipedia より)
恐ろしい天敵です。

 クサグモとコクサグモを紹介してきましたが、芝生の上で見つけた網の主
は果たしてどちら?
これは難問です。
両者の姿を画像で見ましたがよく似ています。
 <似ているがクサグモの方は全体的に毛が少なく、背中の縦斑は明るい
放射状の斑で区切られる。
コクサグモは頭胸部にある2対の黒い縦条が明るい褐色をしている。>
(Mushi Navi より)
 もしも幼体を判別するとしたら更にハードルが上がります。
<腹部の後ろの端(背側)にピンク色の斑紋がポツリとあればコクサグモ
と考えられる。>(相模原市立博物館の職員ブログ より)
 老眼オヤジにとって数ミリしかない相手の「ポツリ」を確認するのは
無理な話です。
コメント
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