行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

何故護憲派が増えてきたのか

2016-05-05 21:49:41 | Weblog

憲法記念日にマスコミが世論調査の結果を報じた。護憲派と改憲派で見ると日経(護憲44%改憲42%)、朝日(護憲55%改憲37%)、毎日(護憲55%改憲27%)、産経(護憲47%改憲40%)が護憲派が改憲派を上回り、読売(護憲46%改憲51%)、NHK(護憲25%改憲28%)では改憲が護憲を上回った。

年代別では戦争の経験や記憶のある年寄りの方が護憲派が多く、男女では女性の方が護憲派が多い。今回の特徴は、これまで改憲を考えていた人がここへ来て護憲派になったことだ。朝日の場合、13年3月では改憲派が54%だったが毎年改憲支持が減少し14年に護憲派50%改憲派44%と逆転し、安倍内閣の改憲姿勢が裏目に出てしまった。日経やNHKの調査でも同様の傾向が見られる。

安保法制の審議や議論の中で、憲法を真剣に考える機会ができ、空気みたいに思っていた憲法の重要性を認識した結果だ。
自分なりにこの傾向を考えてみると
・戦後、70年平和が保たれたという実績が大きく、自衛権は確立し、相応しい装備を持っているのだから何もいじる必要はない。
・ヴェトナム戦争に巻きこまれなかったことは平和憲法のおかげで、ヴェトナムとの関係でいえば、対日感情はすこぶる良好だ。派兵した韓国に対する感情は厳しい。
・イラク戦争でも、憲法の規定があったから後方支援で済んだし、後に明らかになる偽りの闘いに加わらなくて済んだ。
・戦後の東南アジアでの反日モードは平和憲法で払拭されたかどうかは定かではないが、平和国家で援助国日本に対する安心感は現地で感じられる。この点中国の南シナ海進出とは対照的だ。

朝日新聞の調査の推移

  

コメント (2)
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