オーディオ再開!レコードで音楽を楽しもう

オーディオ、シアター、ゴルフ、etcみんな中途半端な趣味だった、もう一度このブログと共にオーディオを再開!

踏み込んだら戻れない世界、それが励磁

2018年11月10日 16時54分46秒 | オーディオ

励磁型スピーカー愛好家として


まだまだま励磁型SPに誤解があるようなので、



一言申し上げさせた頂きます。





結構なオーディオマニアの方々でも、未だに間違った偏見をお持ちの方がいらっしゃるようですね




巷でお聞きする励磁型のイメージが


①古い磁力方式

②磁力が変えられるメリットがある

③電源が必要でめんどくさい

④紙臭い音がする



等々のお言葉を数名の方々から頂きました、




間違ってはいませんが誤解もあるようです。





①の「古い」は確かに・・・・、100年前から最盛期を過ぎて、

およそ30年間以上の間使われていた方式ですが、
 
1950年代以降は全くと言っていいほど使われなくなって、

世間一般の人からは、その存在すら忘れられてしまった磁極方式です






何故、全く使われなくなって忘れ去られてしまったのか?

時代とともに変わるものはたくさんありますが、これほど急激に衰退し淘汰され消滅した物は珍しい

それほどの勢いで衰退していったようです。








②、③はあとにして



④は偏見です、励磁型コーンスピーカーの多くが製造されてから100年から新しくても60年くらいの年月が過ぎています、



その主要部分のコーン紙、「紙」が初期性能を保っているとは思えません、



紙臭い音の原因は、肉眼では見つけられないほどの小さなひび割れや、

亀裂、ふやけ等の原因でコーン紙が損傷しているものが多いいと思います





肉眼ではなんともないのでそのまま鳴らしている方が多いことと

励磁型をフルレンジで鳴らす方が多いいと思いますが、

当然高域も同じコーン紙で奏でますので、少しでも損傷があれば、



当然音は紙臭くなります。





しかるべき方が整備調整した励磁型コーンスピーカーを聞いて、


紙臭いと感じた音を聞いたことはありません、




もし紙臭い音がする励磁を鳴らしている人がいたなら、いまだに各地にいらっっしゃる、

スピーカーの匠にお願いしたほうがいいと思います。




匠の技で整備、レストアされて紙臭い音を発する励磁型はありません!












③の電源がめんどくさい
   
これは、まあ、ごもっともなご意見です



ですが、電源を使わない、マグネットが優れているのでしょうか?。





励磁型を完全に消滅させ、時代を完全に変えてしまった


「永久磁石」





一般的には当時は効率の良い磁石がなくて、電磁型(励磁)が使われたとの意見もありますが

本当にそうなのでしょうか?








歴史を振り返ると

100年以上前は様々な極磁方式があったようです



電話機の受話器として開発された初期スピーカーはマグネット型でした


その後も小さな音が出るだけのスピーカーは磁石型だったようです、





現在でも使われているのダイナミック型スピーカーの、その重要な要素「ボイスコイル」が

1877年には開発されたていましたが、その時は永久磁石の磁力が弱かったためか、

製品化はされませんでした





ちょうど100年前の1920年ころから「拡声」の需要が生まれ、

元の声より大きくすることが求められる様になり

それに伴い歪や、音割れ、低い音も求められ、磁石と電磁コイルを使った

ハイブリッドの様なものも使われ、様々な方式でSPが作られましたが、





「拡声」の為には先ほどの、ボイスコイルを正確に動かすの最適であり、



その駆動力を得るためには、当時の磁石では実現できませんでした





このボイスコイルを正確に動かすためにフレミングの左手の法則の原理を使った

磁極方式が生まれたのです




※この動電型の駆動機構の特徴は、均一な磁場の中では信号電流に比例して動き、

機械的な直線歪が発生しません、ただ磁極内を振動するため、磁極に接触しない

支持(ダンパー)が必要・・・・、とあります。







実現したのは1925年に、ボイスコイル(ムーヴィングコイル)を、

電磁石を使って強力な磁場を作ることに成功したのがライス&ゲロッグです
※注(これは現在のダイナミック型スピーカーとほぼ同じです)







しかし、強力な磁場を作るには励磁コイルに流す多くの電流が必要であり


専用の電池や取り扱いで大変不便でした












それでも磁石なんかより全然声が自然でいい!

声が綺麗!励磁は素晴らしい!


