1月25日。今日は多摩森林科学園で常緑性の羊歯植物を勉強するため訪問しました。羊歯植物については一部を除き順次別途ご報告します。
入り口にあるハナノキ(花の木)の冬芽です。カエデ科・属の落葉高木で3~4月に葉に先立って赤い花を付ける。樹全体が赤く見えるのでハナノキと名付けられた。雌雄異株でカエデのように翼果を付けます。冬芽は鱗芽で葉痕はV~U字型、維管束痕は3個。
ご参考:ハナノキの花
冬芽を続けると廿里まちの広場にサイカチの大木がありました。サイカチ(皁莢、皀莢、梍)はマメ科サイカチ属の落葉高木で幹に特徴的な棘がある。冬芽は小さくて目立たないが、私はこの木を初めて見たので花や果実も見てみたい。花は5~6月頃に咲き豆果をつけるという。
側を流れる南浅川の堤防にある桜並木にヤドリギ(宿木)が幾つも付いていました。ヤドリギはヤドリギ科・属の常緑小低木で種々の落葉樹の枝に寄生する半寄生植物です。果実は液果でキレンジャク、ヒレンジャク、ヒヨドリ、ムクドリなどが食し、鳥により広がる。花期は2~3月で果期は11~12月、果実が残っているものが一つありました。
城南公園にはナリヒラヒイラギナンテンが多く植栽されており果実が残っていました。中国原産の常緑低木で9~10月に小さな黄色い花を付け、果実は2~3月に白い粉を吹いた藍黒色に熟します。
多摩森林科学園に戻ると樹木の幹に泥ででき膨らんだ道のようなものが付いていました。これは解説板によるとトビイロケアリの巣(通り道)だそうです。この中を蟻が通っているのですね。安全に通るためこのような面倒なトンネルを作ったのでしょうか?
前に来た時に見たアサギマダラの蛹が今回も見つかりました。幼虫も大きいものと小さなものが見つかりました。
さて、多摩森林科学園の常緑羊歯植物ですが、よく見かけるフユノハナワラビとオオハナワラビがありました。胞子葉が無くなっていますが栄養葉が残っていました。共にハナヤスリ科ハナワラビ属の羊歯ですがよく間違われます。見分けは葉の先でフユノハナワラビの葉先は丸く見え、オオハナワラビの葉先は尖って見えます。ご覧ください。
フユノハナワラビ
オオハナワラビ
今日、一番見たかったのは京都の鞍馬山に由来するというクラマゴケです。クラマゴケ(鞍馬苔)はコケという名が付いていますが、イワヒバ科・属の羊歯植物で湿った山林下に茎を長く伸ばして群生する常緑性の羊歯植物です。葉には背葉と腹葉があり茎に沿って茎の背と腹に順に並びます。主茎には葉がまばらにつき、側枝には葉が密につきます。ごく小さくてかつ地面に這っていますので落ち葉などがあると本当に見つけにくい。幸い説明板のある場所以外にも群生している場所があったので良かった。まだ胞子嚢穂を確認していないのでまたの機会に確認しよう。ルーペがあった方がよさそうです。
羊歯の説明板がなくなっているものや説明板があっても消滅したもの等がありなかなか難しい所がありました。分かったものは別途ご案内いたします。
以上
この冬から常緑性のシダの勉強を始めたのがよかったようですね。
これからは各公園等へお散歩した時にシダも観察したいと思っています。
よろしくご教示ください。