Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

地下鉄のエリックべネイ

2011-03-02 00:02:50 | エリックべネイ、2011年来日へ
全くその現場の荒れようには頭を抱える。
おまけにそこに行く時に一度、すごい勢いで転んだこともあり、
まるで何かに祟られているような場所だ。

数社の業者の人達と話し合いを続けているが、
良い方向へと建設的に進まないままその日は時間切れとなった。

張りつめた気持ちのまま地下鉄に乗る。
乗換えのために降りた駅で私はそこにエリックべネイを見た。
スタンドが置いてあって、ブルーノートのニュースペーパー風の小雑誌がある。
アルバム"Lost In Time"のジャケットの中にも出てくるレザージャケット姿、
襟を立てたエリックの姿に光が粒のようにあたっている。

"Funky Fiesta"とタイトルがあり、エリック以外にもTower of Power、
Incongnito, Marrio Bionde, Nile Rodgers & Chic, Robert Randolph、
などの名前もあり、雑誌をめくるとそれぞれ他のアーティストの紹介もある。
しかし表紙にはエリック・べネイのこの写真が使われている。

しばらく立ち尽くしてぼんやりと見とれてしまう。
何人かの女性がこのニュースペーパーを手にとって持っていく姿を見た。

イヤホーンでiPod nanoをシャッフルにしていたのだが、
最初に掛かっていたフランキー・ビバリーの曲から、
次に聴こえてきたのはEric Benet"You're The Only One"だった。

エリック・べネイはいつもこういう絶妙のタイミングで私の日々に現れる。
顔の筋肉がゆるんでくるのがわかる。
先ほどまではきっと厳しい表情をしていたのだろうと思う。

ほのかな光の方向に向かってコートの襟を立て淡々とした表情、
あるいは毅然としたともとれる眼差しで、
一歩前に進みだそうとしているエリックべネイの写真。
私もまたエリックの後に続くような心持ちでその場所から再び歩き始めたのだった。