goo blog サービス終了のお知らせ 

八王子市のお散歩日記

自然豊かな八王子市内をお散歩しながら植物・昆虫・野鳥等を日記で綴る

2025年 高尾山:レンプクソウ(連福草)、ヒナスミレ(雛菫)等

2025-04-13 10:56:50 | 

4月12日(土)。今日は土曜日の好天とあって高尾山は凄い人出。山頂などでは人で一杯、ケーブル、リフト、天狗焼売り場等は大行列でケーブルで下山する予定でしたが歩いて下山しました。今年はインバウンドが多く、歩いて下山する人の中でも米欧系の人達が目立ちました。

山頂では富士山が見えませんでしたがヤマザクラは満開、東高尾山稜の新緑も大変綺麗でした。

 

1号路でミツバツツジも咲いていました。

今日のコースはJR高尾駅~小仏川~蛇滝~ケーブル高尾山~冨士道~5号路~もみじ台北巻道~高尾山頂~1号路等~京王高尾山口です。

小仏川沿いでは

ヒメウズ、キバナノアマナは終わっていましたが、クサノオウ、シロヤブケマン、ミヤマキケマン、カントウミヤマカタバミ、ニリンソウ、レンプクソウ、タチツボスミレ等が咲いていました。

シロヤブケマン(白藪華鬘:ケシ科キケマン属の越年草):ムラサキケマンの白花種で花の先端が紫色。

ミヤマキケマン(深山黄華鬘:ケシ科キケマン属の越年草):深山と名がついていますが、山地から平地にまで見られます。

レンプクソウ(連福草:レンプクソウ科・属の多年草):別名五輪花。花は頂に1個付きその下に4個横向きに付きます。連福草は根がフクジュソウとつながっていたという誤りからついたようで、別名の五輪花、中国名の五福花の方がぴったりです。なお、片倉城跡公園でも昨年は咲いたのですが、今年は咲きそうにありません。

 

蛇滝川沿いでは

沢山咲いているニリンソウの中にミドリニリンソウが1輪だけ見つかりました。ミドリニリンソウ(緑二輪草)は花弁のような萼片の一部または全部が本来白色なのですが先祖返りして緑色になっているニリンソウです。一部緑色の方が綺麗なのですが、この花は全部緑色でかつ萼片も小さくてあまり綺麗ではありません。でも見つかってよかった。

1号路で

例年だと咲いているはずのシロバナフデリンドウがまだ蕾だったのが残念です。

その近くにツクバキンモンソウ(筑波金紋草:シソ科キランソウ属の多年草でニシキゴロモの変種):花の色は普通淡紅紫色~白色で葉脈および葉裏が紫色。筑波山で最初に見つかった。

薬王院境内にある花が緑色をしたカンアオイがまだ健在でした。

冨士道では

昨日雨が降ったお陰なのかキノコの1種ツチグリが沢山出ていました。

 

マルバスミレ(丸葉菫)も咲いていました。

5号路ではダンコウバイ、ニワトコ、アオキが花を付けていました。

ダンコウバイ(壇香梅:クスノキ科クロモジ属の落葉小高木で雌雄異株):この木は雄株で普通葉に先立ち花が咲くのですが、花が終盤なのかもう葉が出ています。

 

ニワトコ(接骨木:スイカズラ科ニワトコ属の落葉低木):1個1個の花の形が面白い。

 

アオキ(青木:ミズキ科アオキ属の常緑低木):常緑で陰樹なのか暗い林内でもよく育ち高尾山には多い。赤い果実が目立つ。

5号路ではオカスミレ(丘菫)も咲いていました。アカネスミレ(茜菫)とよく似ていますが、アカネスミレは葉・花柄・距にも毛がありますがオカスミレは無毛です。

蛇滝道の上部九曲がりの最後あたりにはいつもならヒナスミレ(雛菫)が咲いていますが、もう花は終わっていました。また、冨士道でもヒナスミレは終盤で花が萎れているものがほとんどで、写真のモデルになるような花は少なかった。

しかし、ここ5号路でやっと撮影できました。しかも、葉に綺麗な斑が入ったフイリヒナスミレ(斑入雛菫)も咲いていました。薄いピンク色の綺麗なスミレです。

ヒナスミレ

フイリヒナスミレ

 

