八王子市のお散歩日記

自然豊かな八王子市内をお散歩しながら植物・昆虫・野鳥等を日記で綴る

片倉城跡公園:2020年 冬芽と葉痕(ハナズオウ、ムクゲ、サンショウ等)

2020-12-25 19:37:58 | 花と昆虫

今日も片倉城跡公園付近の冬芽の探索です。

片倉城跡公園の神社にフユシャクのチャバネフユエダシャクとイチモジフユナミシャクが各2頭止まっていました。左がチャバネフユエダシャクです。似ていますが並べると違いが分かりますね。

カメムシの1種のツヤアオカメムシ(艶青亀虫)がいました。名前の通りの綺麗なカメムシです。真冬なのに頑張っています。

片倉城跡公園への登り口にあるサンショウ(山椒)の冬芽と葉痕です。サンショウはミカン科サンショウ属の落葉低木で雌雄異株。花期は4~5月で葉は奇数羽状複葉で互生、棘は対生です。冬芽は裸芽、ほぼ球形で伏毛が密生する。葉痕はハート形または半円形で維管束痕は3個。側芽はサルの顔のように見えます。

 

これはご存じ杉の雄花の花芽です。まだ成熟して(咲いて)いないので花粉は飛んでいません。

アカメガシワは前にご紹介していますが、幼木があったので撮影しやすかったため再掲しました。この木は果実が鳥に好まれるため鳥を媒介して生育したものでしょう。ハリギリの大木のすぐ下にありました。

 

ハリギリについても既にご紹介済みですが、アカメガシワのすぐ傍にハリギリの側芽とハッキリ見える葉痕がありましたので再掲します。葉痕は側芽の上の緑色をしたV字形に見えるものです。

ハナズオウの冬芽と葉痕です。ハナズオウ(花蘇芳)はマメ科ハナズオウ属の落葉低木で庭園などに栽培されます。4月に咲く花が密に咲く状態が綺麗で、豆果も密になっています。

今もなっているハナズオウの果実

冬芽(花芽)は鱗芽で多数の花芽が頭状に集まって付く。葉痕は半円形~線形で維管束痕は3個。

花芽と葉痕

冬芽(葉芽:側芽)と葉痕:葉痕は見難い。

この葉芽は何か獣の顔のように見えます。

 

頂芽(葉芽)と葉痕

ムクゲの冬芽と葉痕。ムクゲ(木槿)はアオイ科フヨウ属の落葉低木で庭木としてよく植えられています。韓国の国花で花期は7~8月、ハイビスカスのような1日花を付けます。冬芽は裸芽でこぶ状に盛り上がり星状毛が密生しますが分かり難い。葉痕は半円形~腎臓形で、別に円形の托葉痕もあります。

 

以上

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片倉城跡公園近辺のお散歩:2020年 イチモジフユナミシャク(冬尺蛾の1種)等

2020-12-24 09:03:07 | 野鳥、昆虫、花

12月23日。今日は雲一つない晴天で富士山がよく見えました。しかし、やはり雪が少なく物足りません。

小比企から見た富士山

片倉城跡公園の神社にイチモジフユナミシャクが止まっていました。イチモジフユナミシャクはシャクガ科ナミシャク亜科の蛾で冬尺蛾の1種です。これで今冬クロスジフユエダシャク、クロオビフユナミシャク、チャバネフユエダシャクに続いて4種目の冬尺蛾に出会いました。この雌は白くて桜の幹にいると見つけやすいので今年も見つけたいものです。

湯殿川ではオオバンとバンが仲良く泳いでいました。

今日の冬芽:シラカシとアカガシです。ともにブナ科コナラ属の常緑高木で鱗芽。

シラカシの冬芽

アカガシの冬芽

両者はよく似ているので見分けがつきにくいのですが、葉を見て判断しましたがどうでしょうか?

シラカシの葉:葉の上半分ぐらいに鋸歯があり、裏面は白味がかる。

アカガシの葉:全縁で裏面は緑色、先端が長く尖る。

以上

 

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2020年 市街・公園樹木の冬芽と葉痕探索:ユリノキ、モミジバフウ、トウカエデ等7種

2020-12-23 13:26:30 | 

12月22日。今日は私の住んでいる市街地や公園の樹木の冬芽や葉痕を探索しました。

公園のクスノキの冬芽です。クスノキはクスノキ科・属の常緑高木で古くから神社、公園等種々のところに植栽されています。常緑ではありますが4月頃に新芽を出し、5~6月に花を咲かせます。

ご参考:クスノキの花

クスノキ(楠木)の冬芽:鱗芽で長卵形で先が尖る。淡赤褐色で芽鱗の数は多いもの少ないもの種々ある。

この公園にユリノキが1本だけありました。ユリノキ(百合の木)はモクレン科ユリノキ属の落葉高木で5~6月に黄緑色の百合というよりはチューリップに似た上向きの花を付けます。

ご参考:ユリノキの花

ユリノキの冬芽と葉痕:冬芽は長楕円形~楕円形で先がとがる。鱗芽で2枚の芽鱗に覆われ、頂芽が側芽より大きくなる。葉痕はほぼ円形で維管束痕は多数。

頂芽と葉痕

側芽と葉痕

この公園にはモミジバフウが多く植わっています。

モミジバフウ(紅葉葉楓)はマンサク科フウ属の落葉高木でその名の通り紅葉は見事です。

ご参考:モミジバフウの紅葉

モミジバフウの冬芽と葉痕:冬芽は卵形または長卵形。頂芽は側芽より大きく、芽鱗は6~10枚で艶があり無毛。葉痕は半円形~腎形で維管束痕は3個で人の顔に見える。

  

クロガネモチは今赤い果実が綺麗です。

クロガネモチ(黒鉄黐)はモチノキ科・属の常緑高木で庭木や街路樹として植栽されることが多い。冬芽は鱗芽で極めて小さく1㎜ぐらい。葉痕は半円形~楕円形。

  

コブシはモクレン科・属の落葉高木で庭園や公園樹として植栽されますが、ここでは街路樹として植栽されたコブシです。花はよくご存じでしょうが、果実は9~10月に熟し赤色の種皮に覆われた種子が出てきます。

ご参考:コブシの種子

冬芽は2枚のキャップ状の芽鱗で覆われますが、この芽鱗は何重にもなっているようです。花芽の芽鱗の毛は立ち、葉芽の芽鱗の毛は寝た毛で覆われます。

コブシの花芽

葉芽と葉痕

 

トウカエデ(唐楓)はカエデ科・属の落葉高木で公園樹、街路樹として植えられますが、これは公園樹です。カエデの仲間だけあって紅葉は見事です。

ご参考:トウカエデの紅葉

トウカエデの冬芽と葉痕:冬芽は鱗芽・卵形で先が尖り淡褐色。芽鱗は4列に並び多数のため冬芽の断面は四角形。葉痕は三日月形またはV字形で維管束痕は3個。

  

ヌルデ(漢字不明)はウルシ科・属の落葉小高木で有毒植物。冬季には実殻がぶら下がるためよく見分けられる。

ヌルデの実殻

ヌルデの冬芽と葉痕:冬芽は鱗芽で半球形。黄褐色の軟毛が密生した芽鱗に覆われる。葉痕はU~V字型で盛り上がり冬芽を取り囲む。

ヌルデの冬芽と葉痕

 

これは落葉した直後なので葉痕が緑色をしており盛り上がりもない。

以上

 

 

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片倉城跡公園:2020年 冬芽と葉痕(5種)等

2020-12-21 16:45:58 | 

今日も片倉城跡公園付近で冬芽と葉痕を求めて散策です。

イイギリ(飯桐):ヤナギ科イイギリ属の落葉高木。花期は4~5月で果実は10~11月に赤く熟す。頂芽は見えにくいですが赤褐色で半球形、芽鱗は7~10個。葉痕は丸くて大きく維管束痕は多数。

葉痕の拡大

カキノキ(柿の木):ご存じの落葉高木。冬芽は鱗芽で芽鱗は4~5枚。葉痕は半円形で維管束痕は小さなものが1列に並ぶ。

 

クズ(葛):マメ科クズ属のつる性半低木。基部は木質、上部は草質となりよく伸びる。冬芽は鱗芽で葉痕の上に2個見える。葉痕は三角形~半円形~円形で維管束痕は3個。全体として髭面で角が2本付いた人の顔に見える?のが面白い。

ホオノキ(朴の木):モクレン科・属の落葉高木。花期は5~6月で果実は9~11月に赤く熟す。冬芽は2枚の托葉(芽鱗)が癒着して革質のキャップ状になり毛筆のような形をしている。葉痕は偏円形で維管束痕は多数。

葉痕部分の拡大

ヤマボウシ(山法師):ミズキ科・属の落葉高木。花期は5~7月で果実は9~10月に赤く熟す。冬芽(花芽)は円錐形で先がとがり暗褐色の伏毛が密生した2枚の芽鱗に包まれる。葉芽は円錐形でこの写真は花芽です。葉痕はV字形~三日月形で維管束痕は見難いですが1個。

今日の冬芽は以上で帰り道にジョウビタキの雄を見かけました。

以上

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高尾山:2020年 氷の芸術シモバシラ、クサボタンの種子等

2020-12-19 09:06:35 | 

12月18日、4日以来2週間振りの高尾山です。

山頂からの富士山は綺麗に見えましたが雪が非常に少ない。やはり雪が多く白い富士山がいい。

1号路にある樹木の根っこ、キリン?馬?それとも恐竜?面白い形です。

薬王院で名残の紅葉

シモバシラは女坂に一つありました。シモバシラは植物のシモバシラの茎が枯れ、そこから地中の水分を吸い上げて低温のため凍り、茎の外へはみ出してできる氷の芸術です。毎年見るのを楽しみにしています。市内で氷点下の気温が続くと高尾山でもほぼできます。

すぐ傍に地中の水分が凍ってできる「霜柱」がありました。比較のため掲載しておきます。

5号路のシモバシラ:ここは日当たりがいいので小さくすぐ融けてしまいます。

紅葉台北巻道に最も多くできます。種々の形の氷の芸術をご覧ください。

  

今日のもう一つの目当てはクサボタンの種子です。クサボタンはキンポウゲ科センニンソウ属の半低木で有毒植物、冬には大部分が枯れるが茎の基部が木質化し枯れ残ります。花期は8~9月で花は雌雄異花のようで冬には白い毛を付けた種子が出来ます。名前は葉がボタンに似ているところから付けられたとのこと。

ご参考までに花を掲載しておきます。

 

4日に来たときは次のような花後の状況でした。白い棒状の花柱が付いているのみ。

この先の丸い所が白い毛の付いた種子になると思うのですが、こんな大きな種子になる過程はどんなものか観察したいものです。僅か2週間の変化はすごいものです。(この時、種子が出来ているのを見逃したのかもしれない?)

何株かありましたが状況は種々です。

4日と同じ状況で残っている株:多分雄花だけの株なのでしょう。

種子と混在している株:同じ株に雄花と雌花が混在していた?

種子のアップ

 

最後に全体の姿:何かあたりが白くなったように感じられます。

次に、オニシバリとムラサキオニシバリはまだ蕾でした。ムラサキオニシバリは高尾山で最初に発見されたものだそうです。萼筒が暗紫色のものをいいますが、暗紫色の程度に種々あるようでどの程度のものがムラサキオニシバリというのか?

ムラサキオニシバリの蕾1:この蕾は萼筒全体が暗紫色です。

オニシバリの蕾2:この蕾は萼筒の花弁にあたる部分が薄緑色です。

両者は同じ株なのでこれはムラサキオニシバリなのでしょう。2号路のオニシバリは萼筒全体が薄緑色です。

2号路でヤツデの葉痕がある株を見つけました。葉痕は半月形またはV字形で維管束痕は13~15個です。

トキリマメの果実と種子

 

ケーブル高尾山駅前でブナとイヌブナの冬芽:よく似ていて冬芽だけでは区別できません。

ブナの冬芽

イヌブナの冬芽

5号路でハリギリの冬芽とダンコウバイの冬芽

ハリギリの冬芽:片倉城跡公園でと同じで幼木です。

ダンコウバイの冬芽(葉芽と花芽)

 

最後に山頂でテングチョウ:頭の方から撮影したので頭部が天狗の鼻のように長く伸びているのと翅に毛が生えているのが分かります。

以上

コメント (4)
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