嫌韓問題の解き方 ステレオタイプを排して韓国を考える (朝日選書) | |
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●オバマは広島でG7に花を添えた が、来年G7は妖怪勢揃い?
オバマの花道、「核なき世界」に関して、特別感動する気はないが、被爆者の方々が歓迎したのであれば、それ以上言及するには及ばないだろう。まあ、バラク・オバマも、ノーベル平和賞受賞の負い目を糊塗出来たと云う点では、彼の為に良いことだったろう。もう、安倍の伊勢志摩G7も終わった。祭りは終わったのだ、現実に戻ろう。これからの、遠い世界の話ではなく、ごく近いG7に思いを馳せようではないか。さて、来年のG7に出席する、各国首脳は誰なのだろうか、そこが問題だ。実は、そこにこそ、今の世界の問題が隠されている。
20世紀が終わり、21世紀の初期に入っているわけだが、今回の伊勢志摩サミットが、20世紀型世界の最後の先進国サミットになるのだと思う。来年、イタリア・タオルミーナで開かれるG7又はG8サミット(主要国首脳会議)の顔ぶれによっては、先進欧米日諸国にとっては、悪夢のような主要国首脳会談になっている可能性が濃厚である。つまり、米英を中心とする資本主義の末期症状と言われる「金融経済」にトドメが刺されたサミットになり、天を仰ぐような首脳たちの姿が目に浮かぶ。
筆者自身、こんなにも早く、20世紀型資本主義の終焉を目の当たりにするとは思ってもいなかった。グズグズと、これから10年くらいは「欧米巨人」が、無駄な抵抗をするのだろうと思っていたが、内なる叫びによって、エスタブリッシュ層の牙城が引き裂かれると云うのだから、不思議な感慨を憶える。最長でも、“英米資本主義”の余命は、後4年に過ぎない。上述のように断言しても構わない程の現実が、今現在、世界中で起きていると云うのに、日本と云う国は、本当に変れないのだ。驚異的にハンドルのないF1マシーンなのである。アイルトン・セナではないが、壁に激突して、大破するのではないかと、些か不安になる。
個人的には、とばっちりを受けても、生き永らえる幾つかの手段を準備しているが、筆者程、懐疑的に世の中を見ていない場合、青天霹靂も充分にあり得ると考えている。今さら、ここで、その予想の説明する必要もないが、初めて、拙ブログを読む人のために、敢えて簡単に説明しておく。一つは、金融経済とグローバル経済の総本山、アメリカが、内なる叫びを制御できなくなっている。ワシントンも、ウォール街も、手出しの出来ない国民の怒りが沸点に達しているのだ。この現象を、対岸の火事のように眺めているのは、馬鹿だ。我が国の自慢の霞が関官僚組織は、有能だが、過去問に有能なだけで、創造的問題への対応力はゼロなのだ。ここが、酷くヤバイ。その状況を報じる新聞記事を幾つか羅列しておく。
≪ トランプ氏、過半数の代議員確保=名実共に指名確実-米大統領選
【ワシントン時事】米大統領選の共和党候補指名争いに出馬している実業家ドナルド・トランプ氏(69)の獲得代議員数が過半数の1237人を突破した。米 メディアが26日報じた。対立候補は既に全員撤退しているが、トランプ氏が指名確保に必要なラインをクリアし、名実共に指名獲得を確実にした。
トランプ氏の獲得代議員数は24日のワシントン州予備選を終えた時点で過半数まで100人以下に迫っていた。予備選などの結果に縛られない自由投票の代議 員を米メディアが取材したところ、トランプ氏を支持する代議員が積み上がり、半数を超える1238人に達した。 ≫(時事通信)
≪ トランプ氏、クリントン氏を逆転=本選想定の世論調査-米大統領選
【ワシントン時事】米FOXニュースが18日発表した世論調査の結果によると、11月の大統領選本選が共和党の実業家ドナルド・トランプ氏(69)と民主 党のヒラリー・クリントン前国務長官(68)の争いになると想定した場合、トランプ氏に投票すると答えた人は45%に上り、クリントン氏支持の42%を上回った。 1カ月前の調査はトランプ氏41%、クリントン氏48%という結果だったが、トランプ氏がクリントン氏より先に党の指名獲得を確実にした勢いに乗り、逆転を果たした形だ。 ≫(時事通信)
≪ クリントン氏は「ルール違反」=メール問題で国務省監察官
【ワシントン時事】米国務省の監察官は25日、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が私用のメールアドレスを公務に使っていた問題に関連し「クリント ン氏は(公文書保存に関する)国務省のルールに従わなかったことになる」とする報告書を連邦議会に提出した。米メディアが一斉に報じた。 クリントン氏は大統領選で民主党の指名獲得をほぼ確実にしつつあるが、私用メールの使用はルール違反ではなかったと釈明してきた経緯があり、共和党の攻撃材料になりそうだ。
報告書は、公務関係のメールは公文書に当たるとの立場から「クリントン氏は送受信したメールを印刷して保存しておくべきだった」と指摘。「少なくとも退任 前に全てのメールを国務省に引き渡すべきだった」とも記し、こうした義務を怠ったことがルール違反に当たると明記した。
クリントン氏は2013年2月に退任したが、メール約3万通を国務省に提出したのは同省から要請を受けた後の14年12月だった。
