行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

汚された東京五輪招致

2016-05-14 18:58:55 | Weblog

フランス検察が東京五輪誘致に絡んで200万ドルという巨額な金が動いたという報道に驚いた。日本円にして2億2000万円、信じられないことだったが、当初否定していたJOC日本オリンピック委員会の竹田恒和会長は13日、「支払いはコンサルタント業務に対してのものであり、正当」なものだと語ったが、コンサルタントの名前は公表しなかった。声明の中で竹田会長は、「招致実現は、フェアな招致活動を行った結果であり、招致計画が正当に評価されたものであると今でも確信している」とし、「正式な業務契約に基づく対価としての支払い」だとしている。

支払いは先ずシンガポールの銀行口座への振り込み(英紙ガーディアンが報じた)、その後仏検察当局が捜査の開始を発表した。同検察によると、国際陸上競技連盟(IAAF)のラミーヌ・ディアック元会長の息子が所有する会社の口座に、280万シンガポールドル(約2億2000万円)が振り込まれた。日本のマスコミがそのシンガポールの会社の住所を訪ねたところ、あるアパートの住民の部屋だった。パナマ文書で有名になった実態のない会社の口座に振り込むという手口だ。そこからどこに振り込まれたかは今後の捜査によるが、ラミーヌ元会長に振り込まれたことは否定できない。

国際オリンピック委員会(IOC)は2013年9月、イスタンブールやマドリードと争った東京を2020年の五輪開催都市に選出したが、当時、ラミーヌ・ディアック氏はIOCの委員を務めていた。

竹田会長は、この巨額な振り込みは「サービスに対するコンサルタント料」で、「招致計画作り、プレゼンテーションの指導、ロビー活動、メディア分析」などの対価だとしているが、投票権のあるIOC委員に巨額のコンサルタント料を払うことはロビー活動を通じて買収したといわれても否定できない。これがフェアな招致活動といえるのだろうか。検察当局にラミーヌ元会長が逮捕されたらオリンピックは返上するのだろうか?

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