行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

揺れ動く中国政府の労働政策

2010-06-22 18:11:33 | Weblog
中国ホンダのストについて6月7日のこのブログでふれ、「場合によっては独立労働組合が総工会に替わって労働者の代表として労働条件改定を要求し出すことになれば、中国の労働運動に民主化のくさびが打ち込まれることになる」と書いた。それに気がついたのか中国政府が動き出した。

中国ホンダの関連部品工場がストをうって、賃上げを実現して以来、予想通りあちこちでストが発生し、天津トヨタまでストで工場が止まってしまった。二桁の高い成長率、人手不足といった現象は日本の60年代から70年代にかけて毎年ストをうちながら大幅賃上げを実現した時期を想起させる。

経営者は賃上げの必要性を判っていても自分の会社での大幅賃上げは躊躇する。中国のように賃上げのメカニズム(日本では春闘と言った)が確立されてないと今回のような山猫ストが起きることになる。天津トヨタのストが起きると中国政府はそれまで賃上げは良いことと放置していたが経済に大きな影響が出ることを恐れ、またも報道規制に乗り出したようだ。

しかし、単なるそれだけの理由ではなく、冒頭書いたようにストを指導する組織が独立労組化すると既成の正規労働組合中国総工会の存在価値が無くなり、共産党の支配力に影響することを恐れたのではないだろうか
今、人民元問題もこれあり、内需拡大を経済政策の柱にするとしているなら、生産性に見合う賃上げを実現するメカニズムを作り上げることだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする