世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

3月政局が一つの山 小沢一郎は名を汚すな、例え野党になろうとも理念を押し通せ

2012年02月19日 | 日記

 

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3月政局が一つの山 小沢一郎は名を汚すな、例え野党になろうとも理念を押し通せ


 小沢・陸山会裁判も17日の証拠調べで、先ずは一段落となった。刑訴法の法解釈から行けば、明らかに無罪方向に向かっているが、何でもありの裁判所ゆえに、どんな判決が下されるか聞くまで、答えは留保せざるを得ない。こんな民主主義国家なんてのは、この世に存在すべきではないとさえ思える昨今だ。

 3月9日に検察官役の指定弁護士が論告求刑を行い、19日に弁護側の最終弁論と被告の最終陳述が行われ、結審は4月下旬と予定されている。民主主義国家、法治国家としての筋論から導くなら、あれだけ東京地検特捜の組織的誘導捜査がなされたと指弾した以上、直ちに控訴取り下げを検察官役指定弁護士に忠告しても良さそうなものだ。有罪無罪を判断する事で、周辺利害に抵触するなら、最終的に控訴棄却と云う手もあるはずだ。しかし、今の流れから行くと、そのどちらもなさそうだ。

 裁判上の結論は、4月末まで待つしかないのだが、政治家、まして国家の政治シーンで大きな影響力を持つ小沢一郎の場合、粛々と判決を待つ時間は許されないかもしれない。司法に影響力を持つ行政の長(現在は野田佳彦)に逆らう事は、司法行政が一体化している現在の統治機構においては、極めて不利益を被るリスクを包含する。

  しかし、現在進行形で国家破壊が面前で堂々と行われようとしている事を、己の裁判の利害損得のために見過ごすと云う所業は政治家として、それこそ致命的な失敗を意味するであろう。筆者が言うまでもなく、小沢一郎は当然その事を承知しているだろう。前述のように、今回の裁判は小沢一郎への「人物破壊工作」と確定しても構わない一連の動きの一つであり、今さら流れを変える事は困難と捉える事も可能だ。そのように考えると、今回の小沢裁判の結論も、相撲に勝って勝負に負ける事態が想定できる。多分、小沢一郎もそれは知っているだろう。ただ我が国が、民主主義、法治国家だと自認していただけに、全力で裁判にも対応したのだろう。薄々虚しい闘いと知りながらも闘う。この姿勢が法治国家に生きる政治家の矜持であったかもしれない。

  ルールはルール、悪法も法なりの遵守を身を持って体現したわけだが、此処からは異なる小沢一郎が目覚めなければならない展開に入っていく。法廷にける権力闘争は“賽は投げられた”わけで、丁か半の結論を聞くのみとなった。ここからは政治における権力闘争の開始なのである。1996年に竹下登が小沢一郎の政界影響力排除のために作った「三宝会」から始まる、永い永い闘争の歴史を生きてきた剛腕政治家の最終戦争が幕を開けるのだと推察する。

 今さら、現在の民主党がどのような政党になっているか、こまごまと語る必要もない、見ての通りなのだ。どのマスメディアも語らないが、小沢が目指している行財政改革は、橋下も触れる事を躊躇した、霞が関の改革なのである。霞が関を頂点とする我が国の垂直統合官僚システムは、あのGHQですら舌を巻き、最後には手を結ぶ戦略に切り替えた程の鉄壁さを誇っている。まぁ当時に比べ、相当に劣化した垂直統合官僚システムだが、まだまだ健在であり、日本を知りたければ、霞が関を見ろ、と言われるほどである。

 現状の政治状況を見てみると、野田内閣及び民主党執行部が取り仕切る行財政改革は“言葉だけが踊る”と云うオリジナル民主党の性癖に覆われているが、何ひとつ根本的改革に結びつくような事実はない。“四角い部屋を丸く掃き”と云う言葉があるが、それ以上の詐欺と欺瞞に満ちている。目指す社会保障の姿を根本的に説明も出来ないし、地方分権も小手先ばかり。あまり意味のない国会議員削減も頓挫するだろうし、公務員制度改革もまったく進んでいない。何もかもが滅茶苦茶なのに、何故か消費増税とTPP、外資の参入緩和などは、着々と進んでいると云う笑えない状況だ。

 小沢一郎以上に、苛立ちを強めているのが小沢を支え続けたベテラン議員や中間議員だ。彼らの気持は「最悪、野党からの出直しでも良いじゃないですか!」と云うところまで盛り上がっている。つまり、09年マニュフェストの原点に戻らない民主党に何時までも所属するのは正義に反すると云う気持ちのようだ。“国民への裏切りだ!”と云う松木けんこう議員的体質があるのだと思われる。彼ら側近の苦渋を放置出来る状況ではなくなっている。3月には消費増税法案が提出の方向で動き出している。民主党内の調整と云っても表面的なもので、最後は執行部がゴリ押しで纏めたと強弁するのが現在の民主党だ。

 3月からが見ものだ。野田が小沢と話し合う可能性は最早ゼロだろう。野田自身もここまで来たら戻れない。消費増税法案が通過後の解散などは、民主党の惨敗だけでない、明らかに小沢グループの崩壊にも繋がる。ウッカリすると、惨敗民主の小さなグループになり、社民党のような運命を辿りそうでもある。こうなると、野田の消費増税法案を断固潰すしかなくなる。当然、此の儘なら衆議院における、消費増税法案の採決で反対票を投じるだろう。ただ、注意すべきは、自民党、公明党が消費増税法案に絶対反対票を入れると云うのが前提だ。小沢グループだけが反対票を投じる事態も想定の中に入れておくべきである。

 そのような不安なしに事が運ぶ方法は、野田内閣が法案の採決をする前に、自民党が早々に野田内閣不信任案を提出する事が望ましい。当然、小沢と自民党には一定のパイプがあるので、その可能性は充分ある。公明党へのパイプも未だ消えていないだろう。少なくとも、今や正体不明、日本の政治家とは思えない所業に突っ走る野田佳彦は悪魔と手を組んでも阻止しなければならない。座して、その所業を見守ることは、小沢一郎の晩節を汚すことになる。是非、行動に出て貰いたいものである。最悪、野党になっても支持しますよ。その方が小沢一郎らしい行動美学だ。





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