Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

Secrets de Cave(秘密のカーヴ) 12/14@ベージュ アラン・デュカス

2012-12-15 12:45:22 | 私の日々
「ベージュ アラン・デュカス東京」銀座の松屋の向かい、
シャネルビルの最上階にある。
数年前、応援するピアニスト金子三勇士君が
シャネルのその年のアーティストに選ばれたこともあり、
何度かシャネルネクサスホールには足を運んだが、
レストラン・ベージュに行くのはこの日が初めて。

今回のイベントは"Secret de Cave"(秘密のカーヴ)と題して、
アラン・デュカスのシェフソムリエであるジェラール・マルジョンを迎えて、
ボルドーワインのテイスティングをするという趣旨。

一階のホールで受付を済ませエレベーターでお店の入口へと上がると、
クロークがあり、そこから席へと案内される。
途中でハンサムなフランス人男性二人が並んで出迎えて挨拶をしている。
その内の背が高く一際にこやか、カリスマを放つ男性がジェラール・マルジョン。
もう一人、若干小柄、色白な若者が今回紹介されるワインカーヴの御曹司、
アドリアン・ベルナール。

着席してディナーが進みながら、随時料理と合わせて出てくるワインの解説が入る。
Chateau Lespault-Martillac Blanc 2009が食前酒として出され、
そこからDomaine de Chevalier Blanc 2009、Domaine de Chevalier Blanc 2008と進む。

この3つの白がそれぞれフルーティーで柑橘系でキリっとしていたかと思うと、
フローラル、百合の花の香りがしたり、蜂蜜のふくらみ、そして桃や菩提樹も感じられる。
落ち着いた店内の雰囲気と共にボルドーの森の中にいるような夢見心地。

料理は鮮やかな緑に彩られた帆立貝のソテー、ブロッコリーとラディッキオ。
オマール海老のポシュ、オーブンで焼いて甘みを出したグラタンと、
苦みが清々しいほうれん草が添えられる。

ワインの味が時間が立ち、料理を伴うとまた変化していく。

次の赤ワイン4種は、Domaine de Chevalier, 1979, 1989, 1999, 2009と10年毎のセレクト。
ジェラール・マルジョンから「それぞれの年に自分が何をしていたか思い出しながら、
時間への旅を楽しんでください。ボン ボヤージュ(笑)」
赤ワイン、5時に既にデキャンタをして79年物は5分後にはボトルへと戻し、
89年は10分後、99年は45分~1時間、2009年は2時間後と
空気に触れる時間を変えている。

79年は優しく、89年には力強さ、99年には若さ、
2009年はワインの当たり年、赤ちゃんの可愛らしさがある。
個人的に気に入ったのは79年と2009年だった。
そして自分の過去を振り返ってみて、
試練もあったけれども人生の当たり年もこの二つの年号と重なる。

料理はラカン産ほろほろ鳥のア・ラ・ブロシュ、フォアグラ、
キャベツのフォルシーへと進む。

最後はデザートワイン、Chateau Guiraud 1989と2009。
やはり年号の古い方が甘みがまろやかで自然。
アドリアン・ベルナールから自分の父の所有する畑、ワインカーヴの説明が入る。
ジェラールの説明よりも聴きずらいが、それは訛りがあるからではなく、
ジェラールの方が人前で話慣れているからだと思った。
ワインの素晴らしさを語るフランス語、日本語に訳されるとどうしても表現が単調になる。

デザートはリンゴのオーブン焼きに洋梨のアイスクリーム添え。
次に季節柄のブッシュ・ド・ノエルはなんとシャネルのバッグの形。
キャラメル風味にオレンジピールが爽やかだ。


最後のデザートでこの店は世界で唯一無二の存在であることに気付く。
アラン・デュカスとシャネルのコレボレーションを可能にしたレストラン、
"Beige Alain Ducasse"

イベント終了後、持参したジェラール・マルジョン著「100語でわかるワイン」
サインをお願いしたいと伝えるとテーブルまで来てくれた。
「私の本があなたにとってボルドーの豊かな恵みを知る手掛かりになることを願って」
と丁寧な言葉を添えてサインをしてくれた。

記念撮影もお願いしつつ、この日のイベントの素晴らしさを伝える。
「日本には良くいらっしゃるのですか?」との問いには
「関西にも店があるし、もう数えきれないほど来てますよ。」
「フランス、日本、お住まいはどちらなんでしょう?」
「僕は世界中のアラン・デュカスの店をみているので、飛行機の中に住んでいます(笑)」
9種のワインがどれも素晴らしくて飲み過ぎてしまったと友人が言うと、
「すべて最高のワインですから決して悪酔いはしません。大丈夫ですよ。」

Alain Ducasseのソムリエでありつつ、経営陣の一人としても才覚を振うGerard Margeon、
この日のワインのセレクトのように洗練された風格に満ちていた。