エイザンスミレ(叡山菫)も多く咲いていました。花の色は白色やピンク色がありますが、私はピンク色の方が好きです。

もみじ台北巻道へ行きアケボノスミレ、ナガバノアケボノスミレを探してみましたがまだ早いせいでしょう見つかりませんでした。

以上

 


2025年 片倉城跡公園近辺:フデリンドウ(筆竜胆)、イロハモミジ(伊呂波紅葉)等

2025-04-10 17:04:46 | 

片倉城跡公園の近辺では桜が満開ですが花の命は短いもの。早くも散り始め湯殿川では多くの花弁が流れて漂いいわゆる「花筏」が出来ています。

 

片倉城跡公園でフデリンドウが4輪咲いていました。他にもまだ蕾があるのでこれからもっと増えるでしょう。

フデリンドウ(筆竜胆:リンドウ科・属の越年草):よく似たハルリンドウには根生葉があり下部で数個の花に分かれますが、フデリンドウは根生葉がなく上部で数個の花に分かれています。越冬芽の頃からいつ咲くか見ていたのですがやっと咲いたかという感じで今年は咲くのが遅かった。

カタクリは終盤で既に果実ができているものもあります。

 

カントウカンアオイは既に咲いており、タマノカンアオイも咲きましたが、ランヨウアオイは多摩森林科学園のものと同様にここでもまだ蕾です。カントウカンアオイとタマノカンアオイの花の違いは写真をご覧ください。

カントウカンアオイ(関東寒葵:ウマノスズクサ科カンアオイ属の常緑の多年草。別名カンアオイ):ギフチョウの幼虫の食草として知られますが、多摩地区ではギフチョウが絶滅しているのが残念です。この写真ではこちらを向いている花が一つとその左右に花の頭が隠れているのが2個あります。

タマノカンアオイ(多摩の寒葵:ウマノスズクサ科カンアオイ属の常緑の多年草):萼筒内壁に格子目の網状隆起があるのが、カントウカンアオイとの違い。環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)とされている。

スミレではタチツボスミレがあちこちで花盛りで、オトメスミレとタカオスミレがまだ咲いていました。

オトメスミレ

タカオスミレ

ヤマルリソウも盛りでジュウニヒトエが咲き始めていました。

ヤマルリソウ

ジュウニヒトエ(十二単:シソ科キランソウ属の多年草):花が重なって咲く様子を平安時代の女官が着る十二単に例えたもの。

ヤマブキの花が大木に蔦のように絡まって?咲いていました。

本丸広場のイロハモミジに花が咲き始めていました。雌雄同株で一つの花序に雄花と両性花が混在する。花の花弁と萼は5枚。雄花には長い雄蕊が8個あり退化した小さな雌蕊がある。両性花は扁平した子房と退化した小さな雄蕊があり柱頭は2裂する。写真の下段左は雄花で右は雌花。

湯殿川沿いの道路に

マツバウンラン(松葉海蘭:オオバコ科マツバウンラン属の越年草でアメリカ原産の帰化植物)が咲いていました。

 

以上


2025年 多摩森林科学園:さくら保存林、ルイヨウボタン(類葉牡丹)等

2025-04-09 20:32:00 | 

4月9日。桜が大分咲き進んでいることだろうと多摩森林科学園を訪問しました。

一重咲きの桜はほぼ満開でしたが、八重咲の桜は一部を除きまだまだこれからというところです。

さくら保存林を「仲通り」から眺めました。

八重咲の桜で咲いているものをご紹介すると

八重紅枝垂:エドヒガンから誕生した日本原産の八重咲で濃紅色の枝垂れ桜。

はるか:さくら保存林に植えられているオモイガワ(思川)の実生から栽培されたサトザクラ群の八重桜。

大村桜:園の外の道路脇に植えられています。長崎県大村市の大村神社に原木がある菊咲の桜。花弁は60~200枚にも及ぶ華やかな桜。これはまだ咲き始めです。

御衣黄:これも外の道路脇に植えられています。オオシマザクラを基に生まれた日本原産の栽培品種で緑色の花を咲かせる。まだ完全に咲いていません。

サクラ以外にも種々の花が咲いています。

第1樹林園では

ヒメウズ(姫烏頭)があちこちで沢山咲いていました。

ミミガタテンナンショウとウラシマソウが咲いていました。

ウラシマソウ(浦島草:サトイモ科テンナンショウ属の多年草):付属体が細長く上に伸びて垂れるのを浦島の釣り糸に見立てたもの。

カントウミヤマカタバミ(関東深山片喰:カタバミ科・属の多年草):ミヤマカタバミの変種で関東地方南西部・伊豆半島・東海地方に生育する。両者がどう違うのかは分かりませんがこの花はカントウミヤマカタバミとしておきます。

ルイヨウボタン(類葉牡丹:メギ科ルイヨウボタン属の多年草):葉の形がボタンの葉に似ているためこの名が付いた。例年ならもっと咲いているのですが、今日は2輪だけ咲いていました。咲き始めたばかりようで見られてよかったです。木下沢の奥に自生しているようですが、私はここにあるのしか知りませんので毎年見に来ています。

  

さくら保存林では

花の大きさは違いますがよく似た花のハナイバナ(上段)、キュウリグサ(下段左)、ヤマルリソウ(下段右)が咲いていました。

保存林の園路にはカキドウシやセリバヒエンソウも咲いています。

カキドウシ(垣通し:シソ科カキドオシ属の多年草):垣根を突き抜けるほどよく伸びて繁殖するためこの名が付いた。

セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草:中国原産の帰化植物でキンポウゲ科オオヒエンソウ属の1年草):葉がセリの葉に似ていて花の形が燕が飛ぶように見えることから名づけられた。

クサイチゴ(草苺:バラ科キイチゴ属の落葉小低木)もあちこちに咲いていました。名前や姿から見ると草のように見えますが木本で果実も食べられます。

花ではありませんがヤブレガサ(破傘:キク科ヤブレガサ属の多年草)の葉があちこちに出ていました。その名のもとになった新葉です。

 

以上

 


2025年 小仏川~木下沢~ザリクボの花巡り(その2木下沢~ザリクボ編)

2025-03-26 13:05:50 | 

3月25日。木下沢梅林も残念ながら閉鎖されていて内部に入れません。

木下沢梅林はご覧の通り大変綺麗でした。

その縁にヒメウズ(姫烏頭:キンポウゲ科ヒメウズ属の多年草)が数株咲いていました。白い萼が長くて黄色い花弁がその中に隠れるようにある可愛い花です。

 

木下沢を進むと

ハシリドコロ(走野老:ナス科ハシリドコロ属の多年草)が咲いています。美味しそうに見える葉は毒草で松本清張氏の小説にも出てきて有名になりました。食べると走り出すそうです。花の中には雄蕊が5個、雌蕊が1個あります。

エイザンスミレ(叡山菫)が一株咲いていました。名前は比叡山に生育する菫ということ。葉に大きな切れ込みがあることが特徴で白色からピンク色~赤紫色のものがある。ヒゴスミレは葉の切れ込みがもっと細かい。

ナガバノスミレサイシン(長葉の菫細辛):あっちこちで多く咲いていました。このスミレも花の色が白色、ピンク色、青紫色と変化が多い。

ヤマルリソウ(山瑠璃草:ムラサキ科ルリソウ属の多年草):片倉城跡公園でも咲き始めていましたが、ここでも咲き始めていました。

ニリンソウもあちこちで咲き始めています。

ここではハナネコノメソウ(花猫の目草:ユキノシタ科・ネコノメソウ属多年草)が多く咲いており見ごろでした。この花は早春を彩る花で毎年見たくなります。また、花の色が薄紅色、紅色、緑色のものも、たまにはあり沢筋を念入りに探している方もいます。私は薄紅色のものしか見ていませんが、ご参考に挙げておきます。

 

ザリクボ沢では

ここでもハナネコノメソウが咲いています。

ご参考:薄紅色のハナネコノメソウ

ツルネコノメソウ(蔓猫の目草:ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草)も毎年見に来ています。名前は走出枝(匍匐枝)を伸ばして繁殖するため。

