行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

日銀マネー敗戦、1ドル=106円台へ

2016-05-01 18:32:06 | Weblog

日本が連休の間、海外市場で円相場が1ドル=106円台と1年半ぶりの円高水準に上昇した。日銀の異次元緩和、マイナス金利等の政策はひたすら円安を狙ったものだっただけに、元の木阿弥となり、日銀敗戦の結果となった。当初は日銀バズーカ、サプライズで120円の円安に振れ、金融面で成功したが本来なら後に続くはずの財政政策、成長戦略など3本の矢が機能せず、海外の日本株売りとなり、連動性の強い円高になった。

1~3月期の成長率もマイナスになる予想が強く、これを日銀の金融政策だけで乗りきるには無理があるということだ。市場では先の金融政策決定会合で少なくとも数兆円のETFを買うぐらいは決めると見ていただけに、何もしないという決定は日銀の手詰まりと見て日本株売り、円高、連動してニューヨーク市場も欧州市場も下落し,世界株安という予想外の展開となった。

麻生太郎財務相は「一方的で偏った投機的な動きに極めて憂慮している。投機的な動きに必要に応じて対応する」とし、円売り介入も辞さない姿勢を強調した。しかし、G7サミットをひかえ為替の介入などは不可能だろう。新3本の矢を愚直に実行し、景気の回復しか道はない。金融政策に頼ることは黒田総裁の疲れた顔を見れば難しい。

 

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