(注、と言ったかどうかは知りませんが(笑))







分かりましたか?、

磁石を使ったものより、より良い音を求められて、生まれたのが「励磁型」なんです。

※(注、エンジニアの方々、くれぐれも私の仮説として笑って読んでください)




たぶん、振動板を揺らし音を出すだけなら、マグネットで十分だったのが、

「拡声」としてより大きな声で歪まず、聞きやすくと、

より高性能が求められ励磁型に進化したのだと思います。




そして、その励磁型のおかげで、その時代に最大の需要に答えることができ

トーキ映画の普及とともに、何百、何千もの聴衆に女優さん俳優さんの美声を届け

人々を酔わせるためにるために、進化しより良い音を求めて大型化、強力化された行ったようです





励磁型はやっぱりすごい!・・・・・、でしょ?






では、なぜ

その凄い自然で、雑味が無くて、声が綺麗な、励磁がなぜ衰退し、

曇った砂嵐の様な音のマグネットに戻ったのか






1950年以降、戦後の繁栄でアメリカ経済は順調に伸び、作れば売れる好景気がうまれ

アメリカの黄金時代が来たと思えたとき

スプートニクショックで他国に先を越されたアメリカが、その威信をかけ更に急激に技術発展するために、

より経済的な効率を求め、そんな流れで非効率的な励磁方式は姿を消したのかもしれません・・・・、



(※注、日本でも1989年WEの子会社が日本電気(現NEC)として設立され励磁型が輸入されていて、

福音電気(現パイオニア)など数社が励磁型を製作しましたがごく少量であったようです、

そしてやはり1950年(昭和30年)から始まったTV放送と共に普及したのはマグネット型でしたので、

日本では励磁は知られていなくて当たり前なのです)



※注、上記はもちろん私の勝手な推測です






衰退の理由はいくつかあると思いますが、



音が劇場という特殊な場所から、

一般の家庭への普及も大きな要因だったと思います。


もちろん、永久磁石の性能のアップも背景にあったのでしょうが







本文③の電源がめんどくさい!、こんな事を言う人が多かったんでしょうね

電気を作るのが非効率的に思えたことが原因なんでしょうね



・電気を作るには費用が掛かる

・メンテナンスも必要

・熱を持ち、故障や火災のリスクも生じる


上記デメリットを抱えながら、コイルを巻いて励磁回路を作るより




パッカーンと一発で?簡単にできるメンテナンス・フリーの永久磁石のほうが誰が見ても効率的




それでも多分当時の技術者の中には、




バカこくでねえ、今更そんな音の悪いマグネットなんか使ってはならん!

音のいい励磁型を使うべきだ!と主張し冷水を浴びた方々もいらっしゃったのでしょうが、




音質よりコストが優先され他時代、

そんな主張した技術者左遷されたであろうとは安易に想像できる、



でも、そんな事を提案した人達が、後に、時代の流れの中でも最高の製品を作ったのであろう・・・・





企業が利益のために求めたのは、音質ではなくコストであった為に、

励磁型は姿を消したのです。






お分かりになりましたでしょうか?

決して古い音を奏でる、時代遅れの古い回路、いにしえの極磁方式ではないのですよ










後なんだっけ?