  

ヤマエンゴサクがここでも咲いていました。ここのヤマエンゴサクは別名ササバエンゴサク(笹葉延胡索)と呼ばれ、変異の多い葉のうち、葉の裂片が細い線状楕円形になっているものです。苞はご覧の通り苞の縁に切れ込みがあります。

 

昆虫編に進む

以上

 


2025年 小仏川~木下沢~ザリクボの花巡り(その1小仏川編)

2025-03-26 08:48:43 | 

3月25日。「高尾梅郷梅まつり」は3月8,9日に開催され既に閉幕しましたが、梅はまだまだ綺麗です。

湯の花梅林

するさし梅林

遊歩道梅林近くでフラサバソウを見てきましたが、花はまだまだ咲き誇っているものの果実も出来ていました。同じ仲間のイヌノフグリ、オオイヌノフグリ等の名前のもととなった果実です。

遊歩道梅林では、早速タカオスミレ(高尾菫)が出迎えてくれました。しかし、この1株だけで他では見ることができませんでした。

葉が焦げ茶色で高尾で発見された菫です。

ユリワサビ(百合山葵)も咲いていました。これから先あちこちで沢山咲いています。

駒木野公園近くで

アズマイチゲが多く咲いていましたが他にも

ヤマエンゴサク(山延胡索:ケシ科キケマン属の多年草)が咲き始めていました。この花は花の色が青紫色から赤紫色まで変化があり、小葉も卵円形から披針形と変化が多い。花の下の苞が3~4裂するのが特徴で、よく似たジロボウエンゴサクやエゾエンゴサクの苞は全縁となるので区別できる。

キバナノアマナ(黄花の甘菜:ユリ科キバナノアマナ属の多年草)も数輪ですが咲いていました。

小さなヒメニラ(姫韮:ヒガンバナ科ネギ属の多年草)を探したところ2輪確認できました。またその傍にヒメニラの鱗茎がむき出しになっていましたので挙げておきます。雄株と雌株がありますがこれは雄蕊がなく花柱が3裂しているので雌株です。

  

カンスゲ(寒菅:カヤツリグサ科スゲ属の大形の常緑多年草)も咲いていました。この花もこれから先諸所で咲いていました。花穂は高く伸び先端には雄小穂が付きその下に細長い棒状の雌小穂が付く。

タチツボスミレとアオイスミレも咲いており、これもこれから先あちこちで咲いていました。

タチツボスミレ

アオイスミレ

旧甲州街道にでると

人家の石垣に例年通りオキナグサが咲いていました。しかし、ヒメスミレやコスミレが消えてなくなっていたのが寂しい。

裏高尾バス停あたりから見えるカツラ林が花が咲いているためか赤く色づいているのがわかります。

小仏川のハナネコノメソウが咲いているポイントは川が荒れていて花数も少なくなっており、しかも、いつも他より早く咲くためか赤い葯が少なくなっており終盤でした。キクザキイチゲは2輪だけ咲いていました。

ヨゴレネコノメソウ(汚れ猫の目草:ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草):沢筋に咲いていることが多い。かわいそうな名前ですが、見方によっては可愛い花で雄蕊も雌蕊もあり葯の色が暗紫色。イワボタンの変種といわれますが葯の色がイワボタンは黄色。

 

庭に種々の山野草が咲いている人家ではカタクリが満開でアズマイチゲも咲いていました。また、その庭にショウジョウバカマとニオイカントウが咲いていました。

ショウジョウバカマ(猩猩袴:メランチウム科ショウジョウバカマ属の常緑多年草):中学生の頃、この花に吸蜜に来るギフチョウを求めて山里を訪れたのを懐かしく思い出します。

ニオイカントウ(匂款冬:地中海地方原産でキク科フキ属の多年草。雌雄異株)東京薬科大学薬用植物園にも栽培されていました。カントウ(款冬)はフキのこと。

川沿いにあるフサザクラ(房桜:フサザクラ科・属の落葉高木):赤い房状に咲く様子を満開の桜に見立てたという。雌雄異株。花弁がなく赤い葯を付けた雄蕊が見える。

 

木下沢編に続く

以上