Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

フランスの皆さーん、ほんとうにどうもありがとう!

2011-01-17 15:43:53 | 年末年始のPARIS
遅れて戻ってきたリンダのご主人、ほんとうにエリックに似ていた。
写真だと余りわからないが、とにかくカリスマティックな雰囲気がある。
家の夫など「あまりにカッコ良過ぎてドキドキして目を合わせられない。」
などと言いだす始末。
男でも惚れ惚れするほどのオーラがあるということだ。

ご主人にもご挨拶したのでそろそろ失礼しようかと思っていると、
皆でインド料理を食べに行こうということになった。

車で移動する途中、信号が赤になりふと見ると周囲に若者達がたむろしている。
その瞬間リンダは「膝の上のバッグを足元に落として!」
リンダも私に言うと同時に自分のバッグも膝の後ろに隠した。
「車のガラスを割られてバッグを取られることがあるの。
いつも危ないわけじゃないけど、用心に越したことはないから。」
リンダの家族と一緒だから安心していたが、危険な地域を通過しているのだと知った。

さてインド料理店に到着。
本店に行くと予約が入っているのは別館の方だと教えられる。
リンダは店のマネージャーと親しげに挨拶している。
行き付けの店のようだ。
「日本から友達が来たのよ。」と紹介してくれる。
エリック・べネイにそっくりのご主人、私の隣の席に座った。
このままでは緊張して食べ物が喉を通らなさそう。
リンダの次男が私の隣に座りたいと言ってくれてホッ。

日本のインド料理とは違うメニュー。
お店も賑わっていて楽しい雰囲気。
それぞれ料理と飲み物をオーダー。
小さな従兄達が「それを飲んでみたい。」というとリンダの子供たちは、
「僕のを飲んでいいよ。」と譲ろうとする。
なんて皆、優しいんだろう。

夫はほうれん草のカレーにチーズが入った物、
カレーの4種盛りを取った私に、タンドリーチキンやフライをオーダーした
リンダの子供達は「一つ、良かったら食べてみない?」と譲ってくれる。
ほんとうに良い子たちだ。
子供達は翌日から学校だそうで「お休みの最後の日としては、最高の過ごし方になった。」
と喜んでくれているので笑ってしまった。

食事が終わるともう10時を廻っている。
リンダのご主人がホテルまで車で送ってくれて妹一家も伴走してくる。
ホテルの前に着くと全員が車から降りる。
それぞれ挨拶、リンダは私の両頬にキスした。
それから私のことを強く抱きしめた。
その瞬間、涙が溢れてきた。
涙が流れているというよりもしくしく泣いてしまった。
リンダも泣いている。

その様子を夫やリンダの家族達が微笑みながら見守ってくれている。
リンダの妹が「二人とも泣かないで。」
車が交差点を過ぎるまで夫と手を振って見送る。
向こうも車の中からずっと子供達と手を振り続けてくれている。

部屋に帰ってからもその日の一日、リンダや彼女の家族達に良くしてもらったこと、
ひとつひとつが思い出されて、感動と興奮さめやらない。

飛行機の時間は翌朝11時。
二時間前、9時には空港へ着いていたい。
ホテルのフロントに相談に行く。
「9時に空港に着きたいんだけれど、8時にタクシーでここから出れば、大丈夫かしら?」
「もう少し早め、7時半の方がいいと思う。」と言われたので、
「飛行機は11時なのよ。」と話すと、「それなら8時で充分。」
「タクシーの手配をしようか?」
と言うのでお願いする。

翌朝、朝食後フロント前を通った夫に「タクシーがもうすぐ来るよ。」と声を掛けてくれて、
部屋にいた私にも「後5分でタクシーが着く。」と電話もしてくれる。
ネットではかなり叩かれていたこのホテル、とんでもない、みんな感じが良い。

30年前、最後にフランスを訪れた時、夏の終わりだったけれど何か冷たい印象が残っていた。
でも今回のフランス、気温は強烈に低く耳も手もちぎれんばかりだったが、
会った人達はみんな、気持ちの熱い人達ばかりだった。
それぞれに私達の訪問を自然に快く受けとめてくれた。

山下さんがテレビのインタビューの中で「根性ということば、根が張るとは頑張るとかではなくて、
風が吹いても耐えられるかということ」と作物の植え付けの話をしていたこと、
私は機中で思い出していた。

結婚して24年。
年始はそれぞれの実家を訪ね双方の身内と集い松の内が明けるのが恒例だったので、
今回、初めて留守にするにあたって出発前、帰国後と両方の実家を訪ねた。
母は寂しいような不満のような。
主人の父は「出掛けられる内に行っておいで。」
実家の父は「広い世界へ出て行きなさい。」と言ってくれた。