報告書はまた、クリントン氏には「個人メールを使うことを(国務省の担当部局と)相談する義務」があったが、「クリントン氏が承認を求めた証拠はない」と説明。報告書作成に当たり、クリントン氏が事情聴取を拒否したことも記した。 ≫(時事通信)
現時点で、米共和党の大統領候補は、ドナルド・トランプ氏で決着がついた。民主党は、ヒラリー・クリントン氏でほぼ決まりなのだが、どんでん返しがゼロとは言い切れない。何故かと云う問題だが、ヒラリーの評価は、メール問題もさることながら、アメリカの1%の味方と云う評判は高まるばかりで、99%の国民の敵だと云うイメージは強くなるばかりだ。アメリカの大統領本選は、ヒラリーが民主党の本命候補になっているマジック(高下駄)がないわけだから、トランプと「差しの勝負」をしなければならない。多くの世論調査で、ヒラリーでは本選敗北と云う調査結果が出ている。
民主党は、本当にそれで良いのか。バーニー・サンダース候補よりも、トランプの方が大統領に相応しいと思うのだろうか。ここが、ギリギリの民主党特別代議員の矜持の問題になる。世論調査によると、サンダース対トランプなら、サンダースが有利。ヒラリーとトランプなら、トランプ有利と云う解が出ている。筆者も、この調査結果に納得している。サンダースは、民主社会主義であるとしても、政治家としてのキャリアから考えれば、議会との調整に腐心するだけの矜持がある。しかし、トランプは、一世一代の4年間だけで良いと思えば、エスタブリッシュメントの破壊に精を出すだろう。
まさか、米大統領選で21世紀の悲喜劇が、覇権国アメリカで起きるとは思わなかったが、あれよあれよという間に、ドナルド・トランプ氏が共和党候補に決定したのだ。移民排斥とウォール街殲滅が、トランプに与えられた有権者からのメッセージなのだから、「暗殺」されない限り、アメリカの政治は“しっちゃかめっちゃか”になるのだろう。オバマも、酷く怖れているようだ。口汚く、現職大統領が、次期大統領候補を誹謗中傷するなど、民主国家として、あるべきではないが言ってしまった。トランプは「「世界情勢に関する無知をさらけ出している」、「(首脳らは)どれだけ真剣に(トランプ氏の)発言を受け止めたらいいのか分からないでいる。彼らが混乱しているのはもっともなことだ」‥等。しかし、ヒラリーが対立候補なら、トランプが65:35の確立で勝利する。もう一つ、面白い記事があった。
≪ トランプ氏、来年参加?…サミットで話題さらう
オバマ米大統領が参加する最後の主要国首脳会議となった伊勢志摩サミットでは、米大統領選で共和党指名候補に確定した不動産王ドナルド・トランプ氏が話題をさらった。 「米国第一主義」を掲げ、過激な発言を繰り返すトランプ氏が次回、米大統領として参加するシナリオが現実味を帯び始めたからだ。
ユンカー欧州委員長の側近は26日、トランプ氏に加え、英国の欧州連合(EU)離脱を支持するボリス・ジョンソン前ロンドン市長、フランスの極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首の名を挙げ、「来年のG7に彼らが参加するというのが最悪のシナリオだ。だからこそ、ポピュリズムと戦う価値がある」とツイッターに投稿した。
オバマ氏は26日の記者会見で、「米大統領選について各国首脳とどんな会話を交わしているか」と記者に問われ、「(トランプ氏の)指名獲得に驚き、彼の意見をどれだけ真剣に受け止めればいいのか(各首脳は)戸惑っている」と明かした。 ≫(読売新聞)
EU離脱のボリス・ジョンソン英国首相、フランス極右ルペン大統領、ドイツのメルケル首相も、オバマなき世界情勢で生き抜く能力、気力なく退陣となれば、相当怖ろしい主要国首脳会議になる(笑)。アメリカ大統領がトランプ、その上に、我が日本が、ファシズム安倍首相の続投となれば、これは壮観だ。これは拙いと、G8にすると、プーチン大統領が加わる。一番、プーチン大統領が民主的に見えてくるから、こりゃ愉快だね。イグノーベル賞ではないが、裏サミットが表サミットになるような世界なんだね。
個人的な願望を言っておけば、サンダース的アメリカ大統領。志位和夫的日本の首相。そして、ロシア、中国、インドの首脳を加えた、G10サミットの方が、世界は経済成長を停滞させ、何が本当に人類にとって「普遍的価値」なのか、討議するサミットになることを望んでいるが、まあ、これはこれで、露中の露出が強すぎ、異なる反動も出てくるのかもしれない。
兎角、人の棲む世界は悩ましい。筆者が言いたいことは、このような裏サミットのような風情になることも、一皮剥けば起きるほど、世界は不安定だと云うことなのだ。どの国が良いも悪いもない。すべての国が、今のマネーに“金●握られた”ような為政を繰り返し、人類にとって、マネー(経済)が一番なのだとシャカリキになっている間に、トンデモナイ反撃が、内なる国民の側から噴出してしまう。そう云う状況と紙一重でエスタブリッシュメントが存在している事を、既得権勢力自体が、早々に気づき、許しを乞うべき時代が、まさに接近していると云うことだ。いま、信じ込まされていることの、50%は完璧に嘘であると……。
米中抗争の「捨て駒」にされる韓国 | |
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