あっ②の、メリットとして磁力が変えられるって意見だ



そういえば電圧を変えることで磁束密度を変えられることが、

励磁の最大のメリットだと思っている方が、意外に多いいのでまた一言言わせてください





磁束密度調整これはメリットの一つではありますが、

「励磁」の音の良さとは全く関係無い、




おまけ的な要素ですが、励磁の音の良さに加えて、磁束密度を制御することで


うまく使えば音の張り、余韻、を奏でることが出来ます


これも楽しみの一つですが





励磁型が音がいい理由は、先程も説明した通り、高音質を奏でるために作られた回路だからです




まず何が優れているかと言えば、今まで何度も書いてきましたが、

おさらいをしますね






励磁の音の良さを簡単に言えば、振動板が信号に対し余計な動きをしません

正確に瞬時に立ち上がり、キレがいいだけですが、結果、より自然に近い音を奏でます






なぜ、励磁による磁気回路はそんなに優れているのか技術的にお伝えすると。


その理由は、磁性体そのものの透磁率のレベルの違いと思います




スピーカーは、磁場の中にボイスコイルを持っています。

このボイスコイルにアンプから音声信号を送ると、

ボイスコイルは前後に振動し振動板(コーン紙)から音声が発生します。


このとき、ボイスコイルは、磁場内で振動すると同時に磁場内の磁束を切るので、

発電機の原理でボイスコイルに起電力が発生します。


この起電力は、方向がアンプからの供給電流と反対であるため「逆起電力」になります。

この逆起電力は、ボイスコイルの運動を阻止する働き、つまり電気ブレーキをかける作用になります。

ボイスコイルと振動板の慣性等の過渡作用を電気的に阻止します。


過渡作用とは、慣性によって前に100動く電気信号に対して振動板が102動いてしまう、

120戻るという信号に対して125反応してしまう、といったように「オーバーワーク」になります。

このオーバーワークは、スピーカーの性能を大きく低下させます。


逆起電力の発生効率が高い磁気回路ほど、スピーカーの性能が高いわけです。

逆起電力を発生させる交流磁束は、磁気回路の磁気抵抗が大きいほど弱くなり、

電気ブレーキが弱くなります。

この磁気抵抗は、磁性体そのものの透磁率(μ)に影響されます。

透磁率(μ)は、空気が基準で1.0となっていて、磁気回路を構成する各材料によって異なります。


フェライト磁石μ: 1.1

アルニコ磁石μ: 5~7

純 鉄μ: 4000

パーメンジュールμ: 10000

スピーカーの音質は、


フェライト磁石よりアルニコ磁石を使った方が、有利であることはよく知られています。

励磁タイプのスピーカーは、磁気回路に透磁率の大きな「純鉄」や「パーメンジュール」を使用できます。


そのため、アルニコ磁石よりもさらに圧倒的に大きい透磁率を実現でいます。

その分、励磁タイプのスピーカーの音質は非常に優れています。


強い逆起電力によって、信号電流が消えると同時に振動板の運動も停止し、

信号電源には無い音は発生しない、


砂嵐のような荒さのない、艶のある自然な音声を奏でることにより


音楽を楽しむことが出来ます。




音を出すための磁極方式ではなく、音楽を楽しむためのに生まれてきた磁極方式が


「励磁」なんです






と、励磁型の大先生が仰っていますので、原文をそのまま載せました(笑)

※、秋〇さんすみません少し誇張して、使わせていただきました





注、励磁の事を詳しく聞きたい方は
フィストレックスさん、ローヤル産業さん、聴いたことはありませんがサウンドパーツさん
大型はGIPさんあとはWEをやっている販売店さんなどで少々やっていますのでお問い合わせくださいね







だいぶ励磁のことがお分かり頂けましたでしょうか?





音楽再生において、メーカー主導の特性や量の時代は終わったと思います


特性で音楽を聴いて楽しですか?



音楽を聴くのは、心や感性で聴く時代に戻ったんだと思いませんか



励磁に変えてから、マグネットの方が良いと思ったのは「暴れる迫力」だけです


でも暴れる爆音はもう聞きたくありません







私以外でも励磁型をはじめて、

マグネット型に戻った人は私が知る限り一人もいません










経済成長と共にメーカーが繁栄するためだけに、


ただ合理的に作られたマグネット方式のスピーカーから





感性で音楽を奏でられる音響機器、




そんな励磁型スピーカーの時代が来たと・・・・・、

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4 コメント

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Unknown (moriyama)
2021-11-22 20:04:48
励磁型スピーカーを分かりやすく解説してある渾身の文章だと思います。読ませて頂き感動しました。
渦電流に関しても触れられて有るのに驚きます。
後日に改めてアドバイスを頂きたいと思っております。
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Unknown (8417chiharu)
2021-11-23 22:50:38
ありがとうございます^_^、
返信する
使っています。 (たなか おさむ)
2024-04-15 08:48:40
去年からEMSのユニットLB8MK2EXをクローサーアコーステックで組み立てたのを励磁電源付きでヤフオクでスタート値段で買えました。初めて聞いた時はみずみずしく新鮮な音に感心しました。もう永久磁石式には戻りません。本当はフーストレックスの秋山氏がお亡くなりになり作ってないと聞き、夢でヤフオクを見たらなんて言わてた感じがして見つけました。病気で今までのステレオを売り、かなり回復したのでまた始めようと思ってからです。レコードとプレーヤーは手放したからCDだけをCECのトランスポートにオンキョーのDACを使いOTLアンプで聞いています。
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Unknown (ブログ主 たなかおさむ様、)
2024-04-16 12:22:06
ご病気が回復されてよかったですね、音楽を楽しみましょう。フィストレックスは広島で再生産が予定されていますが、まだまだ先になりそうです
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